世界500台限定、4千万円超の価格・・・マクラーレン「675LT」新型車解説(1/3)
- 筆者: 川端 由美
“マクラーレン”といえば、やはり思い出されるのは・・・
マクラーレンが本拠を構えるテクノロジーセンターに足を踏み入れると、「ああ、こんなところで開発しているなら、F1で連戦連勝もできるだろうなあ」と感心してしまうはずだ。
私が初めて訪れたのは、マクラーレン・オートモーティブが立ち上がってまもなくのことで、まだF1と同じエリアで「MP1−12C」が組み立てられていた。
戦前にイギリスGPが開催されたブルックランズからクルマで20分ほどの場所にあり、ガトウィックとヒースローからもそう遠くはない。英国らしいのどかな景色の中に、突じょ、未来基地さながらの光景が現れるのだ。
次々と新たなモデルを生み出すマクラーレン
ゴードン・マーレイのデザインで大きな話題をよんだ「F1」や、後にメルセデス・ベンツAMGと手を組んだ「SLRマクラーレン」といったモデルを覚えている人も多いだろう。ながらく、BMWやメルセデスといった自動車メーカーからエンジンを供給してもらって、マクラーレンで仕立てあげるというスタイルだった。
しかしながら「MP4-12C」以降、シャシーもパワートレインもマクラーレン独自の設計によるオリジナルの新型車を世に送り出している。そのなかでも大きく、2つのシリーズにわかれており、「P1」や「P1 GTR」が属するアルティメット・シリーズ、「625C」「650S」「675LT」が属するスーパー・シリーズに2分されていた。さらにニューヨーク・ショーで第三のシリーズとなる「570S」がエントリー・クラスとして追加されている。
「単独で車両を開発できた最大の理由は、CADや3Dプリンタといったデジタル機器の発達により、新型車の開発に要する時間とコストが大幅に削減できたことにあります。私は以前にプログラム・ディレクターを担当したこともあるのですが、当時と比べると、その点が大きく変わりました」と、MSOの責任者であるPaul Mackenzie氏は語る。
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