Honda eは"スマホみたいなEV” その意味とは!?【I Love コンパクトカー】
- 筆者: 望月 達也(MOTA編集部)
- カメラマン:土屋 勇人
2020年中に市販を予定するホンダの都市型コミューター、Honda e(ホンダ・イー)。
正式発売はまだもう少し先ですが、ここまで、そのHonda eの概要と、ゆるキャラみたいに愛らしいエクステリアデザイン、最新テクノロジーがつぎ込まれたインテリアについてお伝えしてきました。さらに今回は、気になるそのEV性能を紹介していきます!
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Honda eは航続可能距離の呪縛から解放され、スマホのような自由さを手に入れた
Honda eは、コンパクトなボディで街中で使いやすいシティコミューターを目指して開発されたホンダ初のピュアEV(電気自動車)です。
開発の背景には、2021年より欧州で強化される燃費規制(CAFE規制)への対応、また、欧州や日本といった狭い道路事情に適合することがありました。
現在のEV市場に並ぶ他モデルは、世界的に見てもガソリン車の能力をそのままEVで実現している(させようとしている)モデルが大半を占めます。しかし、それにはバッテリー容量の拡大やそれに伴うボディの大型化、コスト増など、簡単ではない問題も生まれます。
そこでHonda eでは、その呪縛から1回逃れ、コンパクトなシティコミューターで利便性の高いクルマにするとともに、近未来の技術を詰め込み磨きをかけ、魅力あるクルマにしようと開発されました。
「従来の長距離型EVはタブレット端末。タブレット端末も大きくて見やすくて良いですが、Honda eは普段からポケットに入れて持ち歩く使い勝手の良いスマートフォンのようなEVを目指しました。」と、Honda e開発責任者の一瀬 智史氏は語ります。
ピュアEVで、ホンダらしさが詰まった「走り」
EV専用に新開発されたプラットフォームは、リアアクスルにモーターを配置した後輪駆動(RR)を採用。重量配分を前後50:50で実現し、Honda eはホンダらしさが詰まった「走り」が楽しめます。
そしてそこに搭載されるパワートレーンは最高出力154PS、最大トルク315Nmを発生する電動モーターと、35.5kWの高出力型リチウムイオンバッテリーの組み合わせ。一充電の走行距離はWLTCモードで283km。30分の急速充電では202kmの走行が可能となっています。
ちなみに「日産 リーフ e+」の場合、62kWhのバッテリーを搭載して458kmの走行を実現しています。
283km(WLTCモード)という航続距離は、現在のEV市場に並ぶ他モデルと比べると控え目なスペックですが、ホンダはHonda eをシティコミューターと位置付け、あえて割り切りました。
その反面、ストップ&ゴーの多い街中での走行に合わせダイレクトな加速を実現させたのも、シティコミューターとしての特性を狙ったからです。
また、パワーコントロールユニット(PCU)をコンパクトかつ横置きにレイアウトしたことで低重心化にも寄与。さらにHonda eは、RRレイアウトとなったことで、前輪の切れ角を大きくすることが可能となり、最小回転半径は4.3mという驚異的な数値を誇ります。さながら、実際の前輪の切れ角はドリフトマシンのようです。
これら様々な特性が、ホンダらしさが詰まった「走り」に繋がっているのです。
EVならではの「シングルペダルコントロール」も用意
Honda eでは、ドライバーの好みに応じて選択できる「ノーマル」と「スポーツ」の2種類の走行モードを備えます。
ステアリングのパドルシフトで減速Gの切り替えを行い、「ノーマル」は4段階で最大約0.1G、より力強い走行が可能な「スポーツ」は3段階で最大約0.18Gを発生させることが可能となっています。
さらにアクセルペダルだけで加減速が行える「シングルペダルコントロール」も用意。
ONにすればペダルを踏み換えることなく、完全停止までアクセルペダルだけでスピードのコントロールを行なうことが可能。積極的にEVならではの走りが楽しめます。それが苦手という方も勿論大丈夫。OFFにすれば従来のガソリンAT車のような走行フィーリングで、クリープも発生します。
実際に街で乗って、色々走行モードを試したい! 乗るのが楽しみで待ち遠しい1台です。
[筆者:望月 達也(MOTA編集部)/撮影:土屋 勇人]
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