世界初、車外から「自動駐車」! 新型 BMW 7シリーズ「リモート・パーキング」(自動駐車機能)を初公開
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:オートックワン編集部/ビーエムダブリュー/原田淳
気分は「ジェームズ・ボンド」
BMWは「来るべき自動運転技術の応用」というけれど、多くの映画ファンはあのシーンを思い出すに違いない。
1998年に公開されたピアース・ブロスナン主演の映画「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」だ。
イギリスMI6の諜報部員、ジェームズ・ボンドが乗る”ボンドカー”として、当時の最新・最高級モデル、BMW 7シリーズ「750iL」(E38型)が登場するシーン。なんとエリクソンのケータイによる遠隔操作によって、750iLが走り出すのである。
>>BMW 7シリーズ「リモート・パーキング」デモンストレーション画像はこちら
そして時は巡り2016年5月。BMWは7シリーズに「リモート・パーキング」を設定した。車両に備わるスマートキー「BMWディスプレイ・キー」の操作によって、遂に7シリーズが(本当に!)遠隔操作出来るようになったのだ。
BMWディスプレイ・キーで7シリーズを遠隔操作
その名のとおり、「リモート・パーキング」は自動駐車が出来る機能だ。乗り降りしづらい狭い駐車区画へ駐車したいとき、先にクルマから降り、遠隔操作で移動、エンジン停止までを行うことが出来る。
写真でご覧頂くとわかるように、ちょっとした携帯電話くらいのサイズがあるBMWディスプレイ・キーのカラー液晶画面に触れ、前後にクルマを動かすことが出来る。
センサー類には従来から備える車両のPDC(パーク・ディスタンス・コントロール:駐車時等に車両前後の障害を検知する)を活用し、車両側にBMWディスプレイ・キーの受信部を設ける程度の変更で済むため、オプション価格は74,000円(消費税込)で済む。車両本体価格1205万円~の7シリーズからしたら、かなり「安い」オプションだ。
機能はアタマからの駐車にのみ特化
自動運転のテストも進む昨今。技術的にはもっと高度な操作ももちろん可能だろうが、今回のリモート・パーキングは、車両を前進させ、頭から駐車区画に停める(もしくはバックで出す)ことに特化している。リモコンの無線受信部も車両の後ろ側に備わる。走行スピードもわずか時速1.8キロと極低速で、最大でも10m走行すると終了する仕組みになっている。
また写真のデモンストレーションのように、センサーが歩行者や障害物の接近を察知すると自動で停止するなど、安全性には十分に配慮がなされている。ジェームズ・ボンドが操作したかつてのボンドカーは、登場するや敵と派手なカーチェイスをして、あっという間にボロボロにされてしまったが、リモート・パーキングでそんなことはなさそうである。
[レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:オートックワン編集部/ビーエムダブリュー/原田淳]
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