プリウス/ゴルフ/アクセラスポーツを徹底比較 ~注目の最新ミドルサイズハッチバック~(2/4)

プリウス/ゴルフ/アクセラスポーツを徹底比較 ~注目の最新ミドルサイズハッチバック~
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攻めた外観デザインと進化したハイブリッドが特徴

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プリウスは1997年に世界初の量産ハイブリッド車として誕生した。初代モデルのボディスタイルは4ドアセダンだったが、2003年に発売された2代目で5ドアハッチバックになり、先代モデルの3代目も同じ路線を引き継いだ。

4代目の現行モデルも基本形状は同じだが、見栄えはかなり違う。象徴的なのがフロントマスクで、バイビームLEDヘッドランプを鋭角的に仕上げた。ボンネットやフェンダーを、フロントマスクの中央に装着されたトヨタのエンブレムに向けて絞り込む造形は、今のトヨタ車に多く見られる特徴だ。プリウスはこれをさらに進化させて明確に表現した。

ただし奇抜な顔立ちともいえるだろう。市場の意見も賛否両論。他メーカーの商品開発担当者からは「かなり攻めたデザイン。今までのトヨタ車には保守的な造形が多かったが、最近は個性を強めており、その代表がプリウス」という声が聞かれる。

ボディサイズは全長が4540mm、全幅が1760mm、全高が1470mmとなり、先代モデルに比べると60mm長く15mm幅広い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2700mmで変更がないため、前輪の中心点からボディ先端までを25mm、後輪側は35mm伸ばした。最近のデザイントレンドは、このオーバーハングを短く抑える傾向にあるから、寸法的にもプリウスは個性的だ。

ホイールベースの数値は同じでも、プラットフォームは一新された。TNGA(Toyota New Global Architecture)の考え方に基づき、リアサスペンションは車軸式のトーションビームから、独立式のダブルウイッシュボーンに変更された。オーリスなどから発展した先代モデルとは素性が異なる。

ハイブリッドシステムは、直列4気筒の1.8リッターエンジンがベース。駆動用電池と発電機を兼ね備え、発電とモーター駆動を同時に行うことが可能だ。現行モデルでは後輪をモーターで駆動する4WDも新たにラインナップに加えた。

駆動用電池はSグレードにはニッケル水素、ほかのグレードはリチウムイオンを使う(4WDはすべてニッケル水素)。2WDのJC08モード燃費は、売れ筋のSやAが駆動用電池を問わず37.2km/L、燃費スペシャル的なEは40.8km/Lだ。

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従来の特徴を受け継ぎながらプラットフォームを刷新した新世代ゴルフ

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VW ゴルフは世界的な小型車の定番とされる。初代モデルは1975年に日本国内で発売され、一躍ヒット作となった。小さくてシンプルなデザインのボディ、広い車内と使い勝手の良い荷室、高い走行安定性など、優れた機能を備えていたからだ。

当時の日本車は排出ガス規制による出力低下を補う目的もあり、小型車でも豪華指向のツジツマが合わないクルマ造りを行っていたから、ゴルフの合理性が大いに注目された。

合理的な機能の中核にある技術が前輪駆動だった。シトロエンやミニは、ゴルフの登場以前から前輪駆動で実績を重ねていたが、今のような常識的な駆動方式になったのはゴルフが登場してからだ。

そして現行モデルは7代目になる。前輪駆動のハッチバックボディは初代モデルから受け継ぐ特徴だが、エンジンの選択肢は多い。直列4気筒の1.2リッターと1.4リッターのターボを主力としながら、2リッターターボのGTIやゴルフR、プラグイン(充電の可能な)ハイブリッドのGTEもある。

プラットフォームも一新された。MQBと呼ばれるモジュールを開発して、ひとつのベースをさまざまなサイズの車種に応用可能とした。ゴルフのホイールベースは2635mmだが、2790mmに達するLサイズのパサートも基本的には同じベースを使う。

1.2リッター/1.4リッターのターボエンジンを搭載するゴルフのボディサイズは、全長が4265mm、全幅は1800mm、全高は1460mmとなる。プリウスに比べると275mm短く、40mm広く10mm低い。ホイールベースは65mm短い。

JC08モード燃費は、1.2リッターターボを搭載するトレンドラインとコンフォートラインが21km/L。1.4リッターターボのハイラインは19.9km/Lだ。

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魂動デザインとも連携するスカイアクティブ技術を採用

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2012年に登場したCX-5以降のマツダ車は、OEM車を除くと「スカイアクティブ」と呼ばれる技術シリーズに基づいて開発されている。マツダは2005~2006年に社内で「スカイアクティブ戦略」を立案。これに基づいてエンジン、トランスミッション、プラットフォーム、サスペンションなど、さまざまな機能をほぼ同時期に開発した。

エンジンやプラットフォームの開発には膨大な費用と時間が必要になるため、従来は開発時期にズレが生じて当然だった。ただしそうなると、エンジンは既存のプラットフォームに搭載することを前提に開発され、プラットフォームも同様だから思い切った刷新ができない。そこでマツダは製造行程を含めてコストを低減させ、足並みをそろえてスカイアクティブ技術を開発した。

「魂動」と呼ばれる新しいデザインも同様で、前輪駆動ながらボンネットが長く見える独特のボディ形状は、スカイアクティブ技術があって実現できた。

アクセラは今のマツダ車の中核に位置する車種だ。今回取り上げるのは5ドアハッチバックのスポーツだが、セダンも設定される。

アクセラスポーツのボディサイズは、全長が4460mm、全幅が1795mm、全高は1470mmで、プリウスに比べると80mm短く、35mm広く全高は同じだ。ホイールベースも2700mmで等しい。

ほかのマツダ車と同様、フロントウインドウの位置を後退させ、後輪駆動車のようにボンネットを長く見せている。ホイールベースの割に全長が短く、塊感を演出した。

エンジンは豊富で、アクセラスポーツは直列4気筒の1.5リッターと2リッターのガソリン、これに2.2リッターのクリーンディーゼルターボが加わる。セダンにはハイブリッドも用意した。

クリーンディーゼルターボは最大トルクが42.8kg-m(2000回転)だから、ノーマルタイプのガソリンエンジンに当てはめると4リッター並みだ。その一方でJC08モード燃費は6速ATが19.6km/L、6速MTは21.4km/Lだから、軽油価格の安さも含めると燃料代は1.3~1.5リッターのガソリンエンジンと同等になる。運転の楽しさと経済性を両立させた。

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デザイン・スペックの総評

各車種ともに全長は4600mm以内に収まるが全幅はワイドだ。ゴルフの全幅は1800mmに達する。左右のドアミラーまで含めた全幅(ミラー・トゥ・ミラー)は、2027mmだから先代モデルに比べると21mm狭いが、それでも運転するとボンネットが見えないこともあってかなりワイドに感じる。アクセラスポーツの全幅も1795mmだから幅広い。プリウスは1760mmだが、先代モデルに比べると15mm広がった。

ボディがワイド化する背景には、衝突安全性や走行安定性の向上もあるから一概に否定できないが、初代ゴルフは全長が3730mm、全幅が1610mmだから、現行モデルに比べると535mm短く190mm狭かった。これに比べると現行型はかなり大きく、取りまわしに気を使う。もう少しコンパクト化することは可能だろう。

また近年ではボディスタイルも変わった。ここで取り上げる3車種はいずれもサイドウインドウの下端が高めで側方が見にくく、プリウスとアクセラスポーツは、後方に向けて持ち上げたから斜め後方と真後ろの視界も削がれている。ゴルフはサイドウインドウの下端は水平に近いが、伝統的にボディ後端のピラー(柱)が太く、斜め後方の視界はやはり良くない。

この欠点を補うために3車種とも後方の様子を表示するモニターを設定するが、その視野はドライバーの視覚に比べると狭い。なので後退時に左右方向から近づく自転車や歩行者を発見しにくい。

そしてモニター画面はカーナビと共用でインパネに装着されているため、後方を見ながら確認することはできない。前方と後方を頻繁に振り返るか、モニターに頼って後退することになる。いずれにしろ、視界の良いクルマからミドルサイズハッチバックに代替えする時は注意が必要だ。視界の悪いボディは、車庫入れなどのしやすさだけでなく、安全性にも大きな影響を与える。

一方、メカニズムについては、3車種とも現行モデルで刷新された。特にプラットフォームは、プリウスがTNGA、アクセラスポーツはスカイアクティブシャシー、ゴルフはMQBとされ、走行性能や乗り心地のバランスを向上させながら、開発と生産の合理化も行われている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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