痛車は萌えるが、イタ車はよく燃えるって本当??【週刊 クルマ事件簿】

に、2億円が灰に!

4月9日、「イタリアの高級車が炎上」というニュースが流れた。

映像を見ると、燃えたのは先代のマセラティ・クアトロポルテ。現場は世田谷区桜新町の国道246号線で、運転中の男性が異音に気付き、クルマを止めてボンネットを開けると、突然出火したという。

近年ではこの他、ランボルギーニのムルシエラゴが首都高上で燃えたり、同アヴェンタドールが杉並区の永福町駅前(私の地元)で燃えたという事故もあり、一部で話題になった。

このテの極めつけは、バブル期のフェラーリF40の炎上事故だろう。有名な富豪(メイテック社長の故・関口房朗氏)所有のフェラーリが関係者のドライブ中に炎上し、灰になってしまった。F40は当時、2億円もの値がつけられていたが、当該車両を販売した南原竜樹氏(『マネーの虎』等の出演でも有名)が現場に行ったところ、ほぼ完全に燃え尽きており、車体の「骨」しか残っていなかったという。

実際イタリア車は燃えやすいの!?

ネット上には、「フェラーリやランボルギーニはだいたい燃える」「乗るのはバカ」といった書き込みもあるが、やはりイタリア車は燃えやすいのか?

実は車両火災は、近年も年間約4000件も発生している。うち、イタリア車がどれくらいを占めるのかは、統計がないので不明。ただ、消防庁によって、全体の損害データは公開されている。

車両火災の状況(平成28年度)

出火件数 4,053件

死者数 126名(うち放火自殺者70名)

負傷者数 203名

損害額 19億9786万円

火災原因は、「排気管」が16.8%、「放火」が10.9%、「配線」が9.7%、「たばこ」が3.9%、マッチ・ライターが2.4%、「不明」が56.4%。

「不明」の多さは、車体が燃えて原因がわからなくなるからだろうが、判明した原因のうち最も多いのは、排気管に漏れた燃料がかかったり、可燃物が触れて炎上した形である。

ただし、損害額約20億円を件数で割ると、1件あたりわずか50万円!

つまり、「炎上するのは主に、古くなって価値の低下した中古車」ということだ。フェラーリやランボルギーニがだいたい燃えていたら、損害額は2ケタハネ上がるはず。

個人的には、24年間の通算でフェラーリ11台、ランボルギーニ1台、マセラティ1台、アルファロメオ2台、ランチア2台、フィアット2台、合計19台のイタリア車を所有してきたが、まだ炎上したことはなく、周囲で「燃えてしまった」という話も数件しか聞かない。

過去4回出火経験のあるツワモノオーナーも!?

確かにイタリア車は、他のクルマより若干炎上しやすい傾向はあるだろう。

たとえば伝説的スーパーカーであるランボルギーニ・ミウラは、キャブレターの構造上非常に出火しやすく、リヤカウルがまだ一度も燃えていない車両は希少とされている。私がかつて取材したオーナー氏は、「4回出火しましたが、消火器を常備しているので、すべて損害軽微のうちに消し止めました」と語っていた。

ミウラが燃えやすいのは間違いないが、その他のイタリア車が燃えやすいという話はあまり聞かない。聞かないが、ちょっと古いイタリア車がオイル漏れしやすいのは確か。私が乗っていたアルファ147は常にオイル漏れしており、半年でオイルが1リットルづつ減っていた。しかしこれは、イタリア車にすれば生来の小さな不具合で、直そうとしても難しかったので、オイルを注ぎ足しながらそのまま乗っていた。

オイルはそう簡単に火がついたりしない。炎上事故になりやすいのは断然燃料漏れだ。ちょっと古いイタリア車はゴム類の劣化が早く、燃料漏れも若干起きやすい傾向はあるかもしれない。

ただそれも「若干多いかも」といったレベルで、イタリア車は炎上しやすいというイメージができあがったのは、それがニュースになるからだ。

イタリア製の高級車が炎上したというニュースは、「やっぱり!」「自業自得だな」というニュアンスで、多くの国民の期待に応える事件なのだ。私はまだその期待に応えておりませんが。

[レポート:清水草一]

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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