2020年発売のホンダ 新型フィット(プロトタイプ)に速攻試乗!|注目の新型ハイブリッドでヤリスを超えるか(2/2)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:Honda
燃費はどうなる!? ホンダの新ハイブリッド「e:HEV」とは
コンパクト向け2モーターシステムを新開発
ホンダはこの新型フィットからハイブリッドシステムの名称を「e:HEV」(イー・エイチ・イー・ブイ)へと改めた。そのシステムは旧型の1モーター+7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)から最新の2モーター式へとアップデートされたが、同社のインサイトやステップワゴンに使われるシステム(i-MMD)と同じである。
とはいえフィットは小型車であるため、そのバッテリーサイズはインサイトなどに比べて小型化されている。そしてこの変更によって、後席レッグスペースとトランク容量は、クラストップの値を確保した。
また出力値とともに燃費性能も公表されていないが、これも先代を上回るのはもちろん、クラストップレベルの性能をマークしているとのことだった。
ガソリン車以上に洗練されたハイブリッドの走り
先代よりも静かな2モーター式
そんな気になる新型ハイブリッドを、平均的なグレードとなる「ホーム」で試した。
肝心の走りは、ガソリン車以上にその洗練度を増していた。当日は先代ハイブリッドとの乗り比べも行ったが、まず、静粛性が大きく高まっている。
1モーター+7速DCT時代のハイブリッドはデュアルクラッチトランスミッションの歯切れ良さこそ素晴らしいものの、モーターはアシスト役。特にアクセルを深く踏み込んだ状況ではエンジンの主張が強く、ハイブリッド感はあまり感じられなかった。
対して新世代ハイブリッドの主役は完全にモーターである。
発進時にはバッテリーに蓄えた電力で静かなスタートを切り、通常走行のほとんどをモーター駆動でこなす。アクセルを踏み込んだときもエンジンが発電をアシストして、やはりモーターで走る。エンジンが直結するのはハイブリッドが燃費的に一番苦手とする高速クルージング時くらいで、その切り替わりもほとんどわからない。
トヨタのハイブリッドや日産 e-Powerとはどう違う!?
モーターの高出力化も、こうした制御に大きく貢献している。走行用モーターはその上限回転数を10900rpmから13300rpmへと向上させ、トルク特性は54%も高まった。ちなみにこれは、1.5リッターターボエンジン以上のトルク特性だという。またモーター駆動による損失低減は、14.1%も低められた。
こうしたパワーユニットの改良は、たとえばエンジンを完全なる発電機として用いる日産 ノート eーPOWERに比べて、エンジンの存在を上手にマイルド化した。またヤリスのハイブリッドよりも、静粛性が高いと感じる。
しかしアクセル開度に応じたエンジン回転上昇感の自然さや、有段フィールを与えたモーターのステップ制御があまりに巧みなせいか、なぜだかノート e-POWERに比べてモーターで走っている実感があまり感じられないのは意外だった。
同じシステムを積むインサイトやステップワゴン ハイブリッドよりも車重が軽いこともあり、「静かなガソリン車」として上質に走ってくれるのだが、その制御の素晴らしさにほとんど気づかず走ってしまうのは、少しもったいない。
ハイブリッドはまさに「クラスを超えた上質さ」
最も完成度の高いパッケージング
つまり新型フィット ハイブリッドは、EVというよりも既存のハイブリッド車として考えると、その走りがクラスを超えて上質だと言える。
そしてここまで動力性能が高いとなると、もっと小さなエンジンでも良かったのではないか? と感じた。
それを技術者に尋ねてみると、確かにその通りだと彼らは認めていた。
しかし1.5リッターエンジン+2モーターの組み合わせは現状最も完成度が高いパッケージングであり、さらにより速度域が高く、航続距離も長い欧州でこれをスタンダードとすることから、新型フィット ハイブリッドは1.5リッターとなったのである。
こうした走りに対しては、上級グレードである「リュクス」のレザー内装がぴったりだと感じる。またモーターやバッテリーを搭載して増した重量を、そのサスペンションと16インチタイヤがしっとりと支えてくれるのも心地良い。
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