人気絶頂の実用派軽自動車、タント・スペーシア・N BOXを徹底比較(4/4)

人気絶頂の実用派軽自動車、タント・スペーシア・N BOXを徹底比較
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前後輪にスタビライザーを装着。背の高い軽自動車ながら走行安定性が自慢

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動力性能は背の高い軽自動車の中で平均レベル。最大トルクは6.1kg-m/5200回転だが、4000回転以下で発生すると、運転感覚がさらに余裕を感じる。 走行安定性は優れている。2WDの主力グレードでは、前後の足まわりにボディの傾き方を制御するスタビライザーが装着され、高重心のボディでも唐突に傾く印象はない。 路面のウネリを通過した後の収まりも良好だ。操舵に対する反応も良く、自然な感覚で運転できる。

乗り心地は少し硬めだが、14インチタイヤ(155/65R14)の指定空気圧は前後輪ともに240kPa。極端に転がり抵抗を重視したタイプではないから、粗さも感じない。 タントはもともと子育て世代のユーザーをターゲットに開発され、シートアレンジや収納設備に重点を置いてきた。 3代目の現行型は、この特徴を受け継ぎながら、大人4名の乗車にも十分に対応できるようになった。

リアシートの座り心地が向上し、乗降グリップなども備わるためだ。子育ての期間を終えた後も、高齢の両親を乗せたりする時に便利に使える。 グレードの選択は、割安感を重視するなら標準ボディのX・SAがベスト。登坂路の多い地域に住むユーザーには、動力性能に余裕があるターボのカスタムRS・SAも推奨したい。

最大トルクはノーマルエンジンの154%に増強されるが、燃費性能は93%で悪化率を抑えた。ムーヴと同様、標準ボディのXターボSAが設定されるとさらに親切だろう。 タントは燃費性能が向上し、衝突回避の支援機能も備わり、幅広いユーザーが安心して使える経済的な軽自動車に成長した。

子育て世代をターゲットに開発。運転感覚は自然でバランスが良い

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スペーシアの特徴は、車両重量が標準ボディXの場合で850kgと軽いこと。ライバル2車を80~100kgは下まわる。 全高も1,735mmに収まるから、両側にスライドドアを備えた軽自動車の中では軽量かつ低重心だ。

走行性能にも良い影響を与え、動力性能の不満を感じにくい。コーナリング時の挙動も同様。後輪の接地性を損なわない範囲で、良く曲がる運転感覚に仕上げた。ワゴンRに似ていて、クセがなく扱いやすい。 注意したいのは乗り心地。JC08モード燃費が29km/Lと優れる半面、14インチタイヤ(155/65R14)の指定空気圧は280kPaと高く、路面上のデコボコを乗員に伝えやすい。乗り心地は市街地の試乗でも十分に把握できるので、確認しておきたい。 乗り心地を除けば、機能のバランスは全般的に優れている。

前述のように運転感覚は背の高さを意識させにくく燃費性能も良好。シートアレンジは多彩だ。 スペーシアにピッタリなのは、やはり子育て世代のユーザーだろう。収納設備も便利に使える。スライドドアの開口幅は若干狭いが、子供の乗降であれば支障はない。左側のスライドドアがワイドに開くタント、大容量の荷室を備えたN BOXのようなサプライズは乏しいが、飽きずに長く使えると思う。

グレードの選択は、最も割安なのは標準ボディのXで、レーダーブレーキサポートを装着したい。登坂路の多い地域のユーザーなら、同じく標準ボディでターボを搭載したTも検討する。Xに対して9万4500円の価格上昇だが、サイドターンランプ付きのドアミラーも加わるから、ターボの装着に伴う価格アップは実質7万5000円前後だ。燃費は10%程度しか悪化しないので、効率がとても良い。

荷物の積載性を重視した実用指向の造りとターボモデルの割安な価格が特徴

ホンダ N BOXホンダ N BOX

ノーマルエンジンの最大トルクは6.6kg-m/3500回転。実用回転域の駆動力を高めたが、車両重量は標準ボディのG・Lパッケージで950kgに達する。そのためにノーマルエンジンでは、幅広い回転域で加速力が不足気味。登坂路などで運転感覚を確認したい。

走行安定性は、後輪側の接地性は高いが、操舵に対する反応は鈍い。背の高い軽自動車はスポーティーに走るクルマではないが、それにしても曲がりにくいと感じる。直進安定性は良好だ。 乗り心地は少し硬いが、粗さは感じない。15インチタイヤ(155/65R14)の指定空気圧も220kPaで、常識的な範囲に収まる。

先の項目でも触れたように、N BOXにはリアシートのスライド機能が付かない。なのでライバル2車に比べて乗員や荷物の量に応じた融通を図りにくいが、リアシートを畳んだ時の荷室はきわめて広い。リア側の座面を持ち上げて背の高い荷物を積む機能も含め、積載性を重視するユーザーに適している。 グレードの選択は、最も買い得なのは標準ボディのG・Lパッケージだが、先に述べたように動力性能が不足する。

そこでGターボパッケージも推奨したい。G・Lパッケージに対する価格上昇は10万円。アイドリングストップが付かず、JC08モード燃費が20.8km/Lにとどまるのは辛いが、右側のスライドドアも電動式になってパドルシフトまで加わる。実質的に3~4万円でターボが備わるから、買い得感は強い。 全高が1700mmを超える背の高い軽自動車は、一見すると各車とも似通っているが、それぞれに違った特徴がある。グレードの選択肢も豊富だ。3車種を乗り比べて、ベストな1車を見つけていただきたい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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