ホンダ 新型レジェンド 試乗レポート/今井優杏(1/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:茂呂幸正
今、日本の自動車産業に立ちはだかる「壁」
レジェンドが、『レジェンド』として発売された。
それがどういうことを意味するのか、ということにちょっと想像を巡らせてほしい。
今や自動車産業は、“燃費”という、凄まじい破壊力を持つ壁と闘っている。もちろんその方向性としては、世界的なCO2削減への流れなんていう壮大な人類のテーマに於いて、ということも然りだけど、特に日本のユーザーに向けては『エコロジー』より『エコノミー』が至上命題。たとえば同じスペックのクルマ2台並べて、さあどっち買いましょうかとなったときなど、じゃあ燃費のいいほうで、となるのはこのご時世のこと致し方ない。
だから販売店は、クルマのリアガラスに遠慮のカケラもなくベタっと不細工に貼りつけられた省燃費シールの、星の数とパーセンテージに異様なほどに執着を示す。だってその星の数とパーセンテージが、あっぱれ見事なほど販売台数に反映されるのだというから消費マインドとは子供のように素直なものなのだ。
何故、「レジェンド・ハイブリッド」ではないのか?
とくれば、レジェンドだってそのネーミングを『レジェンド・ハイブリッド』にすればきっと、八方丸く収まったに違いない。販売店もわぁそれは売れそうだと喜ぶだろうし、ユーザー側も、これだけ北米中国が好みそうな派手なルックスを持つデカいセダンを新しく駐車場に迎えたって『や、これハイブリッドなもんですみませんエヘヘ』なんてご近所への言い訳も立っただろうに。
しかし、レジェンドはレジェンドだった。
その理由を尋ねたところ、エンジニア氏は言った。
『新型レジェンドのハイブリッドはただのハイブリッドではない。“スポーツハイブリッドSH-AWD”なんです。いわゆるハイブリッドカーという燃費に偏ったイメージで、このレジェンドを見て欲しくなかった』
キターーーーーーー!ホンダイズム炸裂である。
販売店の、そしてユーザーの声よりも作り手が信念を貫いて、そしてその先のユーザーに回答を委ねる。なんつー浪漫!いやでも言い換えればなんつー傲慢!(すみません)
しかしその言葉が私の心にも響いたように、きっとユーザーの心をも叩くと信じたい。何故ならばこの、ホンダが誇る3モーター式ハイブリッドの生み出すキリっと冷えたミネラルウォーターのようにクリアなフィーリングは、たとえそのシステムの如何なるかを知らずに乗り込んだとしてもハッとさせるようなものに仕上げられていたからだ。
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