マツダ「CX-5」にMTモデルは設定されないの?

マツダ「CX-5」にMTモデルは設定されないの?
マツダ -5 マツダ -5 マツダ -5 マツダ CX-5 XD・Lパッケージ[FF] 電子制御6速AT マツダ CX-5 XD・Lパッケージ[FF] 6速オートマチックトランスミッション マツダ CX-5 XD[4WD/ボディカラー: スカイブルーマイカ] SKYACTIV-D + ディーゼルエンジン用i-stop 昨年の東京モーターショーで発表され、次期アテンザのベースモデル「マツダ 雄(TAKERI)」 画像ギャラリーはこちら

マツダ「CX-5」にMTモデルは設定されないの?

マツダ -5
マツダ CX-5 XD・Lパッケージ[FF] 電子制御6速ATマツダ -5

MJブロンディ殿、マツダからリリースされたCX-5に、MTモデルを設定してもらうにはどうすればよいのでしょうか?

マツダは「走る喜び」「操る楽しみ」「人馬一体」を実現するSUVと主張しています。確かに、ガソリン・ディーゼル両モデルを試乗した範囲(一般道・高速道)で、走行性能にはなんの文句もありません。

特にSKYACTIV-Dは、まさに「待ってましたっ!!」なパフォーマンスで、まさしく「走る喜び」を実現できそうです。但し、「操る楽しみ」「人馬一体」については?です。なぜなら、車を操るための重要な要素であるトランスミッションがATしか用意されていないからです。

SKYACTIV-Driveは良く出来たATだと思います。しかしDモードはともかく、MTモードの「ワンテンポ遅れたシフトチェンジ」では、とてもじゃないですが「操る楽しみ」「人馬一体」は得られません。SKYACTIV-MTと呼ばれる、軽量・コンパクトな新MTが開発され、海外モデルには搭載されているにも関わらず、国内モデルには設定なしです(逆輸入車についても「想定外」と切捨てられました)。

日本の新車販売でMTは5%以下、マツダに限っても10%程度であることや、社運を掛けて開発されたCX-5なので、売れ筋に絞りたい事は理解しています。しかし、MT乗りには購入できないのです。

コールセンターやディーラーの方々には、都度「MT設定を」とお願いしていますが、何とかMT車をリリース(オプション設定でも良いので)していただく方法はないものでしょうか?(阿修羅さん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

マツダ CX-5 XD・Lパッケージ[FF] 6速オートマチックトランスミッションマツダ CX-5 XD[4WD/ボディカラー: スカイブルーマイカ] SKYACTIV-D + ディーゼルエンジン用i-stop

阿修羅さんの熱意、すばらしいですね。アツいです。アツい情熱こそが、この世で最も尊いものだと私は思います!

一方、CX-5開発陣もアツい。実際、スカイアクティブおよびCX-5開発陣と話をしますと、そのアツさ、大胆な発想、綿密な構想に、こちらまで胸が熱くなります。

マツダは世界的に見れば実に小さな自動車メーカーですが、彼らは見事なゲリラ戦を展開し、大戦果を上げつつあります! 日本の誇りですね。

つってもマツダは、円高で赤字決算を食らっております。もともと欧州を主要なターゲットにしていたCX-5のスカイアクティブDは、輸出しても赤字覚悟という最悪の状況です。欧州に生産拠点を持たないマツダは、欧州向けは日本で生産して輸出せざるを得ないのです。

よってマツダは現在、ディーゼルモデルについては日本国内への配分を優先していて、欧州ではディーゼルよりガソリンモデルの方が2倍以上売れている(というより、ディーゼルの割り当てがまったく足りない)という、本来ありえない販売状況になっています。

そんなことはともかく、スカイアクティブDの6MTが欲しい! なんとかならないか! というご要望ですね。

あまり売れそうにないモデルの追加投入は、いくら個人が強く要望しても、サービス体制の構築などで大きな費用がかかることから、通常はまず無理です。よほど多くの声が集まって、それなりの数が売れると見込めないとダメなのですが、CX-5に関しては、「望みがある」と申し上げておきましょう。

理由は簡単。開発陣の責任者クラスのある方が、「日本でもMTを出します、いや絶対に出したい!」とアツく語ったからです。広島のアツき男たちは、日本でも、スカイアクティブDをスカイアクティブMTで味わってもらいたい、と熱望しているのです!

このスカイアクティブMTがどんなフィーリングなのかは、乗ってないので私もわかりませんが、本来ディーゼルはMTとの相性が抜群ですから、MTというだけで猛烈に楽しいクルマであることは間違いありません。

もちろんスカイアクティブドライブ(6AT)も、ディーゼル用ATとしてはトルコンスリップが極めて少なく、超絶ダイレクトなんですけどね。

ちなみにドイツでの価格は、6MTは6ATより1800ユーロ、約18万円安い設定になっています。よって、日本に導入される場合も、オプション設定でATより高くなるなんてことはないと思いますよ!

MTが出るとしたら、現在の生産キャパ不足が解消した後でしょうから、ある程度長い目で見る必要はありますが、可能性がゼロではないのは確かです。

MJブロンディの「ひとりごと」

昨年の東京モーターショーで発表され、次期アテンザのベースモデル「マツダ 雄(TAKERI)」

クリーンディーゼルの先輩である日産エクストレイルGTには、6MTの設定がありますね。こちらも私は大好きです。ATの開発に手間取ったことで、けがの功名的にMTが先行投入されて、クルマ好きとしては大変ラッキーでした。

日産の2リッターディーゼルは、非常にこまめなシフトチェンジをしたくなるエンジンでして、1400rpmから2000rpmを使ってちょこちょこシフトチェンジしまくりながら超エコラン! なんてのも、すごく楽しいです。

一方でエクストレイルディーゼルのATモデルは、トルコンスリップが大きくてダイレクト感が足りず、走るヨロコビは大幅にスポイルされています。ディーゼルはトルクが大きすぎるので、受け止める側のATの耐久性確保が難しく、ダイレクト感を出すのは難しいのです。

しかしCX-5の場合は、6ATでも十分楽しい。あれはすばらしいディーゼルターボ用ATだと思います。もちろん、6MTならもっと楽しいでしょうが。

私は、アテンザのスカイアクティブDを今から狙っているので、そちらへのMTの投入を期待したいです。ムリかなァ……。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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