プジョー、ル・マン24時間は無念の全マシンリタイア
2009年のル・マン24時間耐久レースでは見事ワンツー・フィニッシュを決めディフェンディング・チャンピオンとしてライバルを迎え撃つこととなりまったプジョーだが、今年のル・マンは無念の全マシンリタイアに終わった。
昨年から好調を維持し、ここまで4連続のワンツー・フィニッシュ。チーム・プジョー・トタルは、2010年ル・マン24時間耐久レースに、最高のチーム状態で臨んだ。予選でプジョー 908 HDi FAPは4年連続でポールポジションを獲得。プジョーが予選4位までを独占する結果となった(ワークスカー3台と、チーム・オレカが1台)。
土曜日午後3時、3号車を先頭にスタートしたプジョーの4台は最初の3時間、先頭を守った。ところが、セバスチャン・ブルデー、ペドロ・ラミー、シモン・パジュノーの乗る3号車が17時28分にモノコック・サスペンション取り付け部のトラブルでリタイヤした。
残る3台のプジョーはレースを牽引し続けたが、夕刻になってアンソニー・デビッドソン、マルク・ジェネ、アレクサンダー・ヴルツの乗る1号車がスターター・モーター・オルタネーター・マネジメントシステムの交換で遅れ、ここからはニコラ・ミナシアン、フランク・モンタニー、ステファン・サラザンの2号車がレースを主に引っぱる展開となった。ところが、早朝、2号車もエンジン故障のためリタイヤとなった。
プジョーに残された最後のワークスカーとなった1号車に期待がかかったが、意地の走りを見せていた彼らもフィニッシュまで2時間というところで、エンジン故障のためリタイヤを余儀なくされた。
残ったオレカ・プジョーは、最速ラップタイムを叩きだしたものの、同じくエンジントラブルで終盤リタイヤとなった。「908 HDi FAPがデビュー以来、これだけのエンジントラブルに見舞われたのは初めてのこと」と、プジョー・スポールのテクニカル・ディレクター、ブルーノ・ファミンは首をかしげた。
プジョー・スポール・ディレクター、オリビエ・ケスネル
「とても手強いライバル相手に、スタートから速いペースで戦っていた。実際、私たちの方が速かったが、安定性は相手の方が上だった。大事なのは勝つことで、トップスピードを出すことではない。これまで4連続のワンツー・フィニッシュを決めてきたが、記録はいつか途切れるもの。不運なことに今回がそのときだった。勝つためにできるかぎりのことはやってきたので、残念だ。 何が悪かったのか、明日から分析を始める。今日は思い切り、負けをかみしめるよ。でも夜が明けたら、気持ちを切り替えて戻ってくる。2011年に、もっと強くなって戻ってくるためにね。 全力を尽くしたが、勝利は叶わなかった。プジョーは「人」の企業。レースの結果で、企業価値が揺らぐことはない。各界の数多くの有力者の皆様から、力強いサポートをいただき、できるかぎりの挑戦をしてきた。果敢に攻め、プジョーの力を示すことができた。非常に残念な結果になったが、何ら恥じるところはない。 応援してくださったみなさんをがっかりさせてしまった。本当につらい。でも、こうした結果が出た以上は当然のことだ。今、大事なことは、同じことを繰りかえさないようにするだ。今日のリターンマッチには負けた。でも、来年は勝つことを誓うよ」
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