【水平対向エンジン】スバル車の「ボクサーサウンド」はなぜあんな音がするの?
- 筆者: 清水 草一
【水平対向エンジン】スバル車の「ボクサーサウンド」はなぜあんな音がするの?
スバルのレガシィやインプレッサがよく「ドコドコドコ」と低い音を出しながら走っているのを見かけます。普通のクルマではマフラーとかを交換してもあんな音は出ない思いますが、スバル車だけなぜあの音が出るのでしょうか。
また、私はスバルの車では無いのですが、何か部品を変えるとああいう音が出るようになるのでしょうか。
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
スバル車の特徴的な「ドコドコ音」は、スバルのアイデンティティである水平対向4気筒エンジンの、排気マニホールドが生んでいます。
水平対向4気筒エンジンは、左右の2気筒から出た排気を1本ずつにまとめ、それをさらに1本に集めてマフラーへ送りますが、この時エキゾーストマニホールドの長さが左右で違う(非等長)タイプだと、それぞれの気筒から出た排気ガスがぶつかり合うタイミングができます。これを「排気干渉」と呼びます。
スバル車のドコドコ音は、これが原因なのです。
この排気干渉は、左右の排気マニホールドの長さが等しい等長タイプだと、発生しにくくなりますが、そのためにはコストも高くなってしまいます。
スバル初の乗用車である「スバル1000」では、お金をかけて等長タイプのエキゾーストマニホールドを採用していたので、「ドコドコ音」は出ませんでしたが、後継モデルの1300以降、比較的コストが低い非等長タイプを採用。「ドコドコ音」が出るようになりました。
独特の「ドコドコ音」はボクサーサウンドと呼ばれ、一部のマニアから熱烈に支持されましたが、水平対向4気筒エンジン本来の音ではないという意見もあり、また「ドコドコ音」はマニア以外の人にとっては単なるノイズでもあるので、スバルは近年、排気系を一新させました。
レガシィだと4代目モデル(2003年春に登場)、インプレッサでは2代目モデルの中期型(2002年秋に登場)以降、全車で等長タイプを採用し、「ドコドコ音」はほとんど出なくなっています。
ただ、「ドコドコ音」が出なくなった最近のスバル車でも、エキゾーストマニホールドやマフラーを交換すれば、往年の「ドコドコ音」を再現できます。
最近では、排気干渉をうまく利用することで、排気の流れをさらに良くする技術も進み、最新のインプレッサWRX-STIなどでは、「ドコドコ音」が復活しつつある傾向も見られます。
また、水平対向4気筒以外のエンジンで、「ドコドコ音」を再現することはできません。
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