女性に人気の軽カー最新モデル 徹底比較(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
上品・上質でオシャレなパステル
「シンプル、スマート、モダン」をコンセプトとするエクステリアは、個性的だった先代に比べると、トールワゴン系として比較的オーソドックスなフォルムとなった。リアクォーターにも窓を配した6ライトのグラステリアの採用が特徴だ。
標準モデルと、「ディーバ」「パステル」という3種類がラインアップし、それぞれヘッドライト、リアコンビランプ、サイドマーカーなどのデザインを差別化。上品・上質でオシャレであることを狙ったパステルは、丸みを帯びた愛らしいルックスで、最近のホンダ車共通の意匠のグリルに、クロームメッキをあしらっている。
パワートレインは、i-DSIエンジンに、トランスミッションが4速ATのみという設定。エンジン自体の出力では、常用回転域でトルクを立ち上げているものの、800kgを超える車重ともなれば、さすがに低速トルク不足の印象は否めない。
また、ボディの剛性感はかなり高いのだが、ステアリングが軽すぎて、接地感が希薄になっているし、タイヤのグリップ感も足りない。ベースの素性は決して悪くないのだが、トータルバランスが取れていないのだ。
たとえばタイヤサイズを上げるとか、電動パワステのアシストを変えるとか、サスペンションジオメトリーを修正するなど、各部のチューニングの見直すだけで、ずいぶんよくなるのではないかと思う。このあたり、先代ライフが軽カーらしからぬレベルに達していて、新型にも期待していただけに、惜しまれるところである。
モダンに洗練されたデザインと走行性能
指名買いのユーザーが非常に多いというアルトラパンは、初代のヒットを受け、2代目もキープコンセプトのエクステリアデザインで登場。2008年度のグッドデザイン賞を受賞した。
スクエアながら角を落とした丸みのあるフォルムに、愛らしい表情のフロントマスクを与えたルックスは、初代ではレトロとかクラシックという表現が似つかわしかったところ、現行モデルではずいぶん洗練され、モダンな印象となった。取材車両のようなツートーンカラーや、ミニライトふうのデザインのホイールもよく似合う。
初代アルトラパンは、2世代前のワゴンRがベースだったため、乗り味はおせじにも褒められたものではなかった。しかし現行アルトラパンは、一世代飛ばして、現行ワゴンRなどと同じ新世代プラットフォームが与えられた。その恩恵で、デザインの面白さをそのままに、走行性能の向上や室内スペースの拡大などが図られた。
新プラットフォームの恩恵は、走りに関するあらゆる要素のレベルを格段に引き上げた。剛性感が高く、ステアリングは非常にしっかりしたフィーリングで、乗り心地と安定性のバランスもよい。今回の中では全高が低めのクルマであることも少なからず効いているはずだ。
パワートレインも現行ワゴンRと共通で、トランスミッションは、ターボはCVTのみの設定。NAではCVTと4速ATが3万1500円~5万7750円の価格差で選べるのだが、ここはCVTを選ばない手はない。一般走行では、的確でリニアな変速制御により、ターボの必要性を感じないほど十分な加速を得ることができる。また、10・15モードで24.5km/Lという低燃費を実現したことも注目に値する。
ゆったりとしたフットワークと不満のない動力性能
ムーヴをベースにスクエアなフォルムとしたムーヴコンテにも、ダイハツお得意のカスタムがラインアップする。スクエアでシンプルな面構成は標準のムーヴコンテと共通だが、カスタムには、ディスチャージヘッドランプ、前後エアロバンパー、コンビネーションフロントグリル、フォグランプ、サイドストーンガード、リアスポイラーなどが与えられる。
NAの「X」グレードでは、OEMタイヤが155/65R14サイズとなるが、こちらのほうが標準のムーヴコンテの13インチ仕様よりも断然バランスがいい。
トランスミッションは、NAもターボもCVTのみの設定。独自のインプットリダクション方式を採用したCVTは、車重の比較的重いこのクルマを力強く加速させることに長けている。再踏み込み時のレスポンスが、ワンテンポおくれるところもあるが、ごく一般的な使用状況下では、低速域から力強く、不満なく加速する。
着座ポイントが高く、ポジションがアップライトなこともあり、ロールする感覚は大きいが、ゆったり乗れる感覚はムーヴコンテが一番で、乗り心地も快適にまとめられている。重心がそれなりに高いので、ステアリングをスローにし、足まわりをマイルドに味付けするなどして、唐突に挙動が乱れることを嫌ったセッティングを施しているのだろう。
デザイン・スペックの総評
いずれもエンジンは、NAのほかにターボも選べるが、トランスミッションは、ライフは4速ATのみ、アルトラパンはNAであればCVTとATが選べ、ムーヴコンテカスタムではCVTのみとなる。走りの違いは歴然で、車重800kgを超えることが当たり前となった現代の軽自動車においては、ネガ部分を差し引いても、CVTのほうがメリットは大きい。
フットワークについては、アルトラパンの上がりぶりが印象的。逆にライフは、先代に見られたまとまりのよさが薄れた。全体的な走りのまとまりのよさでは、アルトラパンがもっとも上といえる。
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