日本版コンシューマレポート-トヨタ ヴィッツ ユーザー試乗レビュー-(4/5)

日本版コンシューマレポート-トヨタ ヴィッツ ユーザー試乗レビュー-
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カタログや広報資料に書いてない、トヨタの「本当の狙い」/ドライビング

新型ヴィッツ 走行イメージ

その1)走り

アジリティ(=キビキビ感)が最大のウリ。

ただし欧州仕様、アメリカ仕様、さらに日本国内仕様など、仕向け地(しむけち/自動車業界用語/販売先を指す)によって、アジリティを演出。

つまり、バネレート、ショックアブソーバーの仕様、アクセルのピックアップの制御など、様々なセッティングが違う。

その2)取り回し

国内では5ナンバーサイズとして、最小回転半径が5.5mで女性が乗っても違和感のない取り回し。

新型ヴィッツ エンジン

その3)エンジン

パワートレインの販売目標は、主力の「1.3リッター」が全体の70%程度。残りが「1.0リッター」と「1.5リッター」で半々か、やや「1.5リッター」が多い程度。

「1.5リッター」は、「ダウンサイザー」を意識して設定。

このセグメント、特に女性層の最大の購入動機は「燃費」だ。軽自動車も視野に入れながら、走行性能とクルマの使い勝手、そして燃費をバランスさせた。

ユーザーの見方

「キビキビ走る感じがした」は全世代で46.7%。にも関わらず、「乗り心地が硬かった」 は、なんと0%(!)。これは筆者の試乗体験と一致するのだが、改めて、ユーザーの感性の鋭さに驚かされた。

また静粛性についてもユーザーは十分に体感し、理解していることが分かる。

何故「ヴィッツ=女性」のイメージが定着したのか

さてここで、冒頭にご紹介した「男クルマ」作戦について、補足しておく。

「カッコいい方が、いいじゃないですか。」

大沢たかおさん、生田斗真さん競演のドラマ仕立てのテレビCMを見て、「ちょっとコリ過ぎでは?」「そこまでやらなくても」。そう思った方は多いはず。

2代目ヴィッツ イメージ画像

だがトヨタは、そこまでしても日本国内市場に染み付いた「ヴィッツ=女の子クルマ」のイメージを払拭したかったのだ。

東京プリンスホテルで開かれた、新型「ヴィッツ」試乗会。

筆者は、トヨタの製品企画担当者(他社では商品企画というが、トヨタ系は製品企画という)から、その真実を直接聞いた。

「旧モデルは、あれほど女性っぽい印象を持たれるとは思ってもいませんでした。まあ、ユニセックス(中性)より、やや男性よりのイメージで作ったつもりでした。旧モデル(第二世代)は初代より大きくなって立派になりました。ですから、男性のイメージがあってもおかしくない。

しかし、日本国内市場の特性で、ユーザーが女性中心になってしまった。女性が乗る『ヴィッツ』が街に溢れ、そこでクルマのイメージが作られてしまった。結果として女の子クルマになった、ということです」(トヨタ製品企画担当者)

そう、「ヴィッツ=女性イメージ」は日本市場限定の社会的現象だったというのだ。

海外では「ヤリス」を名乗る「ヴィッツ」。

初代発売以来、世界約70ヶ国での累積販売量は350万台、そのうち日本国内は140万台だ。特に、Bセグメントと呼ばれる欧州で「ヤリス」人気は高い。

だがけっして欧州では「ヴィッツ=女の子クルマ」とは思われていないのだ。そのため、海外市場では「欧州車などライバルたちと戦えるような、凛とした存在感を狙った」(トヨタ製品企画担当者)という。

そして2011年2月8日、トヨタ本社広報から筆者宛てに速報値が届いた。

それによると、3代目の新型「ヴィッツ」発売後、1ヶ月受注時の登録台数男女比は6:4。2代目がモデルチェンジ(2005年2月)した時の男女比は4:6であった。

「ヴィッツ」の「男クルマ」戦略、まずは成功したようだ。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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