キャデラック 新型CTS-V試乗|欧州勢とはひと味違うアメリカンスーパースポーツセダンという存在(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田 清志
クルマと格闘するような運転感覚を味わえるのがCTS-Vの個性
シートはレカロ製で、乗員の体を確実にホールドする。ここまで動力性能が高いと、着座姿勢が乱れれば危険も生じるため、運転席をしっかりと造り込んだ。運転感覚はまさにスポーツカーだが、居住性はベース車のCTSと同じだから、大人4名が快適に乗車できる。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。広々感はないが、4名で長距離を移動できる実用性が備わる。
価格は1365万7408円だ。ベースとなったCTSプレミアムのカーナビ装着車が690万5000円だから、CTS-Vの価格は約2倍に相当する。
メルセデス・ベンツ Eクラスでいえば、動力性能はAMG並みだ。AMG E 63 4マチックプラス(価格は1668万円)は、最高出力が571馬力(5750~6500回転)、最大トルクは76.5kg-m(2250~5000回転)になる。
AMG E 63S 4マチックプラス(1805万円)になると、612馬力(5750~6500回転)・86.7kg-m(2500~4500回転)だ。AMGは駆動方式が4WDだから一概に比べられないが、CTS-Vの価格は、プレミアムブランドの高性能セダンとしては妥当といえそうだ。
キャデラックCTS-Vの特徴は、少し古典的なクルマと格闘するような運転感覚を味わえることだろう。今はクルマが熟成され、運転の楽しさも当然に安全を前提とするが、CTS-Vのクルマ造りは絶妙だ。安全を妨げない範囲で、楽しさの幅を広げようとしている。高出力エンジンと2WDの組み合わせも、その表現のひとつになる。
この運転する楽しさの明快な表現は、欧州のプレミアムブランドに対するキャデラックの個性にもなっている。そしてCTS-Vのような高性能は、低重心で高剛性のボディを備えるセダンだからこそ可能になった。
だとすれば、キャデラックの本質を味わえるのは、SUV時代の今でも依然としてセダンなのかも知れない。冒頭で触れたレクサスESにも当てはまる話だが、趣味性の強い高級車のブランド表現には、今でもセダンが欠かせない存在になっている。
キャデラック CTS-Vセダン 主要スペック | |
---|---|
全長 | 5040mm |
全幅(車幅) | 1870mm |
全高(車高) | 1465mm |
ホイールベース | 2910mm |
乗車定員 | 5人 |
車両重量(車重) | 1910kg |
エンジン種類 | V型8気筒OHVスーパーチャージド |
駆動方式 | 後輪駆動 |
排気量 | 6156cc |
エンジン最高出力 | 477kW(649PS)/6400rpm |
エンジン最大トルク | 850N・m(87.2kgf・m)/3600rpm |
トランスミッション | 8速AT(7DCT) |
0-60mph加速 | 3.7秒 |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
タイヤサイズ | (前)265/35ZR19(後)295/30ZR19 |
メーカー希望小売価格(消費税込) | Spec-A 1330万0000円/Spec-B 1470万0000円 |
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