ホンダの高級車ランキング5選! 歴代車種やアキュラブランド、スポーツカーも徹底解説
- 筆者: 文生伊(あおい)/松浦 広恭
- カメラマン:和田 清志/本田技研工業/MOTA編集部
ホンダの高級車といえば、NSXやレジェンドを思い浮かべる方も多いでしょうが、現在はこれらは新車では販売されていません。ではホンダの中で新車価格が高いのはどの車種なのでしょうか?
この記事では、現行のホンダ高級車を最高価格順のランキング形式で5車種をご紹介。
あわせて過去の高級車5選とともにホンダの高級車の位置づけやブランディング、海外ブランド「アキュラ」についても解説します。
ホンダの現行高級車ランキング5選
ホンダは、自動車だけでなく、オートバイや小型ジェット機、汎用製品など、多岐にわたる製品を製造・販売しているメーカーです。
また、モータースポーツに積極的に取り組んでいることから、スポーティーなモデルの開発を得意としています。
ここでは、そんなホンダ車の中でも、特に走行性能や内装の質にこだわった現行の高級車(新車価格が高い車)を5台ピックアップしてご紹介します。なお、新車価格は2024年11月時点のものです。
【第1位】CR-V e:FCEV
新車価格:809万4900円
ホンダ CR-V e:FCEVは、SUVの利便性を備えた燃料電池車(FCEV)で、日本メーカー初の外部充電可能なプラグイン機能を搭載した革新的なモデルです。この新機能により、従来の燃料電池車と比較して利便性が大きく向上しました。
自治体や企業、一般ユーザーを対象にリース形式で提供され、燃料電池車の普及を推進しています。
外観は、先代モデルに比べてより未来的でエレガントなデザインが採用されました。流線的なボディラインは空力性能を高め、燃費や走行性能の向上にも貢献しています。
動力システムには、燃料電池で生成した電力をモーターに供給するハイブリッド駆動システムを採用。これにより、電気自動車同様の即座に反応するトルクとスムーズな加速を実現し、快適で力強い走行が可能です。
さらに、コネクティッドサービス「Honda Total Careプレミアム」に加入すると、バッテリー残量の確認や充電開始時間の指定などが利用できます。
安全面では、衝突被害軽減ブレーキなどを含む先進の運転支援機能「ホンダセンシング」が全車に標準搭載されています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4805×1865×1690mm |
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WLTCモード(一充填走行距離/一充電走行距離) | 一充填走行距離約621km/一充電走行距離約61km(※WLTCモード走行パターンによるHonda測定値) |
【第2位】アコード
新車価格:544万9400円
ホンダ アコードは、1976年の初代モデル登場以来、多くの人々に愛され続けている人気車種です。現行の11代目モデルはハイブリッドシステム「e:HEV」のみの設定となり、環境性能と走行性能を高いレベルで両立しています。
パワートレインには、2.0Lエンジンと高出力モーターを組み合わせた2モーター内蔵電気式CVTを搭載し、効率的で力強い走りを実現。
さらに、先代モデルのホイールベースと全高を維持しつつ、全長とリアトレッド(リア左右の車輪間の距離)を延長することで、ロー&ワイドなスタイリッシュなフォルムとなりました。
内装は水平基調のインストルメントパネルを採用し、視覚的なノイズを抑え、運転に集中しやすい視界を確保。
また、駆動系やボディ、シャシーなどを徹底的に磨き上げ、街中から高速道路まであらゆるシーンでドライバーの意図に応える素直なレスポンスと高い安定性を提供しています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4975×1860×1450mm |
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WLTCモード | 23.8km/L |
【第3位】シビックタイプR
新車価格:499万7000円
ホンダ シビックタイプRは、サーキット走行を念頭に置いて開発されたハイパフォーマンスハッチバックです。
ドイツの有名なサーキットである「ニュルブルクリンク」でFF車最速タイムを記録し、高速域での安定性を追求した空力デバイスとスポーツ向けの足回りが装備されています。
搭載される2.0L 直列4気筒VTECターボエンジンは最高出力330馬力、最大トルク420Nmを発揮し、トランスミッションは6速マニュアルのみです。
2024年12月現在、予定を超える注文が入っており受注が一時停止されています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4595×1890×1405mm |
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WLTCモード燃費 | 12.5km/L |
【第4位】オデッセイ
新車価格:480万円〜516万5000円
ホンダ オデッセイは、「ファーストクラスミニバン」というコンセプトのもと、快適性と機能性を高次元で両立させたモデルです。
ミニバンでありながらセダンのような安定感を備えており、特にファミリーカーとしての実用性と走る楽しさを求めるドライバーに支持されています。
広い室内空間と上質なインテリアが特徴で、外装はクロームメッキがアクセントとなったダイナミックなデザインとなっています。
内装にはメタルパーツや木目調パネルが使用され、高級感を演出。2列目シートは、快適な左右独立タイプと多用途に使えるベンチシートタイプから選択できます。
さらに、低床設計により乗り降りがしやすい点も魅力です。
パワートレインには、2.0Lハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載。ガソリンエンジンと2つの電気モーターが連携し、走行シーンに応じて3つのモードを切り替えられます。
安全面でも優れており、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を含む「ホンダ センシング」が全車に標準装備されています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4860×1820×1695mm |
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WLTCモード | 19.6〜19.9km/L |
【第5位】ZR-V
新車価格:320万9000円〜437万9000円
ホンダ ZR-Vは、2023年4月に発売されたミドルサイズSUVで、都市部での使い勝手とアウトドアでの走行性能を両立したモデルです。「2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカーに選出され、注目を集めました。
デザインは、力強さとシャープさを融合した都会的でモダンな印象が特徴。コンパクトながらもワイド感のあるボディラインが、スタイリッシュでありながら存在感を放っています。
パワートレインには、新開発の2.0L直噴エンジンを国内で販売されるホンダのSUVとして初めて搭載。2モーターハイブリッドシステムとの組み合わせにより、滑らかな走り出しとパワフルな加速を実現しています。
また、1.5L直噴VTECターボエンジンは、高速走行やコーナリングでのレスポンスの良さとエンジンサウンドの一体感が楽しめる仕様です。
さらに、安全性能も充実しており、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を含む「ホンダセンシング」を全車に標準装備。運転時の安心感をしっかりサポートします。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4570×1840×1620mm |
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WLTCモード | 13.9〜22.1km/L |
ホンダの歴代高級車5選
ホンダは長い歴史の中で、個性的で高品質な高級車を数多く生み出してきました。
ここでは、ホンダの高級車の中でも特に象徴的な5つのモデルを紹介します。
NSX
ホンダ NSXは、ホンダのスーパースポーツカーの中でも頂点に位置する存在です。
1990年に初代モデルが登場し、「人間中心のスーパースポーツカー」をコンセプトに、優れた走行性能と信頼性で世界中のファンを魅了しました。
主な特徴は、F1技術やミッドシップエンジンレイアウト、画期的なオールアルミボディの採用など、最先端の技術を惜しみなく取り入れた点です。さらに、当時ホンダのF1ドライバーだったアイルトン・セナも開発に携わり、高性能と快適さを両立させました。
2代目モデルでは、ハイブリッドシステムを採用し、新たな走行体験を提供。低く構えたワイドボディや大型エアインテークが特徴的なデザインも注目を集めました。
惜しまれつつも、NSXは2021年7月に生産を終了しました。
クラリティ(フューエルセル/PHEV)
クラリティは、2016年から2021年まで生産された高級セダンで、燃料電池車(FCEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2種類が展開されました。
特に、クラリティ フューエルセルはホンダ初の量産型FCEVとして登場し、話題を呼びました。
外観と内装は未来的なデザインと高級感を兼ね備え、広い室内空間と高い静粛性で高級セダンとしての地位を確立しました。
残念ながら生産期間は短かったものの、このモデルで得た技術はCR-Vの燃料電池システムなどに活かされています。
レジェンド
ホンダ レジェンドは、ホンダの最高級セダンとして長年親しまれたモデルです。
初代モデルは1985年に発売され、4ドアセダンと2ドアクーペがラインアップされていました。その走行性能と快適性の高さで、多くのファンやVIPに愛されました。本田宗一郎やアイルトン・セナが移動に使用したことや、皇室の公用車としても選ばれたことから、その品質の高さが伺えます。
最終モデルとなった5代目では、レベル3自動運転技術を搭載し、大きな注目を集めました。2021年に埼玉県の狭山工場の閉鎖に伴い、36年の歴史に幕を下ろしました。
アコード
1976年に登場したホンダ アコードは、ホンダを代表するセダンとして多くの人に愛され続けています。
初代モデルはコンパクトな3ドアハッチバックでしたが、2代目以降はセダンが追加され、1980年代後半の4代目モデルが大ヒット。バブル期の日本で高級車としての地位を確立しました。
現在の日本市場ではハイブリッドモデルのみが販売されていますが、北米市場ではエンジンモデルも販売されており人気があります。そしてラグジュアリーセダンとしての地位を確立しています。
MDX
ホンダ MDXは、ホンダの北米向け高級車ブランド「アキュラ」の高級SUVで、日本では2003年から2006年まで台数限定で販売されていました。
3列シートを備えた大型SUVながら、ホンダらしいスポーティな走りを実現したのが特徴です。また、高級感のある内装と広々とした室内、サイドカーテンエアバッグによる安全性も評価されました。
最新の4代目モデルは北米を中心に販売が続けられ、アキュラブランドの中でも重要な位置を占めています。
ホンダ高級車の位置づけ
ホンダの高級車は、日本市場で特別な立ち位置を築いています。他の国産メーカーとは一線を画し、ホンダ独自の理念や技術を反映した高級車を展開しているからです。
ここでは、ホンダの高級車が持つ特長とその位置づけについて詳しく解説します。
スポーティな走りが楽しめる
ホンダの高級車は、快適さだけでなく、スポーティな走行性能が魅力です。
市街地での滑らかな乗り心地と、精密なハンドリングや力強い加速を両立する設計が特徴で、運転する楽しさを求めるドライバーに支持されています。
さらに、SUVやミニバンといったファミリー向け車両にも、このスポーティな走りの思想が反映されています。その結果、ホンダの高級車は「走りの楽しさ」を重視する層の中で確固たる人気を得ています。
技術力と性能を追求したブランディング
ホンダは、高度な技術力と性能を前面に押し出したブランディング戦略で差別化を図っています。
例えば、最高級セダン「レジェンド」には、先進的な四輪駆動システムや自動運転技術が搭載され、最新の技術を集約したモデルとして高い評価を受けました。また、「NSX」はF1で培った技術を活かし、ホンダの技術力を象徴するスーパースポーツカーとして世界的な名声を獲得しました。
単に高価格なだけでなく、「価格以上の価値を提供する車」としてのブランドイメージを築き上げている点が、ホンダ高級車の大きな強みです。
ラグジュアリーなイメージ
近年、ホンダの高級車は、スポーティで実用的な性能に加えて、上質でラグジュアリーな要素も高めています。
たとえば、最新モデルの「アコード」では、本革シートや上質なステアリングホイールが採用され、高級感が際立っています。また、「CR-V」ではサステナブル素材を使用した内装が話題となり、環境に配慮しつつ高級感を演出しています。
さらに、高級ミニバン「オデッセイ」では、2列目シートに電動機能やヒーター、大型センターテーブルを備え、まるでラウンジのような快適空間を実現。こうした装備は、スポーティな走りを好む層だけでなく、ラグジュアリーさを求める幅広い層のニーズに応えています。
ホンダの海外向け高級車ブランド「アキュラ」
ホンダが海外市場向けに展開する高級車ブランドが「アキュラ」です。
1986年に誕生したアキュラは、日本の自動車メーカーとして初めての高級車ブランドとして注目を集め、特に北米市場で高い人気を誇っています。
ここでは、アキュラの特徴や代表的な車種について紹介します。
アキュラの位置づけ
アキュラは、ホンダブランドの上位モデルを展開する高級車ブランドとして設立されました。
そのポジションは、トヨタのレクサスや日産のインフィニティといった国産高級車ブランド、さらにはBMWやメルセデス・ベンツなどの欧州高級車とも競合します。
アキュラの特徴は、上質な素材や先進技術を採用しながら、ホンダのDNAである「スポーティな走り」を重視している点にあります。高級感と走行性能を兼ね備えたアキュラの車両は、洗練された大人のドライバーに支持されています。
アキュラの代表車種
アキュラはセダンからSUV、そしてEVに至るまで、多彩なモデルを展開しています。以下は北米市場で販売されている代表的な車種です。
インテグラ
アキュラ インテグラは5ドアハッチバックとして2022年に復活しました。スポーツ走行を好むユーザーに人気で、6速MT仕様も選べます。
2023年には「北米カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。かつて日本でも1985年から2006年まで生産されていたモデルです。
TLX
アキュラ TLXは「プレミアムスポーツセダン」として登場した中型セダンです。
エンジンは2.0Lターボと3.0Lターボの2種類が用意されており、最上位グレードの「タイプS」では約360馬力を発揮するパワフルなエンジンが搭載されています。
RDX
アキュラ RDXは、スポーティな走りが特徴のコンパクトSUVです。
現行モデルからはアキュラブランド専用のプラットフォームが採用され、都会的なデザインと快適性が魅力です。
MDX
アキュラ MDXは、アキュラ専用設計の大型SUVです。
標準モデルには約300馬力を発揮する3.5L V6エンジンを搭載し、10速ATを組み合わせています。また、パフォーマンス志向の「タイプS」では、360馬力を発揮する3.0LターボV6エンジンを採用。
3列シートを備え、ファミリー層に人気のモデルです。
ZDX
アキュラ ZDXは、アキュラ初の電気自動車(EV)です。
ゼネラル・モーターズ(GM)との共同開発で生まれたモデルですが、ホンダらしいスポーティさが失われていないのが特徴です。
特に、EVにおける操る喜びを追求した「タイプS」は最高出力約500馬力を生み出す高出力モーターを搭載するなど、アキュラのSUV史上最も速くパワフルな走行性能です。
アキュラブランドは一部ホンダ車種として国内展開
アキュラブランドは主に北米や中国市場向けであり、日本国内には正規販売店がありません。しかし、一部のモデルが日本でホンダ車として展開された例もあります。
例えば旧型のMDXは2003年から2006年まで「ホンダ MDX」として販売され、2023年には現行モデルがホンダネット京奈で並行輸入されました。
また、レジェンド(アキュラRL)、アコード(アキュラTSX)、CR-V(アキュラRDX)などは、アキュラモデルを日本市場向けにアレンジしたモデルです。
国内でアキュラモデルを手に入れる方法としては、並行輸入車を購入するしかありません。
どちらの選択でも、アキュラならではの高級感とスポーティな走行性能を体感できるでしょう。
ホンダ高級車を中古車で選ぶ時の注意点
中古車市場でもホンダの高級車は人気があり、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
ただし、新車と比べると注意すべき点がいくつかあります。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。
ホンダ高級車を中古車で選ぶ時の注意点
一つずつ解説します。
走行距離や状態を確認する
中古車選びでまず重要なのは、走行距離と車の状態をしっかりチェックすることです。
走行距離の目安
年間1万km程度が一般的とされ、これを大きく超える車や極端に少ない車は注意が必要です。特に少なすぎる場合は、長期間放置されていた可能性があるため、状態を慎重に確認しましょう。
試乗して状態を確認
また、実際に試乗して車の状態を確認することも重要です。
特にエンジンに異音や振動がないか、オイルや冷却水に漏れがないかなど、走行することでしか確認できないポイントもしっかりチェックしましょう。
トランスミッションに変速ショックがないことや、サスペンションやブレーキの効き具合や違和感のチェックも大切です。
修復歴や水没車などを選ばないようにする
中古車を選ぶ時に避けたいのが、修復歴や水没歴のある車です。
修復歴のリスク
修復歴とは、車のフレーム部分が事故で損傷し修理された履歴のことです。
修復歴があると見た目に問題がなくても、走行中に不具合が発生する可能性が高まります。
水没車の危険性
水没車は、特に電装系のトラブルを引き起こしやすいため要注意です。
電子制御が多い高級車では、こうした問題が修理費用の増加につながりやすくなります。
信頼できる販売店で購入し、整備記録簿(メンテナンスノート)がしっかり残っている車を選ぶのが安心です。
古すぎる車種は修理費を多めに見積もる
クラシックモデルや古い車種を購入する場合は、修理費がかさむ可能性があることを考慮しましょう。
部品の供給リスク
古い車種では、部品の供給が終了している場合があり、修理部品の入手が困難または高額になることがあります。
特殊な整備技術が必要
一部の車種では、一般的な整備工場で対応できず、専門店に依頼する必要があるケースも。これにより工賃が高くなることがあります。
購入前に維持費や修理費用の目安を調べておくと安心です。
まとめ
ホンダの高級車は、スポーティな走りと先進技術、さらにはラグジュアリーさを兼ね備えた魅力的な車種が揃っています。
海外では上位ブランド「アキュラ」も展開されており、特に北米や中国市場で人気です。
中古車でホンダの高級車を選ぶ際は、注意点をしっかり把握した上で、信頼できる車を選ぶことで長く満足のいくカーライフを楽しむことができるでしょう。
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