フィアット 500X(チンクエチェント X) 海外試乗レポート/嶋田智之(5/5)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:FCAジャパン株式会社
フィアット 500X(チンクエチェント X) 海外試乗レポート/嶋田智之
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軽快で爽快、素直に曲がる

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曲がるのを苦手としていないことも、一族の名に全く恥じることのないところだろう。そのフットワークは、この種のクルマにしては軽快にして爽快。とても素直に曲がってくれる。

速度が高くなればそれなりにロールはするけれど、その動きはとても自然で解りやすいし、フィアットらしい粘り腰を見せてくれるから怖さがない。といって、ステアリングを右から左へと素早く切り返すような場面でも車体の動きに変な遅れが出ることがなく、収まりがいい。

通常の「500」ほどまでのキビキビ感こそないものの、そのハンドリングは充分以上に楽しいといえる範疇にある。これは間違いなくフィアット「500」一族のクルマなのだ。プラットフォームをジープ レネゲードと共有するとはいえ開発はイタリア主導で行われた、というその理由が身体で理解できたのは嬉しかった。

ただし、標準の「500」と決定的に異なるところもあって、たっぷりとした豊かな印象のある乗り心地の良さはその代表的なところだ。

もちろんそれはホイールストロークが伸びていることや、フロントだけでなくリアまでマクファーソンストラットとされていることが大きいのだろうけど、比較的フラットな座り心地のリアシートにいてさえ思いのほか快適であることは、一緒にお出掛けする家族から歓迎されることは間違いない。言うまでもなくドアが4枚あることも、室内が広々としてることも、荷物をたくさん積めることも。

家族みんなが楽しめる「500X」 日本導入が待ち遠しい

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そうした実用性をしっかりと重んじたクルマに仕立てておきながら、同時にドライバーを全く退屈させることがないクルマにも仕立て上げてる辺り、やっぱりイタリア車なのだな、と強く感じる。

思えば現在のフィアット「500」がデビューしたのは、2007年。それから8年になろうとしている。その間に結婚して子供が生まれたり、子供が大きく育ったり、あるいは両親が年齢を重ねて2ドアだと乗り降りが辛くなったり、と暮らしの環境が変わって、大好きだったチンクエチェントの世界から離れざるを得なかった人だって少なくなかったことだろう。

同じ世界観の中にあり、同じベクトルの上にある乗り味を持った「500X」は、そうした人達にもとっても最適なチョイスになる。

家族みんなが楽しめるチンクエチェント。──いいじゃないか。

ちなみに日本への導入は、おそらく今年の秋頃になるんじゃないかと思われる。気になる価格も、現地での値段を見たうえでの個人的な予想として述べるなら、最大のライバルであるミニ クロスオーバー&ペースマンと同等かそれよりちょっと手を出しやすいくらいのレベルになるような気がしている。日本仕様がどういう内容になるのかも含め、首をちょっとだけ長くして待つことにしよう。

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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