人気の最新SUV対決!スバル 新型XV vs トヨタ C-HR どっちが買い!?徹底比較

人気の最新SUV対決!スバル 新型XV vs トヨタ C-HR どっちが買い!?徹底比較
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トヨタ C-HRの売れ行きが堅調に推移している。

発売は2016年12月で、2017年1~3月の登録車(小型/普通車)販売ランキングではすべて4位に入った。日産 ノートやトヨタ プリウスには負けるが、それでもSUVの中で今のところ2位のホンダ ヴェゼルに大きな差を付けている。

ホンダ ヴェゼルは2013年12月に発売され、2014年から2016年にわたり3年連続でSUVの年間販売台数ナンバーワンになった。2017年はその位置付けをC-HRに明け渡す可能性が高い。

トヨタ C-HR

ここまでC-HRが堅調に売れる背景には、複数の理由がある。

まずトヨタ車を含めて、全長が4~4.4m前後に収まる適度なサイズで趣味性を満足できるクルマが減ったことだ。かつては初代日産 プリメーラ、初代から4代目のスバル レガシィツーリングワゴンなどが好調に売れたが、今ではセダンやワゴンも新鮮味が薄れた。2010年に発売されたジュークも、C-HRに似た性格のクルマでヒットしている。

ユーザーの購買意識としては、今ではSUVとかクロスオーバーといったジャンルは関係ないだろう。適度なサイズで4名乗車の可能な居住性が備わり、なおかつコンパクトカーやミドルサイズハッチバックとは違う楽しさや面白さを感じられることが売れている理由だ。C-HRの外観は好みが大きく分かれ、後方視界はきわめて悪い。必ずしも優れた造形とはいえないが、そこを割り切ったかわりに個性を強めて、ヒットに結び付けた。

2つ目の理由は、C-HRをトヨタの全店が扱うことだ。4系列を合計すると4900店舗に達して、日産やホンダと比べても2倍以上の販売網になる。最近のトヨタ車に共通する手法で、C-HRを1店舗専売にはしなかった。かつてのRAV4やヴァンガード、現行型の設計が古くなったウィッシュやエスティマなど、いろいろなトヨタ車ユーザーがC-HRに代替えしたことも好調に売れる理由だ。

C-HRのバリエーションは、2WDにハイブリッド、4WDには1.2リッターのターボを搭載する。ハイブリッドを選べると、先代プリウスやアクアなどからの乗り換えにも対応しやすい。

スバル 新型XV

そんなC-HRのライバルと見られるのが、2017年4月6日にフルモデルチェンジを受けたスバル XVだ。

インプレッサスポーツをベースに開発されたSUVで、外装を変更し、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は200mmに拡大している。エンジンは水平対向4気筒の1.6リッターと2リッターを搭載する。詳細は4月6日に掲載した「スバル 新型XV 最新情報」をご覧いただきたい。

C-HRはかなり個性的だが、XVはインプレッサスポーツがベースとあって、外観は比較的オーソドックスに仕上げている。

ボディサイズ・外観デザイン比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

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XVのボディサイズは全長が4465mm、全幅が1800mm、全高は1550mm(ルーフレール付車は1600mm)となる。

C-HRの全長は105mm短い4360mm、全幅はほぼ同じ1795mm、全高はハイブリッドの2WDが1550mm、1.2リッターターボの4WDは1565mmだ。XV、C-HRともに全高が1550mmを超えると、立体駐車場を使いにくくなる場合があるので注意したい。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はXVが2670mm、C-HRは2640mmで、後者が30mmほど短い。最小回転半径もXVが5.4m、C-HRは5.2mで小回り性能が優れる。

外観はC-HRが個性的だ。前後のフェンダーの張り出しが強調され、全長の割にホイールベースが長いため(全長はXVに比べて105mm短いがホイールベースの違いは30mm)、安定感が強まった。

その代わり後席側のサイドウィンドウが狭く、前述のように斜め後方の視界は劣悪だ。前進しながら駐車するように指定された駐車スペースから、後退して出庫する時はかなり気を使う。バックカメラの映像に頼りやすい。

XVも先代型に比べるとサイドウィンドウの下端が高まり、後方視界を悪化させたが、C-HRほど見にくくはない。

・勝者:XV

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内装デザイン・インテリアの質感・操作性比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

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両社ともに、メーターの視認性は良い。

スイッチ類の配置はXVがシンプルで分かりやすいが、C-HRもエアコンを高い位置に装着してドライバーの方に傾けるなど操作性が優れている。

トヨタのハイブリッド専用車には小さなレバーでATポジションを切り替えるタイプが多いが、C-HRはターボを用意することもあり、一般的なスライド式で扱いやすい。

質感はXVも十分に高いが、C-HRは立体的な形状で新鮮味を感じさせる。

・勝者:C-HR

前席・後部座席の居住性比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

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前席の座り心地は互角だ。座面は体が少し沈んだところで確実に支える。サイズも十分にあり、肩まわりのサポート性も良い。

最近のクルマのシートは全般的に熟成され、前席は差が付きにくい。比較するとXVが少しソフトな印象だが、両車ともに座り心地は快適だ。

後席は、XVの場合は体が座面に沈みにくいところがある。もう少し柔軟に仕上げると快適だ。

足元空間はXVが広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半を確保した。

C-HRはコブシ1つ半程度になる。C-HRは天井が後ろに向けて下降することもあり、着座位置は低めで床と座面の間隔も不足気味。前述のように後席側はサイドウィンドウが小さいから閉鎖感も伴う。

前席は互角の印象だが、後席はXVが広くて開放感もあり、C-HRは5ドアクーペという表現が相応しい。

・勝者:XV

乗降性比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

フロントピラー(天井を支える柱)は、両車ともに少し寝かされている。

従って前席は乗降時に頭を下げる姿勢になるが、乗り降りがしにくいと感じるほどではない。SUVとあって、一般的な5ドアハッチバックに比べると着座位置が少し高く、腰の移動量も少ない。おおむね乗り降りはしやすい。

後席は、XVの場合、ドア開口部の上側が後方へ下降しているから、前席以上に頭を下げる。それでも頭部の通過性は、どうにか許容範囲に入る。後席の足元空間が広いので、足の取りまわし性も良い。

C-HRの後席はXVよりも乗降性が悪い。後席側のドアは、開口部の上側がXVよりも下降しており、乗降時には頭がかなり下がる。足元空間も狭めで、足の取りまわし性もいまひとつだ。

さらに、後席側の外側に位置するドアノブは高い位置に装着され、特に子供には開閉操作がしにくい。

・勝者:XV

荷室・ラゲッジルーム比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

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カタログに記載される荷室容量は、XVが385リットル、C-HRは318リットルとなる。C-HRは容量が17%ほど少ないが、荷室の床面積は十分に確保した。

差が付くのは荷室の高さだ。C-HRはリヤゲートを寝かせたから背の高い荷物が収まりにくい。その半面、C-HRではリヤゲートを開閉するためのヒンジが車両の中心に近づくので開口部が広い。

開閉時にもリヤゲートが後ろ側へ大きく張り出しにくく、狭い場所での開閉もしやすい。一般的にはXVの荷室が使いやすいが、C-HRにも独自のメリットがある。

・勝者:XV

動力性能・加速など走行フィーリング比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

スバル 新型XVトヨタ C-HR

車両重量はXVの1.6リッターエンジン搭載車が1410kg。2リッターは1420~1440kgだ。

C-HRは2WDのハイブリッドが1440kg。4WDの1.2リッターターボが1470kgとなる。

XVの1.6リッターエンジン搭載車は、車両重量に対して動力性能が不足気味だが、直噴式の2リッターであれば満足できる。

C-HRはハイブリッドであれば力不足を感じることはなく、1.2リッターターボは素直な運転感覚が魅力だが、幅広い回転域で動力性能が物足りない。

XVの2リッターを選ぶと、性能面の満足度が高まる。

・勝者:XV

安全装備比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

スバル 新型XVトヨタ C-HR

XVは2個のカメラをセンサーとして使うアイサイト バージョン3を搭載する。

C-HRは、ミリ波レーダーと単眼カメラによるToyota SafetySense C(トヨタセーフティセンスC)だ。両車とも車両に加えて歩行者の検知も可能。クルーズコントロールの先行車に追従する機能は、全車速対応型とした。

オプションでは後方の並走車両を検知して警報する機能も備わり、機能的に共通点が多い。ただし、XVでは歩行者保護エアバッグも備わり、前述のように安全に直結する後方の視界もC-HRよりは優れている。

総合的な安全性能では、XVが勝る。

・勝者:XV

燃費性能・エコカー減税比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

スバル 新型XVトヨタ C-HR

XVのJC08モード燃費は、1.6リッターが16.2km/L。2リッターは16.0~16.4km/Lになる。

2リッターエンジンは直噴式だから、装備が同等のグレードで比べると1.6リッターよりも燃費数値が優れている。C-HRは2WDの1.2リッターターボが15.4km/L。XVに比べると見劣りするが、ハイブリッドは30.2km/Lと優秀だ。

C-HRでは2つのパワーユニットで燃費数値に約2倍の開きが生じる。2017年4/5月から段階的に施行される2017年度のエコカー減税では、2010年度燃費基準プラス10%が最低ランクだ。

XVでは2.0i-Sアイサイト、2.0i-Lアイサイト(オプション装着によって車両重量が1430kg以上の場合のみ)が上記の対象に入り、購入時の自動車取得税が20%、同重量税が25%減税される。

C-HRの1.2リッターターボは、2017年度のエコカー減税は対象外。逆にハイブリッドは免税が維持され、減税合計額はSが11万8100円、Gは12万4600円になる。C-HRでは燃費性能とエコカー減税の対応が両極端だ。

・勝者:C-HR

グレードと価格比較/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

XVで最も買い得なグレードは2.0i-Lアイサイト(248万4000円)。

1.6リッターでも動力性能に実用的な不満はないが、レジャーに多用されるSUVと考えるとやや物足りない。2リッターは燃費も優れ、装備の違いを差し引いたエンジン本体の差額は14万円だから、2リッターが割安とはいえないが許容範囲に収まる。SUVの性格も考慮して2リッターを推奨する。

このグレードに相当するC-HRは、4WDで1.2リッターターボを搭載するS-T(251万6400円)だ。基本装備は同等だが、XVではボンネットの手前から展開する歩行者保護エアバッグ、運転席のニーエアバッグも加わる。フォグランプも標準装着した。これらの装備を含めた価格でいえば、XVが明らかに買い得だ。

スバル 新型XV

またLEDヘッドランプは、XVでは2.0i-Sアイサイトに標準装着され、それ以外のグレードでもステアリングの連動機能と併せて6万円相当でオプション装着できる。

しかしC-HRは、上級のハイブリッドG(290万5200円)と1.2リッターターボのG-T(277万5600円)のみに、LEDデイライトなどと併せて15万1200円でオプション設定した。ハイブリッドのSやS-Tは対象外でハロゲン専用だ。趣味性の強いSUVにハロゲンヘッドランプでは物足りないだろう。

C-HRは価格が少し割高で、グレード構成も不親切に感じる。

・勝者:XV

総合評価・どっちが買い!?/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

スバル 新型XVトヨタ C-HR

居住性と荷室の使い勝手、装備と価格のバランスなどから判断すると、XVが明らかに買い得だ。

この背景にはベースとなったインプレッサスポーツの買い得感がある。10万8000円の価格アップでXVに変更されているため、XVも買い得になった。外観の手直しだけで、低コストでSUVに変更できるXVの開発手法によるところが大きい。

逆の表現をすれば、C-HRはXVと違って独自の設計だ。プラットフォームはプリウスと共通だが、まったく違うクルマに仕上げた。特に外観のデザインには、未来的な雰囲気を感じる。C-HRの外観に共感できないユーザーにとっては、選ぶメリットの乏しいクルマだと思うが、好みに合えば唯一無二の選択肢になり得る。

C-HRのようなクルマを開発できることはSUVというジャンルの面白さで、C-HRはその可能性を十分に引き出した。安全に直結する後方視界の悪さは工業デザインとして問題アリだが、XVとは異なる価値を備えている。

両車は同じSUVのジャンルに属しながら、対極に位置するクルマともいえるだろう。

・勝者:XV

カテゴリー別勝者一覧/スバル 新型XV vs トヨタ C-HR

・ボディサイズ・外観デザイン比較:XV

・内装デザイン・インテリアの質感・操作性比較:C-HR

・前席・後部座席の居住性比較:XV

・乗降性比較:XV

・荷室・ラゲッジルーム比較:XV

・動力性能・加速など走行フィーリング比較:XV

・安全装備比較:XV

・燃費性能・エコカー減税比較:C-HR

・グレードと価格比較:XV

・総合評価/どっちが買い!?:XV

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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