大戸区立第一自動車学園 【歴史の授業】 -ホンダNシリーズの歴史-

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:和田清志
大戸区立第一自動車学園 【歴史の授業】 -ホンダNシリーズの歴史-
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歴史の時間

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2014年の軽自動車販売台数ランキングで、ホンダのN-BOXが2年連続となるナンバーワンに輝いた。N-BOXのほかにも、N-ONE、N-WGNといった、ホンダの新世代軽自動車「Nシリーズ」の各車も販売上位につけている。では、これらNシリーズが現在市場で人気が高い理由を考えるにあたり、まずはそのヒストリーについて学んでいこう!

神田先生「ホンダのNシリーズについて、その人気の理由がわかる人?」

まるも「はい! 室内が広くて使い勝手がいいからだと思います」

今井「う~ん、アタシはやっぱり走りが気持ちいいからだと思うなぁ」

清水「はい先生、それは簡単です。Nシリーズには、ホンダの“MM思想”が脈々と受け継がれているからです」

神田先生「さすが和夫くん! そのとおりよ」

今井「和夫く~ん、“MM思想”ってなあに?」

まるも「あら、ユーキちゃん知らないの? MMはマンマキシマム・メカミニマムの略で、機械部分を小さくして人の部分を大きくすべきだっていう考え方よ」

今井「へ~、そーなんだぁ」

神田先生「そうよ。あきこちゃんもよく知ってるわね」

まるも「うふふ、ちゃんと予習してきましたから」

清水「そのルーツは、ホンダ創業時の名車N360にあるんだよ。そうですよね、先生?」

神田先生「はい、そのとおり。Nシリーズの名前の由来でもある、1967年に登場したN360、みんな知ってるかしら?」

今井「生まれてないから知りませ~ん(笑)」

1963年に、当時二輪メーカーだったホンダが初の四輪モデルとして発売したのは、軽トラックの「T360」だった。続いて、同年にオープンスポーツカーのS500を発売。そして、生産台数の限られていた両車の技術を流用しながら大衆向けの乗用車として開発されたのが、N360である。同モデルは、大人4人が快適に乗れる乗用車として最大限のスペースをつくるべく、タイヤをボディの4隅に配置した2ボックス形状で設計され、エンジンはフロントに横置き搭載。まさにMM思想の元祖といえるものであった。ちなみに、このN360の「N」も、現代のNシリーズ同様、「Norimono」からきているという。

今井「先生! じゃあホンダの軽自動車の名前には、ぜんぶNが付くんですか?」

神田先生「それは違うの。N360の後の軽自動車について、あきこさんなら知ってるかしら?」

まるも「はい先生、70年代のZや旧ライフ、80年代のトゥデイや90年代の新ライフなど、個性的な軽乗用車がたくさんありました」

神田先生「はい、そのとおり。よく学習してるわね」

まるも「えへへ」

神田先生「では、どうしてNって名前がつかなかったのかしら?」

今井「う~んと……」

清水「きっとその間の軽自動車たちは、どれもデザインや走りやキャラクターに突出したモデルで、N360とは狙い所が違ったからだと思います」

神田先生「そうね、そういう尖った部分もホンダらしさではあるんだけど、メガヒットにはなれなかったの。そこで、これまでの軽自動車開発の集大成として、登場したのが、新しいNシリーズなのよね」

Nシリーズ第一弾として2011年にデビューしたのはN-BOX。現在の軽自動車市場で最も人気が高いカテゴリーはスーパーハイトワゴンだが、ここがホンダのMM思想とも合致した。フィットで生み出されたセンタータンクレイアウトを用いることで低床フロアを実現し、高い全高と相まってクラスナンバーワンの広い室内スペースを確保された。ちなみに、軽自動車としては、T360以来のDOHCエンジン搭載モデルでもある。

神田先生「はい、これでNシリーズのルーツはわかったかな?」

今井「てかさ~、Nシリーズ第三弾のN-ONEってなんかN360に似てない?」

神田先生「そう、目の付けどころがいいわね。まさにN-ONEは、N360のオマージュでもあるから、万人が親しみやすいキュートなデザインになったの」

まるも「デザインでもNシリーズはホンダの歴史を受け継いでるんですね!」

清水「まるもさん、デザインだけじゃないんだよ。ホンダといえば60年代からF1に参戦してきたし、まさにホンダの歴史はレースの歴史でもあるんだけど、実は00年代にF1のエンジンを開発していたエンジニアたちが、Nシリーズの開発にも携わっているんだ」

神田先生「よく知ってるわね。さすが和夫くん! そういった部分も含めて、Nシリーズはホンダの歴史とロマンがつまっているクルマなのね。じゃ、今日の歴史の授業はここまで。試験に出るからちゃんと復習しておいてね!」

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