みんなあるでしょ? 自動車整備士あるある5選
- 筆者: 増田 真吾
自動車整備士ってどんな仕事? 専門職だからこその“あるある”
突然ですが一般ユーザーの方にとって、自動車整備士とはいったいどのような職業と映っているでしょうか?
国家資格を取得し、クルマを直すことが仕事であるのは当然ですが、専門職であるからこそ、整備士にしかわからない、いわゆる“あるあるネタ”がいくつもあります。今回は整備士歴15年の私が、一般の方にとっては新鮮で、整備士の方にとっては共感できる“整備士あるある”をご紹介していきます。
整備士の愛車は安心! とも言えない?
まず、もっとも友達や親戚から言われるのが「やっぱり整備士のクルマは安心だねぇ」という言葉。
もちろん、公道を走って危険な状態とは言いませんが、整備士本人のクルマはそれほど完璧に整備されているわけもなく、むしろ一般ユーザーのクルマの方がきちんと整備されていたりするのです。
整備士は毎日さまざまなクルマに乗り、色々な症状を診ているため、通勤で乗っているだけでも、自分のクルマが今どういう状態なのか何となく把握できます。
正直に言うと、お客に対しては、「ブレーキパッドがあと4mmなので交換した方が良いですよ」と声をかけている状態でも、愛車の場合は応々にしてパッドがなくなるギリギリまで交換しなかったりして。状況にもよりますが、しっかりと安全マージンを取った一般ユーザーのクルマの方が、見方によっては安心な場合も往々にしてあります。
工具がないときは自分で造る(改造含む)
クルマを整備する際に必要なモノは何かと問われれば、知識、経験、気合、根性と言いたいところですが、やはり、ドライバーやメガネレンチなどの工具類は、整備士にとってなくてはならないモノの一つです。
ところが、ボルトの大きさや、作業内容によってさまざまな種類の工具が必要なのはもちろん、「○○という車種の△△という場所にだけ使う工具」というものもあります。もしくは、あんな工具やこんな工具があれば、取り外す部品の数を減らし、作業時間を大幅に削減できる!なんてこともあるわけです。
しかし、そのためだけに工具を購入するわけにはいきませんし、そもそもそんな都合に良い工具なんて存在しないことがほとんど。そこで、スパナを薄くしたり、ドライバーを曲げたりして、整備士は自分の工具を加工したオリジナル工具を持っています。
友達の車の助手席に乗ると、いろいろ外してみたくなる
好奇心が旺盛なことは、整備士にとって大切な素質の一つ。好奇心はクルマの不具合を発見するために、欠かすことのできない要素でもあります。
この部品はどういう仕組み?どうやって取り付いているの?など、知らないことは探求してみたくなるため、友達のクルマの助手席に乗ると、ついついいろいろな部品を外してみたくなってしまうのです。
「ちょ、ちょっと!壊さないで!!」なんて怒られることもありますが、安心してください!整備士はクルマを直すことが仕事ですから、きっと壊すようなことはしません。
「ツナギ」が持つ説得力は異常
整備工場に就職したばかりのころ、よく先輩フロントマン(※)に「お客さんに説明してきて!」と頼まれることがよくありました。
その先輩フロントマンは、自分よりも10年以上経験のある大ベテランで、経験や知識はもちろん、お客さんとの会話にも慣れています。
では、そんな先輩がなぜ若い整備士の僕に説明を依頼したのか?それは、ツナギを着ているだけで、お客さんが感じる説得力が3割増しになるからです。
たとえば皆さんが風邪をひき、初めて訪れた病院で出てきたお医者さんが、ダメージジーンズにサンダル、ヨレヨレのTシャツという姿だとしたらどうでしょう?
人は見た目で判断してはいけないとわかっていても、やはり白衣を着ていてくれた方が安心するはずです。
自動車整備の世界でも同じで、やはり整備士らしくツナギを着ている方が、お客さんは納得し、安心してくれます。ところが実際には、スーツ姿のフロントマンのほとんどは、長年その整備工場で整備士をしていた大ベテランであることが多いというのもまた然り。覚えておいて損はないトリビアでした。
※フロントマン:整備士としての技術や資格を持ちつつも、実際の作業ではなく、お客様の前に立って整備内容などを説明するポジションのこと。
腰痛、膝痛持ちが多い
整備士の世界にも、いわゆる“職業病”というものがあり、整備士がよく痛めるのが、腰と膝です。
クルマはどうしても人間の腰より低い位置に多くの部品が取り付けられているため、整備を行うときには、中腰や前かがみになるシチュエーションが多くなります。その結果、腰やひざに負担がかかり、腰痛を理由に引退する整備士が少なくないのです。
かく言う私も、膝を痛めた整備士の一人ですが、多くの整備士は、腰やひざを痛めることに関して、あまり悲観的に思っていません。
なぜなら、腰や膝を痛めてしまうもっとも大きな原因は、目の前の作業に集中し、長時間同じ体制をとっていたこと。もちろん痛めないに越したことはありませんが、痛いのはむしろ、楽しく仕事ができていた勲章のようなものでもあるのです。
整備士にしか分らないハナシはまだまだある!
これら以外にも、
・友達や親せきに修理を頼まれる
・作業中に急に神が下りてくることがある
・学生時代のアルバイトはガソリンスタンド率が異常
など「だよね!」という整備士の方もいらっしゃると思います。
その職種にしかない“あるあるネタ”は、よく見ると、その職種をよく表している内容が多く含まれています。
整備士の方はもちろんですが、今回の“あるある記事”を読み、整備士の生態を知っていただくことで、より安心して整備を依頼できる安心感に繋がれば幸いです。
[筆者:増田 真吾]
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