BMW 6シリーズグランクーペ 試乗レポート/小沢コージ(2/3)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:柳田由人
もう、とにかく「圧倒的に低い」!
いきなりだが、「BMW 6シリーズグランクーペ」における最大のポイントを言おう。
それは全高、つまり“低さ”である。全長×全幅×全高は5,010×1,895×1,390mmと、ライバルに比べて全長も長いのだが、なによりも「低い」のだ。
今まで低かったと思える「メルセデス・ベンツ CLS350」ですら全高は1,415mmだったのだから、そこからさらに3センチ近く削られている。これは、この高級車の世界では至難の業だ。
なにしろ、基本的には格好良いだけでは済まされない。“格好良くしつつも快適”が最重要項目なのだ。つまり低さこそが最大のカギになる。そこでBMWは、全ブランドで最も“ソコ”を攻めてきた。
で、これがまた不思議なのだが、実際に中に座ってみると決して狭く感じない。それどころか、開放的なくらいだ。
初代CLSは、フロントに座ると頭が屋根に付きそうでリアもまたガラスに頭が付きそうだったが、グランクーペのリアシートは頭はやはり狭めだがヒザにはコブシが1ヶ分ぐらい余る。なかなかやるな、おぬし・・・。
そして、果たしてその秘密は“空間作り”に他ならない。
とにかく着座位置が低く、フロントシートにしてもかなり寝そべっており、インパネ類も同様で実に開放的だ。造形はほぼ6シリーズクーペと同じなのだが、それでも全長を大幅に伸ばすことによってリアにも同様の空間を提供している。要するに“贅沢”なのだ。
さらにマテリアルが素晴らしい。
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