レクサス 新型NX vs トヨタ ハリアーどっちが買い!?|レクサスとトヨタ、同じ中身でどこまで変わるのか!違いを徹底比較!

実は共通点が多いレクサス NXとトヨタ ハリアー

ハリアーとは?

ハリアーはトヨタブランドのLサイズSUVで、以前はレクサスRXの国内版だった。しかし2005年に日本でもレクサスが開業して、海外仕様と同じRXを扱うようになった。そこでハリアーの現行型は、国内市場を重視して開発されている。国内向けのSUVは珍しい。

日本のユーザーの好みに合った高級感を研究して開発され、内外装を上質に仕上げた。特に合成皮革を使ったインパネ周辺の質感は、ハリアーの大切なセールスポイントだ。エンジンは直列4気筒の2リッター、2017年6月に加えた2リッターターボ、2.5リッターのハイブリッドをそろえる。

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レクサスNXとは?

トヨタが展開する上級車ブランドのレクサスに用意されるミドルサイズSUVで、レクサスRXに比べるとボディがひとまわり小さい。セダンのレクサスISに相当するSUVがNXになる。レクサス車とあって内外装は上質で、フロントマスクには大きなスピンドルグリルが装着されて迫力を感じさせる。

内装も上質に仕上げた。後席の頭上と足元の空間にも相応の余裕を持たせ、4名乗車が快適に行える。エンジンは直列4気筒の2リッターターボと、2.5リッターのハイブリッドとなる。

今回はハイブリッドのNX300hと、ハリアーハイブリッド プログレスを比べたい。

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NXとハリアーの共通点

■パワートレーン

両車ともに2リッターターボと2.5リッターのハイブリッドを用意する。2リッターターボの6速ATを含めて、ギヤ比まで共通だ。

ただし2リッターのターボを装着しない自然吸気エンジンは、ハリアーのみに搭載される。

■プラットフォーム

NXでは手を加えたものの、プラットフォームは基本的に同じ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2660mmで等しい。サスペンションは両車ともに前輪がストラット、後輪がダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架を採用する。

■デザイン

NXはレクサスの一員として、内外装ともにレクサスブランドの流れに沿ったデザインを採用する。ハリアーはクラウンに似た考え方で、フロントバンパー付近はトヨタ車に共通する造形としたが、基本的にはハリアーの個性を大切にデザインされている。

■価格

ハイブリッドの価格を比べると、後輪をモーターで駆動する4WDを搭載したNX300hは530万円。同様のメカニズムを備えたハリアーハイブリッド プログレスは460万4040円になる。買い得度は後述するが、単純に価格を比べるとNXが70万円高い。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|ボディサイズ/デザイン/視界&取りまわし性比較

レクサス NXのボディサイズは全長が4640mm、全幅が1845mm、全高は1645mmとなる。トヨタ ハリアーは4725mm/1835mm/1690mmだ。

外観に影響を与えたのは、ハリアーの全長が85mm長く、全高も45mm高いこと。ホイールベースは2660mmで等しいため、ハリアーは前後輪からボディが前後方向に張り出したオーバーハングが長い。背も高くオーソドックスなSUVの外観になる。

これに比べてNXはオーバーハングを切り詰めて、背が少し低いために塊感を演出した。前後のフェンダーを張り出させたり、ドアパネルにも鋭角的なラインが入る。

NXとハリアーの外観評価は見た人の好みによるが、NXは良くいえば前衛的でスポーティ、悪くいえば造形が繁雑だ。

サイドウインドーの下端は両車ともに高めで、後ろに向けて持ち上げた。この影響で斜め後方の視界は良くない。最小回転半径は、18インチタイヤ装着車で条件を合わせると、両車とも5.7mになる。

レクサス NX 300とハリアー 比較表
車種名 レクサス NX トヨタ ハリアー

全長

4,660mm

4,725mm

全高(車高)

1,645mm

1,690mm

全幅(車幅)

1,845mm

1,835mm

ホイールベース

2,660mm

2,660mm

最小回転半径

5.7m

5.7m

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|インテリアデザイン&室内装備比較

インパネなど内装のデザインは、NXの方が凝った仕上がりだ。インパネの中央付近は、エアコンのスイッチが収まる部分が手前に張り出した特徴的なデザインだ。この配置だと操作性は良いが、下側のオーディオは扱いにくい。

また、素材の使い方はNXの方が上質だが、トヨタ ハリアーも合成皮革を多用してステッチの入れ方にも工夫を施しているので、艶っぽい印象に仕上がっている。これも見た人の印象で評価が変わるので、実車を見て決めるのが良いだろう。

それでも価格とのバランスを考えると、ハリアーは割安なトヨタブランド車ながらも質が高い。快適装備は両車ともに電動パーキングブレーキ、マルチインフォメーションディスプレイなどを採用している。

>>NXとハリアーの違いを画像で見比べる

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|居住性比較

新型NXとハリアー、この2車種が使うプラットフォームは生産を終えたRAV4やヴァンガードから発展したタイプで、空間効率が優れている。このプラットフォームは、低床をオーリス、中床をハリアーとNX、高床をエスティマという具合に多彩に使い分けられている。

前席の座り心地は両車ともに快適だ。NXの座面は若干硬めでサポート性を重視するが、ハリアーは体が少し沈んだところでしっかりと支える仕様。

後席は両車ともに足元空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車すると、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。頭上にも握りコブシ1つ分の空間があるので体格の大きな大人が乗ってもさほど窮屈ではない。

それなのに後席の着座姿勢と座り心地には違いが生じた。NXは体の支え方は良いが、座面が硬めでもう少し柔軟性が欲しい。一方ハリアーは床と座面の間隔が十分に確保され、座り心地はNXよりも少し柔らかいため、長時間座っても疲れにくい。この違いには全高の差も影響しているだろう。ハリアーはNXよりも45mm背が高く、室内高も40mm上まわるが、頭上の空間は同程度だ。つまりNXよりも少し高い位置に座らせることで、柔軟な座面にすることが出来たのだ。

また、後席に座った乗員の足の置き方も違う。NXの後席に座ると、前席の下側に足が収まりにくいが、室内高の高いハリアーならスッポリと入る。総合的に判断すると、後席の居住性はハリアーが快適だ。

とはいえ、両車の着座姿勢と座り心地は、好みによって異なる。少し低い位置に座るNXの方が感覚的に落ち着く場合があるからだ。NXの後席は欧州車に多いパターンで、ハリアーはミニバンを思わせる日本風に仕上がっているのが特徴だ。

USB電源は両車ともに用意され、ハイブリッド車特有の100V/1500Wの電源コンセントも6万4800円でオプション設定可能。このオプション価格はNXとハリアーで共通化され、レクサスだからといって価格を高めることはしていない。レクサスは車両価格が高い分だけ、オプションが割安に感じることもブランド間の違いと言えよう。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|荷室の容量と使い勝手比較

荷室の奥行寸法は、ハリアーに若干の余裕がある。リア側のオーバーハング(後輪よりも後方へボディが張り出した部分)は、ハリアーが1020mm、NXは975mmになるからだ。

またハリアーの荷室には金属の加飾レールが備わり、荷物を滑らせて出し入れする時の使い勝手も良い。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|エンジン性能&燃費比較

ハイブリッドシステムは両車ともに共通でギヤ比も等しい。車両重量はハリアーが4WDのみとなるために条件を合わせて比べると、NXが1820kg、ハリアーは1800kgとなる。厳密にいえばボディの軽いハリアーが有利だが、車両重量が20kgの差では実質的に誤差の範囲だ。JC08モード燃費もそのような数値になっており、レクサス NX300h(4WD)が19.8km/L、トヨタ ハリアーハイブリッド(4WD)は21.4km/Lだ。

運転感覚は両車ともに3リッターの自然吸気ガソリンエンジンに匹敵する性能で、モーターの駆動力も相応に高いから滑らかに加速する。静粛性はNXが少し静かに感じた。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|安全装備比較

NXは”レクサスセーフティシステムプラス”、ハリアーは“トヨタセーフティセンスP”を装着する。名称は異なるが基本的な機能や性能は同じだ。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用して、歩行者も検知した上で緊急自動ブレーキを作動させる。

ただしアダプティブハイビームシステムの設定は異なる。これはハイビーム走行時に対向車や先行車を検知すると、複数のLEDを個別に点消灯させて、ハイビームの状態を維持しながら相手方の眩惑を抑えるシステムだ。

この装備はハリアーではエレガンスを除く全車に標準装着したが、NXでは“version L”と“I package”に標準装備、“F SPORT”にはオプション装備(約12万円)となる。安全装備ではハリアーの装備レベルが上まわる逆転現象が生じた。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|価格と装備比較

4WD同士で価格を比べると、NX300hは530万円、ハリアー ハイブリッド プログレスは約460万円だ。

NXでは運転席と助手席の両方に電動調節機能が備わるが、ハリアーは運転席のみ。その一方でNXのオーディオは10スピーカー、ハリアーは11スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムが標準装着される。

レクサス NXとハリアーの装備レベルは同等だが、レクサスではGリンクの3年間無料(5万1000円相当)サービス、同じく3年間のメンテナンスプログラムなどが標準付帯される。これらを差し引くと、上質感や静粛性に支払われるレクサスの対価は45万円くらいだ。レクサスの場合、国内開業当初からトヨタ車と比べた時のレクサス対価を30~50万円で設定してきた。

レクサス NX vs トヨタ ハリアー|どっちが買い?

SUVは嗜好品的な性格が強く、選び方も内外装のデザインを含めたユーザーの好みで左右されるが、客観的に判断するとハリアーが買い得だ。内装の上質感は日本のユーザーにとって馴染みやすく、後席の居住性や荷室の使い勝手もハリアーが上まわる。

またNX300hとハリアー ハイブリッド プログレスの価格を比べると、約70万円の差額だが、ハリアーのグレードにはプレミアムやエレガンスもある。エレガンスは装備がシンプルだが、プレミアムは相応の装備が付いて、ハイブリッドの価格が407万4840円だ。カーナビはオプションだが、割安なディーラーオプションを装着しても良い。ハリアーでは、グレードやカーナビなどのオプション装備を予算に応じて選べることも魅力になる。

さらに、レクサスからはあまり値引きが期待できないが、トヨペット店のハリアーであれば車両本体から20万円程度の金額を引き出せる可能性がある。

また店舗数も異なりトヨペット店は全国に約1000拠点あるが、レクサスは約170拠点にとどまるため、1県に1店舗しかない地域もあるだろう。店舗数の少なさはアクセスしづらいだけでなく、購入後のサポートも難があることを理解しておく必要がある。ただし高級車であるレクサス車の場合、車載の通信機能を用いたヘルプデスクなど、オーナー向けの付帯サービスも充実しているから、有効に活用したい。

納期はNXが5か月、ハリアーは2リッターが1か月、2リッターターボが2か月、ハイブリッドは2.5か月だ。総合的に考えるとハリアーを推奨したい。

レクサス 新型NXとトヨタ ハリアーの主要スペック

レクサス NXとトヨタ ハリアーの主要スペック
車種名レクサス NX300hトヨタ ハリアー

グレード

version L

PROGRESS

パワートレイン

ハイブリッド

ハイブリッド

駆動方式

4WD

4WD

価格(税込)

5,960,000円

464,040円

JC08モード燃費

19.8km/L

21.4km/L

全長

4,640mm

4,725mm

全幅(車幅)

1,845mm

1,835mm

全高(車高)

1,645mm

1,690mm

ホイールベース

2,660mm

2,660mm

乗車定員

5人

5人

車両重量(車重)

1,850kg

1,800kg

エンジン

直列4気筒

直列4気筒

排気量

2,493cc

2,493cc

エンジン最高出力

112kW(152PS)/5,700rpm

112kW(152PS)/5,700rpm

エンジン最大トルク

206N・m(21.0kgf・m)/4,400~4,800rpm

206N・m(21.0kgf・m)/4,400~4,800rpm

モーター最高出力(フロント)

105kW(143PS)

105kW(143PS)

モーター最大トルク(フロント)

270N・m(27.5kgf・m)

270N・m(27.5kgf・m)

モーター最高出力(リア)

50kW(68PS)

50kW(68PS)

モーター最大トルク(リア)

139N・m(14.2kgf・m)

139N・m(14.2kgf・m)

燃料

無鉛レギュラーガソリン

無鉛レギュラーガソリン

レクサス/NX
レクサス NXカタログを見る
新車価格:
485万円772.5万円
中古価格:
179.9万円971.1万円
トヨタ/ハリアー
トヨタ ハリアーカタログを見る
新車価格:
312.8万円620万円
中古価格:
57.8万円702.1万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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