BMW 6シリーズグランクーペ 試乗レポート/小沢コージ(3/3)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:柳田由人
デカいのにバランスが取れているグランクーペは、「マリア・シャラポワ」だ!
技術的に言うと、グランクーペは6シリーズクーペの延長版だ。
ホイールベースで115mmも伸ばしており、室内空間を稼いでいる。だが、リアドアが出来た分、フロントドアは短くなっているし、ルーフも20mm上げて特にリア席の天井を上げており、室内空間を見事に稼いでいる。
ディテール的にもフロントバンパー左右のクロームメッキバーが逆L字型になり、リアに専用のLEDハイマウントストップランプが付いた。
パワートレインは、今回試乗した「640iグランクーペ」が自慢の3リッター直6DOHCターボ+8AT。
ピークパワー「320ps」、ピークトルク「45.9kgm」は当然クーペ譲りで、1.8トンのボディをラクに引っ張る。
当然、BMWのダウンサイジングコンセプトを守っており、特にピークトルクの発生ポイントは1,300rpmからともの凄く低い。これに8ATを組み合わせ、2,000rpmぐらいで早々にシフトアップさせて燃費を稼ぐのだ。
さらに凄いのは、BMWのほとんど“教義”とも言える前後重量配分で、ほぼ50対50。厳密には50.5対49.5ぐらいで、ボディを伸ばした上で、この理想的数値を達成している。ここにもまた低さ同様のBMWらしさを垣間見ることが出来る。
加えて、技術的にはボディの大きさを消すインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを入れたのがポイントで、さらにエコなアイドルストップ機能や、ECO PROモード付きのドライビング・パフォーマンス・コントロールが標準で付く。
実際に「6シリーズグランクーペ」(試乗車は「640iグランクーペ」)へ乗ってみて驚いたのは、その“バカデカいサイズの感じなさ”加減だ。
具体的には、ステアリングを“チョイ”と切ればグッとノーズが内を向く最新アクティブステアリングが効いているが、とにかく5mボディとは思えないくらいヒラヒラと曲がる。
いや、もちろんノーズは長い。これぞFR!という感じだが、無理にアンダーステアをねじ伏せてる感が無いのだ。
それこそ適正重量配分が効いており、さらにエンジン出力特性から足回りの硬め具合、ステアリング特性を統合制御する「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」が効果的。
まずは「ECO PROモード」で走ってみると、確かに低回転からのドッカンターボ的味わいは薄いが、パワーは十分。やはり45.9kgmの極太トルクは伊達じゃない。だが、足は柔らかめ過ぎるのか、左右に振るとボディがオオゲサに左右に傾く。さすがにボディ長いなぁ・・・といったところだ。
ところがそれを「コンフォート」→「スポーツ」へとモードを変えていくと驚き。グワっと飛び出るパワーの出方もさることながら、ステアリングフィールが自然になる。
しかも凄いのは、個人的には「スポーツプラスモード」だとゴツゴツ感がさすがに気になるが、乗り心地は「スポーツモード」でも全然イケるなと思えるところ。
基本的なボディ剛性やサイズがハンパじゃなく、硬めでも全然快適なのだ。それと燃費だ。ま、今回は箱根の山なのでメーター燃費はカンタンに10km/Lを切ったが、JC08モードだと12.4km/L。このパフォーマンス、サイズを考えると驚異的だ。高速でうまくゆっくり目に走ると10km/L近くは行くんじゃないでしょうか。
あとはその“存在感”。ぶっちゃけ単独で見ると意外と目立たない。それはある意味、端正過ぎるからだ。が、他車と並ぶとその圧倒的な伸びやかさが際立つ。ホント、女子テニスのマリア・シャラポワのように、バランスが取れていつつデカい(笑)。この美意識、豪華さ、分かる人には分かるって感じなんでしょうねぇ。
なお、さらにラグジュアリーな新開発4.4リッターV8搭載の650iグランクーペはまだ登場しておらず、乗れなかった。でも個人的には640で全然十分です。パワー的にもゴージャス的にも(笑)。
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