BMW 6シリーズグランクーペ 試乗レポート/小沢コージ(3/3)

BMW 6シリーズグランクーペ 試乗レポート/小沢コージ
BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン1 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン2 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン3 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン4 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン5 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン6 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン7 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン8 BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé) BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé) BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé) 画像ギャラリーはこちら

デカいのにバランスが取れているグランクーペは、「マリア・シャラポワ」だ!

技術的に言うと、グランクーペは6シリーズクーペの延長版だ。

ホイールベースで115mmも伸ばしており、室内空間を稼いでいる。だが、リアドアが出来た分、フロントドアは短くなっているし、ルーフも20mm上げて特にリア席の天井を上げており、室内空間を見事に稼いでいる。

BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)

ディテール的にもフロントバンパー左右のクロームメッキバーが逆L字型になり、リアに専用のLEDハイマウントストップランプが付いた。

パワートレインは、今回試乗した「640iグランクーペ」が自慢の3リッター直6DOHCターボ+8AT。

ピークパワー「320ps」、ピークトルク「45.9kgm」は当然クーペ譲りで、1.8トンのボディをラクに引っ張る。

当然、BMWのダウンサイジングコンセプトを守っており、特にピークトルクの発生ポイントは1,300rpmからともの凄く低い。これに8ATを組み合わせ、2,000rpmぐらいで早々にシフトアップさせて燃費を稼ぐのだ。

さらに凄いのは、BMWのほとんど“教義”とも言える前後重量配分で、ほぼ50対50。厳密には50.5対49.5ぐらいで、ボディを伸ばした上で、この理想的数値を達成している。ここにもまた低さ同様のBMWらしさを垣間見ることが出来る。

加えて、技術的にはボディの大きさを消すインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを入れたのがポイントで、さらにエコなアイドルストップ機能や、ECO PROモード付きのドライビング・パフォーマンス・コントロールが標準で付く。

BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン7

実際に「6シリーズグランクーペ」(試乗車は「640iグランクーペ」)へ乗ってみて驚いたのは、その“バカデカいサイズの感じなさ”加減だ。

具体的には、ステアリングを“チョイ”と切ればグッとノーズが内を向く最新アクティブステアリングが効いているが、とにかく5mボディとは思えないくらいヒラヒラと曲がる。

いや、もちろんノーズは長い。これぞFR!という感じだが、無理にアンダーステアをねじ伏せてる感が無いのだ。

それこそ適正重量配分が効いており、さらにエンジン出力特性から足回りの硬め具合、ステアリング特性を統合制御する「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」が効果的。

まずは「ECO PROモード」で走ってみると、確かに低回転からのドッカンターボ的味わいは薄いが、パワーは十分。やはり45.9kgmの極太トルクは伊達じゃない。だが、足は柔らかめ過ぎるのか、左右に振るとボディがオオゲサに左右に傾く。さすがにボディ長いなぁ・・・といったところだ。

BMW 6シリーズグランクーペ(640i Gran Coupé)走行シーン4

ところがそれを「コンフォート」→「スポーツ」へとモードを変えていくと驚き。グワっと飛び出るパワーの出方もさることながら、ステアリングフィールが自然になる。

しかも凄いのは、個人的には「スポーツプラスモード」だとゴツゴツ感がさすがに気になるが、乗り心地は「スポーツモード」でも全然イケるなと思えるところ。

基本的なボディ剛性やサイズがハンパじゃなく、硬めでも全然快適なのだ。それと燃費だ。ま、今回は箱根の山なのでメーター燃費はカンタンに10km/Lを切ったが、JC08モードだと12.4km/L。このパフォーマンス、サイズを考えると驚異的だ。高速でうまくゆっくり目に走ると10km/L近くは行くんじゃないでしょうか。

あとはその“存在感”。ぶっちゃけ単独で見ると意外と目立たない。それはある意味、端正過ぎるからだ。が、他車と並ぶとその圧倒的な伸びやかさが際立つ。ホント、女子テニスのマリア・シャラポワのように、バランスが取れていつつデカい(笑)。この美意識、豪華さ、分かる人には分かるって感じなんでしょうねぇ。

なお、さらにラグジュアリーな新開発4.4リッターV8搭載の650iグランクーペはまだ登場しておらず、乗れなかった。でも個人的には640で全然十分です。パワー的にもゴージャス的にも(笑)。

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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