ホンダ ヴェゼル Modulo X試乗|売れっ子SUV×熟練のこだわりで、クルマ好きをうならせる1台に

  • 筆者: 伊藤 梓
  • カメラマン:MOTA編集部
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ホンダの純正アクセサリーやコンプリートカーブランドであるModulo(モデューロ)から、新たに「ヴェゼル Modulo X」が登場した。ヴェゼルは2019年上半期のSUV新車販売台数で1位を獲得した人気モデルだが、今回は熟練のエンジニアがチューニングを施した上質な走りを自動車ライター 伊藤 梓がレポート!

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目次[開く][閉じる]
  1. 納得のいくクルマしか出さない、Modulo X
  2. 実はスポーツカー仕様でなく、日常使い
  3. デザインは、さり気ない変化で上品に
  4. ノーマルモデルを超えた走り
  5. まとめ:クルマ好きをうならせるモデル
  6. ホンダ ヴェゼル Modulo Xの主なスペックと価格(ハイブリッド/ツーリング)
  7. 最後まで読んで頂いた方には超豪華な旅館宿泊のチャンス!

納得のいくクルマしか出さない、Modulo X

第8弾「ヴェゼル Modulo X」、堂々誕生

Moduloが手掛けるコンプリートカーである“Modulo X(モデューロ・エックス)”シリーズは、レーシングドライバーの土屋 圭市さんが開発のアドバイザーとして携わっており、開発者も「納得のいかない部分があるクルマは絶対に出さない」という信念を持っているこだわりのあるブランドだ。

このModulo Xのモデルは、今回のヴェゼルで第8弾となる。実はこの間にも開発を進めた車種はあったそうだが、半年間開発を進めたモデルでも、納得のいく仕上がりにならなかった際は、ばっさりとプロジェクトを中止したこともあったという。

そんな厳しい開発を乗り越えて、ヴェゼル Modulo Xは誕生している。

実はスポーツカー仕様でなく、日常使い

テストでは後席で乗り心地を確かめる

ヴェゼル Modulo Xにはノーマルモデルと同様、ガソリンターボ車とハイブリッド車(FF/4WD)が用意されるが、実はModulo Xのモデルで4WDを採用するのはこれが初めてとなる。

私にとって“Modulo”といえば、スーパーGTに出ているNSXを想像してしまうのだが、実はModulo Xのコンプリートカーは、そういったスポーツカーを目指しているわけではないという。

あくまで日常での使い勝手を考えているので、「ドリキン」(ドリフトキングの略)の愛称で有名な土屋 圭市さんでさえ、Modulo Xの開発中にテスト走行するときには、まず自分で運転せずに後席に座って乗り心地から確かめるそうだ。

デザインは、さり気ない変化で上品に

ブラックをあしらい、スポーティに

ヴェゼル Modulo Xと対面すると、デザインは思ったよりもノーマルモデルから大きく変わっていないように見えた。ブラックのパーツがフロントからリアにかけて適度にあしらわれていて、スポーティな印象がありつつ上質な雰囲気でまとめられている。

こういったコンプリートカーだといかにも「変わりました!」というデザインになりがちだが、個人的にはこのくらいのさりげない変化の方が好みだ。

ノーマルモデルを超えた走り

ガソリンターボは、キビキビした走り

ヴェゼルはノーマルモデルでも他のSUVと比較するとハンドリングがいいと思っていたのだが、Modulo Xのガソリンターボモデル(ヴェゼル ツーリング Modulo X)に試乗してみたところ、サスペンションも一新されているためか、さらにキビキビと走るようになったと感じた。

ちょっとしたカーブや交差点などもより気持ちよく走れるようになっている。その代わりノーマルモデルと比べると足が硬く、コツコツと路面の凹凸を拾う傾向にはある。

ただ高速道路でスピードを上げていくとピタッとフラットに走るし、直進性もいいので、ロングドライブはむしろ楽になったように感じる。

ハイブリッドは、穏やかなドライブフィール

ハイブリッドのModulo Xにも乗り換えてみると、大まかな印象は一緒なのだが、より滑らかにしっとりと走るモデルになっている。

ガソリンターボのツーリングのようなキビキビ感はすこし薄まっているものの、もっと穏やかなドライビングフィールで、より万人が乗りやすいモデルになっていると感じた。

また、今回のヴェゼル Modulo Xからハイブリッドの4WDモデルも登場したので、これまで寒冷地や雪国で「クルマは絶対4WDじゃないと!」というユーザーにもModuloを選ぶことができるようになったことは大きい。

まとめ:クルマ好きをうならせるモデル

もっと欲張りたくなる1台

ヴェゼル Modulo Xに乗ってみて、元々ヴェゼルは良いクルマだと思っていたが、よりその幅が広がって、クルマ好きをうならせるモデルに仕上がっていると感じた。

ただ、以前Modulo Xのステップワゴンに乗った時に、ノーマルと比較してとても乗り心地がよく、運転しやすくなっていて感動したのに対して、ヴェゼルはそこまでのジャンプアップはなかったように感じた。

開発で色々な制約やコストの制限はあると思うが、たとえばガソリンモデルは1.5ターボエンジンのパワーを向上させて余裕を持たせたり、低速域での乗り心地ももっとソフトにした方が「誰もが日常でのさまざまな走行シーンで、より快適な走りを楽しめる」というModulo Xの世界観にマッチしているのではないだろうか。

これからも、プラスαの楽しみ方を

ともあれModulo Xは、これまでのノーマルモデルをよく知っている人をもハッとさせる新しいクルマの楽しみ方を教えてくれる。

これからもそんなクルマづくりを続けてくれたら、いちファンとしても嬉しいなと思った。

[筆者:伊藤 梓/撮影:MOTA編集部]

ヴェゼル(ノーマルモデル)の走りはコチラでチェック!

ホンダ ヴェゼル Modulo Xの主なスペックと価格(ハイブリッド/ツーリング)

ホンダ ヴェゼル Modulo X 主要スペック比較表

グレード名

1.5 ハイブリッド モデューロX ホンダセンシング AT

1.5 ハイブリッド モデューロX ホンダセンシング 4WD AT

1.5 ツーリング モデューロX ホンダセンシング CVT

価格(消費税込み)

346万7200円

361万7900円

352万8800円

全長×全幅×全高

4335mm×1790mm×1605mm

4335mm×1790mm×1605mm

4335mm×1790mm×1605mm

ホイールベース

2610mm

2610mm

2610mm

駆動方式

FF

4WD

FF

車両重量

1310kg

1390kg

1360kg

乗車定員

5名

5名

5名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC

直列 4気筒 DOHC

直列 4気筒 DOHC

総排気量

1496cc

1496cc

1496cc

エンジン最高出力

97kW(132PS)/6600rpm

97kW(132PS)/6600rpm

127kW(172PS)/5500rpm

エンジン最大トルク

156Nm(15.9kg・m)/4600rpm

156Nm(15.9kg・m)/4600rpm

220Nm(22.4kg・m)/1700rpm

トランスミッション

7速オートマチック

7速オートマチック

無段変速オートマチック

使用燃料

レギュラー

レギュラー

レギュラー

タイヤサイズ

225/50R18

215/55R17

225/50R18

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伊藤 梓
筆者伊藤 梓

グラフィックデザイナー時代にミニカーの商品を担当するようになってから、どっぷりと車に魅了されるように。「こんなに人を惹きつける車というものをもっとたくさんの方に知ってほしい」と、2014年に自動車雑誌の編集者へと転身。2018年に、活動の幅を広げるために独立した。これまでの経験を活かし、自動車関係のライターのほか、イラストレーターとしても活動中。記事一覧を見る

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