世界500台限定、4千万円超の価格・・・マクラーレン「675LT」新型車解説(2/3)

世界500台限定、4千万円超の価格・・・マクラーレン「675LT」新型車解説
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車名の「LT」に込められた意味とは

この辺りで、話題を今回日本に上陸した「675LT」にうつそう。

世界中に数あるモーターショーの中でも、最も華やかな雰囲気を醸すジュネーブ・サロンの会場でデビューを果たし、短い時間で日本上陸に漕ぎ着けた。より現実的で、マクラーレンの乗用車部門の中核を担うスーパー・シリーズにおいて、「675LT」はいくぶんアルティメット・シリーズよりのポジションと言える。世界限定で500台しか作られないため、誰もが手に入れられるわけではない。

McLaren 675LT

車名の最後に付く「LT」とは、ロングテールの略だ。

35歳以上のクルマ好きならピンとくるだろうが、ご察しの通り、マクラーレンの乗用車部門初期の伝説的なモデルである「マクラーレン F1 GTR」のニックネームである。当時、ル・マン24時間耐久レースに初参戦して、初勝利という偉業を成し遂げたため、センセーショナルに報道されたのだ。

同社にとって、フォーミュラ・カーでの勝利は数え切れないほどあるが、ル・マン24時間耐久レースのように市販車とリンクするイメージのレースでの勝利はそう多くない。アルティメット・シリーズはサーキット専用という印象が強いだけに、「スーパー・シリーズ」の最上級モデルにル・マンのような公道を走るレースシーンでの栄光を映しだしたのだろう。

ベースの「650S」とはあらゆる点で異なる

McLaren 675LT
McLaren 675LT

いささか前置きが長くなったが、クルマそのものに話をうつそう。

ベースとなったのは「650S」だが、変更されたパーツがあまりにも多く、比較していいのか悩んでしまうほどだ。具体的には、車両で1/3、パワートレインで1/2もの部品が変更されている。

外観上の違いは、なんといっても、拡大されたフロント・スプリッターだ。

さらに背後に目を移せば、車名の由来でもある”ロングテール”エアブレーキとチタン製エギゾーストが見える。もちろん、見た目だけではなく、ダウンフォースが40%も増すという効果も忘れてはいけない。

McLaren 675LT
McLaren 675LT

ミドに積まれるターボチャージャー付きV8ユニットは、カーボン複合材製のエンジン・ベイに縦置きされる。

シリンダーヘッドの形状変更、軽量コンロッド、専用設計のカムシャフト、電子制御式バルブなどの採用により、最高出力675ps/最大トルク700Nmまでスープアップを施された上で、応答性も向上させている。組み合わされる7速デュアルクラッチ式「SSG」も改良が施されている。「ノーマル」「スポーツ」「トラック」の3種のモードから選ぶことができる点は、「650S」から引き継がれているが、変速スケジュールが見直されており、ギアチェンジの速度が「650S」と比べて半分まで早められている。

高められたパワーを受け止めるべく、シャシーにも大幅な変更が施されている。カーボン複合材を使うのはマクラーレンのモデルに共通する点だが、「675LT」ではさらに採用箇所を増やし、ウィンドスクリーンを薄く軽量化し、エンジンフードをポリカーボネイト樹脂製とするなどにより、軽量化をはかった。

室内に目を向けると、革ではなく、軽量なアルカンターラを採用している。見た目にもスポーティで、実利もあるのだから一石二鳥だ。ロールケージまでチタン製とすることにより、トータルで100kgもの軽量化を果たしている。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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