ホンダ 新型アコード ハイブリッド 試乗レポート／国沢光宏(2/2)

燃費は、同クラスのカムリHVより20％以上良い

気になる燃費だけれど、カタログ値と実燃費の差が少しばかり大きいか？

カタログ値30.4km/Lのプリウスの実用燃費は、街中で20～22km/L。流れの良い道だと25km/L前後。それに対しアコードHVは街中18km/L前後。流れの良い道で20km/L前後といった具合。もちろんボディサイズを考えれば文句ないですけど。

また、速度レンジが高くなればなるほど燃費の低下は大きくなっていく。プリウスより車重が300kg重く、空気抵抗も大きいためだ。このあたりは仕方ないと思う。それでも同じクラスのトヨタ カムリHVと比べれば、20％以上良い数値である。乗り方によって実用燃費に大きな差が付くと言うことだけは認識おいて欲しい。

乗り心地は少し変わっている。比較的滑らかな路面状況だと素晴らしくフラット。路面のデコボコを全て吸収してしまう、と言っても大げさじゃないほど。手放しでホメておく。けれど少し大きな“うねり”や大きな段差などあると、良くない意味で突っ張る感じが出る。荒れた路面を走った人だと「イマイチ」の評価になるかも。

小さいデコボコは上手に吸収し、大きい入力になると従来通りという構造のダンパーを使っているためなのだけれど、皆さんどう評価するだろうか？

燃費を引き出すためユッタリ走るという使い方が前提ならば、全く問題なし。「ハイスピード域になると落ち着きがなくなる」という弱点は気づかないかもしれません。

500万円という価格を付けた（官公庁やフリートユーザー向けなので、売る気の無い価格設定にしている）PHV仕様にも乗ってみた。同じPHVのプリウスと比べ、圧倒的にパワフル。モーター出力だけでなく電池の性能も高いため、電気自動車としての性能が高い。EVモードでの航続距離は37.6km（メーカー公表値）。

HVとPHVの価格差を埋めるのは、ガソリン代と電気代の差額である。電気で走るとガソリンの半額で済む。EVモード1万km分で4万円だ。毎日30kmを電気で走れば、10万km走ると40万円浮く計算。いや、40万円”しか”浮かない。したがって今の価格差だとPHVは意味無し。率直に言えば、ムダ遣いです。