期待のホンダ オデッセイ ハイブリッド、燃費はライバル圧倒!割高になってしまうHVは支持されるのか
- 筆者: 国沢 光宏
別件で朝からホンダのディーラーに行ったら「明日発表になります。すでに受注を始めてるんですよ。少し高いと思いますがどうでしょうか?」と、2月4日に追加されるオデッセイハイブリッドの価格を教えてくれた。
ナルホド…ビツクリ! 驚くほど高かったのである。
何とアブソルートに対し、55万円(標準モデルだと61万円)も高いのだった!
私が昨年末に書いた記事で予想した価格差通り、ライバル、アルファード/ヴェルファイアの価格差とほぼ同じだった。
もう少し具体的な数字を。オデッセイのアブソルートは、自動ブレーキなどフル装備の『EX』で345万円。ほとんど同じ装備内容となるハイブリッドの『EXパッケージ』は55万円高の400万円である。これだけ高いと「ハイブリッド代」のモトなど取れない。
どうやらディーラーの人も「これじゃ売れない」と危惧しているようだ。
ここにきて「ハイブリッドなら高くてもOK!」というユーザーがトヨタに於いても減ってきた。何とか「燃費差でハイブリッド代を回収出来そう」なシエンタすらHV車販売比は50%。
比較的御予算に余裕あるユーザー多いアルファードやヴェルファイアも、現行型になって25%程度。ガソリン相場の低下もハイブリッド離れの要因になっている。
オデッセイ ハイブリッドのJC08燃費は26km/Lと素晴らしい。ホンダの2モーター式の場合、アコードの実績を勘案すれば実用燃費が65%くらいになるけれど、それだって17km/L前後走る計算。普通のエンジンのオデッセイであれば今や「日本の基準」になりつつある『永田モード』で10.7km/Lだから、オデッセイ ハイブリッド凄いと思う。
ただこの燃費差だと10万km走っても40万円しかガソリン代が浮かないのだった。61万円差の普通のオデッセイでは15万km走ってやっとペイ出来る感じ。
ディーラーの営業マンも、お客さんにハイブリッドの魅力をどうやってアピールしたらいいか解らないだろう。100歩譲って価格差は40万円までじゃないと勝負にすらならないと考える。
また、システム出力は199馬力でアブソルートの190馬力を超えるけれど、車重増を考えれば帳消しになってしまう。どうやらホンダの国内販売部門はジェイドの失敗の原因を認識していない様子。
スペックを見ただけで「売れないでしょう!」と思えるクルマを出す理由が分からない。困ってるのは現場の営業マンである。
[Text:国沢光宏]
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