中国のミニバン人気が凄すぎる!アルファード激似のパクリカーから独自路線まで一挙紹介【広州ショー2017】

中国・広州ショーの出展ブランドは東京モーターショーの3倍!

中国のモーターショーというと、隔年で4月に行われる北京と上海のイメージが強いと思う。しかし中国第三の都市である広州でも毎年11月にモーターショーが行われており、筆者は7年振りに取材に向かった。

広州モーターショーは日本では北京と上海の陰に隠れる上、ワールドプレミアもそれほどないため、ローカルなモーターショーというイメージは否めない。

しかしモーターショーの規模は1日ではとても回り切れないほど巨大で、参加ブランドは東京モーターショーの3倍もある。超高級ブランドではフェラーリの出展こそなかったものの、フェラーリ以外はロールスロイス、ベントレー、マクラーレン、ランボルギーニなどがブースを構えており、相変わらず中国市場の勢いを感じた。

7年振りに中国のモーターショーを訪れると中国車の劇的な進化など感じることは多いが、この記事では中国の人気ジャンルの急速な変化をお伝えしよう。

>>広州モーターショーに出展された中国のミニバンを見る!(画像17枚)

セダンから、SUVやミニバンにシフトした中国車市場

7年前の2010年は車の普及時期はどこの国でもそうだったように中国もボディタイプはセダンが中心であった。しかし2017年のモーターショー会場を見るとSUVに加え、ミニバンも激増していることに驚かされた。

SUVは世界的に人気であるし、中国は道の悪いところも多いという事情も考えると理解しやすいが、ミニバンの激増は中国で過度な人口増加を抑制するために続いていた「一人っ子政策」が2015年に廃止となり、一家族の人数が今後増えることが予想され、ミニバンの需要も増えているという中国のお国事情のためのようだ。

広州モーターショーで見たミニバンは大きくは2つのクラスに分かれる。1つ目は日本車だとトヨタ アルファードよりさらに大きい全長5m超えで、JAC M6や広州汽車 GM8などが該当するラージクラス。2つ目は日本車では現在のスバル エクシーガクロスオーバー7あたりに近いボディサイズでヒンジドアを持つ、海馬 F7やBYD 唐MAXなどが該当するミドルクラスだ。

上質感溢れるラージクラスミニバン

ラージクラスは「デザインがちょっとアルファードっぽい」という印象は否めない。しかし、インテリアの質感や立派なセカンドシートもアルファードの上級グレードのようで驚く。またGM系のビュイック GL8という車は、アメリカで販売されていない中国専用のラージミニバンだという。

中国で販売されるラージミニバンのエンジン、トランスミッションといったパワートレーンは、2リッターターボか2.5リッター級NAに多段ATかDCTを組み合わせるケースがほとんど。完成度は不明ながら、パワートレーンは中国車でも国際的水準のものが使われている。

中国で販売されるアルファードの3.5リッターV6は日本で生産される輸入車で、中国では輸入車に大きな関税が課せられるため81万元(1元17円で約1380万円!)するところ、ビュイック GL8も含めた中国製ラージミニバンの価格は18万元から40万元(約300万円から680万円)と、日本で販売されるホンダ オデッセイやアルファード並だ。

車格も価格も手ごろなミドルクラスミニバン

ミドルクラスは海馬 F7、BYD 唐MAXともにパワートレーンは1.5リッターターボ+6速ATの組み合わせで、価格もそれぞれ8万から12万元(約136万円から204万円)と、日本人の感覚で車格やボディサイズを考慮するとリーズナブルに感じる。

日本のコンパクトミニバンが中国車市場を制す近未来!?

今後中国でミニバン市場が拡大することになれば、トヨタシエンタやホンダフリードといったコンパクトミニバンや、トヨタ ノア/ヴォクシーのようなミドルハイトミニバンも中国で生産される日が来るかもしれない。現時点では、どちらも日本車にしかないジャンルだが、もしかの地でも人気車になれば「中国で日本を代表する車になっていた」ということになるかもしれない。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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