欧州プレミアムコンパクト 徹底比較(3/4)

欧州プレミアムコンパクト 徹底比較
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スカンジナビアンデザインの発展形

インパネフロントシート

基本的にS40/V50と同様の構成ながら、C70でもそうだったように、プレミアムカーらしい要素が各部に盛り込まれている。

 特徴的な「フリーフローティング・センタースタック」にもいくつか種類があるが、このような「サーフパターン」がアクセサリー設定されている。

 インテリアは、MINIのような強烈な個性とまではいかないが、随所にオリジナリティが感じられ、興味深い。シートは4座が独立した仕様となっている。ヒップを落とし込ませて座る設定で、乗降性には期待できないものの、座ってしまえばそこそこ余裕がある。

 オプションのカーナビは、以前のボルボ車というと、後付けした印象があり、前方視界が少々さえぎられる部分もあったが、取って付けたような印象は小さくなった。

 リアエンドにかけて絞り込まれているため、ラゲッジスペースには期待できないと予想したが、ハッチゲートを開けてみると、思ったよりも中は広い。 2人分の荷物を積んで小旅行に出かけるような使い方に適するクルマのように思える。

リアシートメーターシフトラゲッジドアオープン

スポーティかつ快適な居住空間

インパネフロントシート

プジョー207のインテリアもなかなか個性的だ。こちらもMINIほどではないが、エクステリアとも調和させた、ユニークなデザインを採用している。

 GTiでは、インテリアはブラック・アルカンタラ1色のみとなっている。また、アルミ製シフトノブおよびフットペダル、アルカンタラ仕上げ、メタリック調リング付3本スポーク革巻ステアリングホイール、クロームリム仕上げブラックメーター、ブラックメーターパネルなど、スポーティかつ上級装備が与えられる。

 シート大柄のゆったりしたもので、スポーツ仕様のバケットシートが備わる。サイドサポートが大きく張り出しているが、この部分はソフトで、見た目の印象ほどタイトな着座感ではない。後席スペースは、3台中でもっとも広い。シート自体もクッションの厚みが十分に確保されている。それほど常用するわけではなく、たまに4人を乗せたいような使い方にも対応できそうだ。

 ラゲッジルームも広く、リアシートを前倒しするとけっこう広いスペースになる。シートアレンジの操作性については、秀逸な国産車に慣れると煩雑なようにも感じられなくもないが、フロア高は低く、使い勝手はいいほうだと思える。

 実用性についていうと、3台中ではこのクルマがもっとも上となるだろう。GTiでは、オートヘッドランプやバックソナーなど、充実した基本装備が標準で付く。

リアシートメーターシフトラゲッジドアオープン

独自のMINIワールドを構築した

インパネフロントシート

ユニークなインテリアデザインもまたMINIの大きな魅力だろう。クーパーSでは、センター上部には従来モデルよりもさらに大型化されたスピードメーターが設けられ、多彩な表示および操作機能を備えた。

 スピードメーター下部およびルーフ部にもに特徴的なトグルスイッチを設定。初めてMINIに乗った人には少々わかりにくい面があるかもしれないが、従来モデルよりも操作性が改良されている。

 センターパネル細身の形状となっており、運転席、助手席ともに足元のスペースに狭さを感じることはない。ATのマニュアルモードは、押して「-」、引いて「+」と、レーシングカーのシーケンシャシフトと同じ、BMW流の設定となっている。

 また、新型MINIでは、新たに5段階の室内光を選ぶことのできるアンビエント・イルミネーション機能が与えられた点も特徴的である。

 リアシートは50:50分割可倒式を採用。コンパクトなサイズのクルマであり、後席空間やラゲッジスペースは小さいが、2人乗車を前提とした使い勝手は悪くない。

リアシートメーターシフトラゲッジドアオープン

内装・装備の総評

個性はそれぞれ。ただし、アイデンティティ(=独自性)という点でいうと、MINIが構築した独自の世界に他のモデルはかなわないだろう。C30が見せる、かつて同クラスにないデザインセンスや上級イメージも興味深い。207GTiは、他のモデルよりもスポーティなイメージを演出しているものの、いささか薄味のような気がしなくもない。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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