個性派スポーティカー 徹底比較(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
洗練度合を高めて雰囲気ある空間に
歴代フェアレディZには、プラス2のシートを持つ「2by2」がラインアップされていたが、その役目をスカイラインクーペが受け持ち、現行Z33は2シーターのみの設定となった。2シーターのみに割り切り、スポーツカーらしくデザインのアプローチをしたことで、一連のFMパッケージ車の中でも際立って個性的な空間となっている。
登場時はインテリアの質感の低さや使い勝手の悪さが指摘されていたが、徐々に洗練されてきた。ウインカーレバーなどの触感まで上がっている。
FMパッケージ車に共通しているように、メーターフードごと上下するチルトステアリングを備えるのはナイスアイデアである。センターパネル最上段の3連メーターもZの伝統。
右側のメーターにはマルチインフォメーションディスプレイが備わる。シートポジションは、最も低くしても少し高く感じる。スポーツカーらしく、もう少し下げたい気もしなくもない。
撮影車両は「バージョンS」で、走りに関する装備を充実したグレード。ラグジュアリー仕様のバージョンTやバージョンSTであれば、本革パワーシートなどの豪華装備が与えられる。
逆に、好みのシートを付けたいなど、購入後に自分好みにカスタマイズしたいユーザーにとっては、このバージョンSがもっともリーズナブルといえる。
マスタングらしい伝統と革新を共存させた空間
インパネがマスタングの伝統である左右対称デュアルコクピットのレイアウトとなっているのが特徴。また、シルバーのアルミ調のパネルを大胆にあしらい、そこに1967年型マスタングのデザインテイストをステアリングホイールに採り入れた。
外形の大きなメーターを配し、クロームのリングをメーター周囲やエアコン吹き出しに配し、T字型のシフトレバーを配するなど、マスタングのDNAを感じさせるレトロなデザインテイストも興味深い。
大らかで、直線的かつシンプルな構成で、雰囲気がある。マスタングファンの期待に応える空間である。
シートもレトロな雰囲気にデザインされたものが備わる。着座感云々を細かく述べるのもあまり意味がないと思うところだが、ゆったりと腰かけ、リラックスしてドライブするには適する。ウエストラインは高め。
大柄なシートのポジションは、かなり低い位置まで下げることができ、そこに腰を降ろすと長く高いボンネットフードが視界に入る。
リアシートはプラス2ながらそこそこ広い空間が確保されており、フロントドア開口幅が大きいため、アクセス性もそれほど悪くない。
ただし、全体の樹脂パネルについて、このところのアメリカ車が共通してそうであるように、質感があまり高くないあたり、個人的には惜しく思う。
また、メーターのバックライト色は、イルミネーションは125色から選べるようにするなど、細かな遊び心も忘れていない。
サンドベージュレザー仕様がカタログモデルに
観音開きタイプのフリースタイルドアを持ち、4ドア4シーターのスポーツカーとしてパッケージングされたのがRX-8というクルマである。
「心地よい包まれ感」をテーマに開発されたインテリアは、4ドア車としての居住性を追求しつつタイトに仕立てたようで、開発者の執念もあってか、あくまでもスポーツカーとしてデザインされた印象を受ける。
また、シートバック、シフトノブをはじめ、各部にローターをモチーフとしたアクセントを配しているのも、現時点で世界で唯一のロータリースポーツであることをアピールしている。
4つともホールド性に優れるバケットシートを持つ。リアシートの居住性も、これだけスポーツカーらしいスタイルを実現しつつ、もちろん広いといえるほどではないが、成人男性が座っても大丈夫なスペースが確保されている。
4ドアながらスポーツカーとしての素性を追求したのがRX-8ではあったが、年齢層の高いユーザーにも受け入れられたこともあり、ATでシックに乗りたいユーザーも多かったという。
そんな中で、昨年夏の6速AT化と同時に、今回のサンドベージュレザーパッケージがタイプEとタイプSについて選べるようになったことも新しい。
内装・装備の総評
4人を乗せる機会もあることを重視するのであればRX-8はかなり「使える」パッケージを構築している。4人が乗れる居住空間と、スポーティな雰囲気を、非常に巧みに両立させている。スポーティカーらしい「特別なクルマに乗る」というムードを味わいたいのであれば、やはりマスタングは別格だろう。
ついで、Zの普遍性とスポーティなデザインを併せ持ったインテリアも、なかなか雰囲気がある。各種快適&安全装備の充実ぶりでは、やはり日本人にとっては国産車にアドバンテージがある。
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