BMW Z4 SDrive 35is 試乗レポート(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
“スポーツカー”としての資質がより磨き上げられた
彼の伝説のデザイナー「クリス・バングル」が手がけた初代Z4は、キャラの強いクルマの多いBMWの中でも異色の存在だった。
当初はあのデザインを少々やりすぎではと感じたりもしたが、今見てもぜんぜん古さを感じさせない。そして当時、あれほど個性的でスペシャリティな雰囲気のあるクルマが400~500万円台で買えることには割安感を覚えたものだ。
そして、初代にクーペが追加されたときに「リトラクタブルハードトップだったらよかったのに・・・」と思っていたが、1年前にモデルチェンジした2代目のZ4には、リトラクタブルハードトップが採用されていた。
日本に導入された2代目Z4の当初のバリエーションは、「sDrive23i」(価格523万円、以下「23i」)と「sDrive35i」(価格695万円、以下「35i」)の2グレード。
価格の安さも大きな魅力だったZ4のイメージからすると、初代よりもだいぶ価格は上がったものの、内外装の質感や装備など、中身もそれに見合うだけ上がっている印象。
インテリアデザインも独特で、ちょっとレトロな雰囲気があるのもZ4の持ち味のひとつ。当時も両グレードに試乗し、35iの圧倒的なパフォーマンスと23iの軽快さ、いずれもとても魅力的に感じたものだ。
それから1年後に追加されたsDrive35is(以下「35is」)は、35iよりもさらに刺激的な、Z4の“スポーツカー”としての資質をより磨き上げたクルマへと仕上がっていた。
価格は35iよりもさらに120万円UPして「815万円」となった。800万円オーバーというとかなり高価なクルマであるように感じるわけだが、実はそうでもない。
35iや23iでは約40万円でオプション設定されている「Mスポーツパッケージ」+αの装備が標準で付くので、35iとの実質的な価格差はそれほど大きくないのだ。
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