ホンダ 3代目新型フィット[2013年9月発売予定モデル] 試乗レポート/飯田裕子(2/3)
- 筆者: 飯田 裕子
動力面の注目は超高効率エンジンとハイブリッドシステム
動力の注目はやはり「ハイブリッド」。
リッター36.4km/Lという圧倒的な燃費を叩き出した新型フィットハイブリッドに採用されている技術は、トヨタ アクアよりもエンジン効率そのものが高いと言う1.5リッターアトキンソンサイクルエンジン、電気モーター、7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)、リチウムイオンバッテリー、そして電動サーボブレーキシステムとフル電動コンプレッサーなどが挙げられます。
新型フィットハイブリッドは、1.5リッターエンジンとモーターの2つの動力を走行状況に応じて両方使ったり、モーターのみ(EV)もしくはエンジンのみで走りながら常に燃費の良い走行を選択します。
一般的な走行例としては、ゆっくり発進するとEV(モーター)スタートをし、エンジンが温まった状態であればそのままEV走行も可能です。坂道をのぼる際にはモーターはアシストにまわり、だいたい速度60km/h以下では主にエンジンとモーターを使ったハイブリッド走行をします。
新型フィットでは、充電の速さやEV走行時間の長さも特徴的
また今回の試乗では、減ったバッテリーを充電する速さも印象的でした。その仕組みは第一に、先代の鉛バッテリーに代わってリチウムイオンバッテリーを採用したことで、バッテリー容量がこれまでの約2倍となったこと。
そこへ、今回新たに充電効率の高い「電動サーボブレーキ」を採用したことで回生エネルギーの回収量も増え、減ったバッテリーを速やかに貯めることができるようになったからだとか。
バッテリーが貯まりやすくなったおかげで、電気モーターを使う頻度も増えれば燃費も上がる、というわけです。
さらに新型フィットハイブリッドでは、アイドリングストップの時間もEV走行の時間も長くなっています。
すると確かに燃費は向上する印象がありますが、これまでは特に夏場に室温が上昇するとエンジンが自動的にかかる頻度も高くなり(エンジン始動の瞬間ガソリン消費は大きいのです)、実際の燃費が思いのほか悪かったと言います。
さらには、夏の渋滞中の室内はエアコンが止まり送風状態となってしまい、さすがに暑くて不快でした。
そこで、今回から電動コンプレッサーとウォーターポンプを新たに採用し、アイドリングストップやEV走行時もエンジンの動力を必要とせずにコンプレッサーやウォーターポンプが働き続け、室内の快適性もきちんと保つことができるようになりました。よりエコで快適な新しいポイントがココにもありました。
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