これを買えばトランプさんも喜ぶ!?「キャデラック CT6 プラチナム」にアメ車人気復活の糸口はあるのか(1/3)

これを買えばトランプさんも喜ぶ!?「キャデラック CT6 プラチナム」にアメ車人気復活の糸口はあるのか
キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎 画像ギャラリーはこちら

トランプ氏も嘆く「日本でアメ車が売れない」問題を紐解く

キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎

アメリカを代表する高級車ブランド”キャデラック”、その日本における最上級セダン「CT6」に試乗した。かのトランプ大統領発言でも話題を呼んだ「日本でアメ車が売れない」問題。果たしてキャデラックのフラッグシップモデルは、これを解決する糸口となるだろうか。自動車評論家の渡辺陽一郎氏が、トランプ氏に叩きつけた答えとは!?

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今やアメリカ車に対する非関税障壁などないに等しい

キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎

2017年1月に第45代目のアメリカ大統領へ就任したトランプ氏は、いろいろな発言で物議を醸している。中でもクルマ好きが注目するのは「アメリカでは日本車が多く売れているのに、日本でほとんどアメリカ車を買わないのは不公平だ」とする発言だろう。

かつての日本には、アメリカ車だけでなく輸入車全体に対する非関税障壁が存在した。1989年までは、排気量が2リッターを超えると自動車税が一気に年額8万1500円まで高まり、フォルクスワーゲンゴルフなどの小型車を除くと、実質的に海外のクルマを排除する制度だった。それが今では改訂され、2リッター以上も段階的な課税になる。

また日本でクルマを売るには、従来から日本車、輸入車を問わず国土交通省の型式指定を受けるが、相応のコストを要するから、輸入台数の少ない車種には負担が大きい。

そこで型式認証制度も見直して、PHP制度(輸入自動車特別取扱制度)を設けた。1年間の販売台数が5000台以下(輸入車ではかなりの台数だ)の車種については、サンプル車両の提出が不要で、提出書類も簡略化される。低コストかつ短期間で届け出を行えるようにした。

アメ車だって、実は今よりもっと売れていた時代があった

キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎

一時はこのPHP制度により、LサイズSUVの「ハマー H3」、Lサイズミニバンの「クライスラー グランドボイジャー」などがエコカー補助金の対象になっている。『(むしろ)アメリカ車を優遇している』というのが日本側の言い分だ。

またさらにさかのぼって1980年代の中盤。その頃に輸入されたアメリカ車には、「フォード マスタング/サンダーバード」、「リンカーン コンチネンタル」、「ビュイック リーガル」、「オールズモビル カトラス」、「ポンティアック ファイアーバード トランザム」などがあった。自動車税が高額だったのに、正規輸入されるアメリカ車の車種数は今よりも多かったのだ。

1990年代からはクロカン4WD・SUVが人気を高め、本場の「フォード エクスプローラー」が好調に売れた。1996年にはフォードブランド(欧州フォードを含む)の国内登録台数が約2万1000台に達している。2016年のボルボが1万4553台、BMWミニが2万4548台だから、当時は今よりも全体需要が多かったとはいえ、結構な台数のアメリカ車が売れていた。

アメ車が売れなくなったのはアメ車メーカー自身の”勘違い”のせいだ

キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎キャデラック CT6 プラチナム 試乗レポート/渡辺陽一郎

これらの経緯を振り返り、あらためて今のアメリカ車が売れない理由を考えてみると、日本における商品力の低下が大きい。

2016年の日本国内におけるアメリカ車の登録台数は、ジープ&クライスラーが9669台、キャデラック&シボレーが1081台で、フォードは2143台だが、その2016年をもってフォードは日本市場から撤退してしまったのはご存知の通り。

背景には北米メーカーの誤解もある。

近年は日本の道路環境に合った比較的コンパクトな車種を持ち込もうとする”努力”もみられたが、日本のユーザーはそもそもアメリカ車に運転のしやすさとか経済性は求めてはいない。当たり前の話だが、アメリカ車には、アメリカ車でしか得られない強い個性が必要だ。それは例えばV型8気筒エンジンによる底力のある加速感、長く真っ直ぐ続くアメリカのカントリーロードに向いた(良い意味で)大味でルーズな運転感覚、排気量の割に安い価格、などが挙げられるだろう。

表現を変えると、日本のユーザーがアメリカ車に求める価値は、昔からほとんど変化していない。

日本におけるアメリカ車は、1973年のオイルショックを切っ掛けにサイズダウンを行い、魅力を失って人気を下げた。これと同じ状態が今でも続いている。アメリカ車に必要なのは、大排気量時代を思わせるノスタルジーだ。

そこを考えると、小排気量ターボよりも(ちなみに2~3リッターターボの自動車税は非関税障壁にならない)、「シボレー カマロ」、「クライスラー 300」、輸入されていないが「ダッヂ チャージャー/チャレンジャー」、撤退したフォードの「マスタング」など、少数になりつつあるV8エンジン車を、妥当な価格で買えるようにすべきだろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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