マツダ 新型CX-5 2018年3月改良モデルに試乗 進化した2.2ディーゼルと2.5ガソリン 2つの新エンジンは走りにどう影響した?(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:松田 拓也(オートックワン編集部)
約半年という短い期間で行われたCX-5のマイナーチェンジ
最近のマツダ車は改良を頻繁に行う。2012年に発売された先代(初代)CX-5以降に登場した車種は、OEM車を除くと、ほぼ毎年改良されている。
頻繁な改良を可能にしたのは、いわゆる選択と集中だ。ミニバンのプレマシーやビアンテは廃止して、車種の数を少なく抑えた。さらにプラットフォーム、サスペンション、エンジン、トランスミッションなどの種類も減らして共通部分を増やした。
そうなると、例えばCX-8が新しい機能を採用すれば、時間を置かずCX-5やアテンザにも水平的に展開できる。これはプラットフォームや車種を減らしたメリットのひとつで、同等に車種数などが少ないスバルも頻繁に改良を施す。共通化の進んだスズキやダイハツの軽自動車も同じだ。
新型CX-5にはCX-8のディーゼルエンジンと同じものが搭載された
2018年3月8日に、マツダ CX-5が改良を受けた。現行CX-5の発売は2017年2月だが、同年8月には、一部の安全装備を全車に標準装着する改良を実施している。さらに2018年3月だから、CX-5は半年置きに改良されているわけだ。そこで今回は新しいCX-5を試乗した。
最も大きな改良点は、クリーンディーゼルターボエンジンだ。基本的には以前と同じ2.2リッターだが、2017年12月発売のCX-8と同じタイプへと早くも変更された。少ない燃料を多段化して高圧噴射する急速多段燃焼、超高応答マルチホールピエゾインジェクター、段付きエッグシェイプピストン、可変ジオメトリーターボチャージャーなど、燃料の噴射、燃焼、ターボまですべての行程を見直した。最高出力は従来の175馬力から190馬力(4500回転)に、最大トルクは42.8kg-mから45.9kg-m(2000回転)にそれぞれ高められた。
この違いを新旧モデルの乗り比べで確認すると、新型ではアクセルペダルを踏み込んだ瞬間の駆動力が従来にも増して強まっている。従来型も最大トルクが42.8kg-mだから、自然吸気のガソリンエンジンに換算すれば4L並みだ。十分に力強かったが、新型ではさらにメリハリが利く。アクセルペダルを踏んだ瞬間に、従来以上の高い駆動力が一気に立ち上がる印象だ。
この反応の良さは速度が上昇した後も続き、切れの良い走りを楽しめる。3500回転付近から速度の伸びが一層活発になり、最高出力が発揮される4500回転を超える領域まで力強く回る。
上級SUVのCX-8と比べると、動力性能は同程度だがノイズについては見劣りする。CX-5も改良を受けたことで、ディーゼルエンジン車では静かで滑らかだが、CX-8はガソリンエンジンと錯覚するほどノイズを抑え込んでいるからだ。従ってCX-5のエンジンが改良を受けた今でも、CX-8とのエンジンフィーリングの違いは依然として残り、CX-8を選ぶ価値は十分に残されている。
JC08モード燃費は、従来型の2WDは18km/Lだったが、新型は19km/Lに向上した。4WDも従来型は17.2~17.6km/Lだったが、18km/Lになっている。
ガソリンエンジンには気筒休止システムを初採用し、燃費が向上
ガソリンエンジンは従来から2Lと2.5Lを用意しており、これも改良を受けた。両排気量ともにエッジカットピストンの採用などによるノッキングの抑制、ピストンなどの抵抗軽減、燃料噴霧性の改善などを施した。燃焼効率が全般的に向上している。
その上で2.5Lエンジンには、4気筒の内で2気筒を休止させる技術を加えた。気筒休止を行うのは、主に高速道路やバイパスなどを一定速度で巡航する時。2気筒時には吸気によるポンピング損失と冷却損失を抑えられる。
ただし気筒休止を行うと、振動と騒音が高まりやすい。2気筒時には1気筒当たりの燃焼力が増えて、燃焼の間隔も広がる。クランクシャフトの捩り振動なども発生するからだ。さらに2気筒と4気筒の切り換え時にも、振動と騒音が変化しやすい。
そこでATのトルクコンバーターに振り子ダンパーを採用した。振り子の運動で、振動を打ち消すのがねらいだ。
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