金沢~東京500キロ、ボルボ XC60は安心・安全・快適でロングドライブにとても素敵なパートナー
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:小林 岳夫
長距離移動もなんのその!快適で快楽に浸かれるXC601DAYドライブ
先日、ボルボ XC60に追加された2リッターディーゼルターボエンジン搭載モデル「XC60 D4 AWD INSCRIPTION」に乗って、石川県は金沢から東京まで、約500kmを走ってきた。
今やこの2地点を結ぶ移動だけなら北陸新幹線を利用すれば2時間半で移動ができる。しかし、ソレはソレ、クルマにはクルマの良さがある。高速道路や有料道路の整備も進む日本。クルマでの長距離移動もずいぶんとしやすく便利になっているのですよ。
一日500キロの移動をしながら、こんな風に気ままな1DAYドライブがますます快適に楽しめるのが、最近のクルマ旅。ドアポケットにはペットボトルやメモパッド、サングラスケースを収め、ドリンクホルダーにはコーヒー、そして飴とガムとチョコを常備。USBジャック2口にライトニングケーブルをさし、いつも誰かのスマホを充電しつつ、音楽を聴きながら走り、いつでも止まれるリビングの感覚。長距離移動をするほど、これがまたますます快適であり、快楽に浸れるのは間違いない。
ボルボユーザー待望のディーゼルモデル
今回はドライビングインプレッションというよりも、ドライブ&インプレッションの様相を呈するため、注目の2リッターディーゼルターボエンジンについてまずはご紹介しておきたい。2リッターディーゼルターボエンジンは先代のXC60にもラインナップされていたけれど、この新型には環境性能を高めるべく排ガス規制に対応した改良版の最新ユニットが積まれている。Nox低減を目的とし「尿素SCRシステム」を採用しているのだ。
日本のボルボユーザーの半数以上の方がディーゼルモデルを選んでいるそうで、このXC60のラインアップにプラグインハイブリッド(PHV)と2種類のガソリンエンジンモデルに加え、このディーゼルモデルが登場することを待っていた方も多いらしい。
厚みのあるトルクをよりスムーズにかつ細かくコントロール
ボルボ XC60に搭載される2リッターディーゼルターボエンジン(190ps/400Nm)は厚みのあるトルクが頼もしく、8ATが常に確かな動力をタイヤに伝え、意のままの走りを与えてくれる。速度コントロールもしやすく、ある意味で繊細。ナーバスというのではなく、踵を床につけ支点しながらアクセルペダルを操作すると、厚みのあるトルクをよりスムーズにかつ細かくコントロールできる点に優れる。
もしディーゼルエンジンの走りに大味なイメージ持っている方がいるとすれば、XC60の走行フィールを試していただきたい。おかげで金沢の街中、安房峠を抜けて長野へ向かう道中、のんびりと走らせた安曇野の農道etc、ボルボの運転がスムーズで快適であったのはこの扱いやすいディーゼルエンジンを搭載したXC60だったから、と言っても過言ではない。気になる音や振動については、音は車外ではディーゼルとわかるものの、走行中の車内ではディーゼルであることを忘れるほどだった。
金沢を出発し、目指すは白川郷
今回は早朝に金沢市内を出発して北陸自動車道→東海北陸自動車道を経由し、先ずは白川郷の合掌造り集落へ向かった。オートックワン 編集部員のモッチーがXC60を連れていきたいと熱望していた場所だ。
撮影をしていると、観光でサンフランシスコからやって来たというドレナンさんファミリーに遭遇。奥様が「最近、ちょうど買おうと思っていたのよ」とXC60に気づいて足を止めてくれた。「デザインが素晴らしい」と、お嬢さんとXC60の購入を確信したように会話を弾ませていたけれど、どうしているかしら。ちなみにボルボはアメリカでも人気があり、特にXCシリーズ=SUVを選ぶ人が多いという。アメリカならXC90もいいのでは?と聞いてみると、「90はちょっと大きいのよね、60くらいがちょうどいい」と奥さま。サンフランシスコの街中は日本のクルマ環境とさほど変わらないという。
XC60のボディサイズは全長4690mm×全幅1900mm×全高1660mm。日常使いとしては十分大きなサイズであり、実質的な室内スペースも相応に広い。キャビンは前後シートともに大振りのシートが採用されており、座る場所を選ばぬ快適さを保つ点もXC60がこだわっているポイントだ。
ボルボデザインの魅力
そんな室内のインテリアは上質さもさることながら、気取らず飾りすぎず、しかしディテールにはこだわることで独特のムードがあり、そこにボルボのデザインの一つの価値が見いだせる。
例えば流木をイメージしたというドリフトウッドの木目パネルの採用もその一つ。
これはXC60の物理的(手触り含め)かつ視覚的アロマ効果もあると感じて疑わない。それをこれ見よがしな主張はせず、しかしこのウッドパネルがあるからこその雰囲気が生まれている。またそんなセンス溢れる空間全体の質感に満足できるのは、製造クオリティの高さがあってこそ。
絵になるSUV
エクステリアもしかり。トールハンマー型LEDヘッドライトだけが新世代のボルボを表しているわけではない。
緩やかなカーブを描くボンネットに刻まれたシャープなライン。陰影を強めたサイドビューは塗装の仕上げもよく、光をも操って美しさを際立たせていると感じられるほど。都会の街並みにも、今回のような自然に囲まれたなかでもその個性とともにその姿を楽しむことができると思う。
今回こうして1Dayドライブを供にしただけでも、私のスマホには記録ではなく、記憶に留めたい風景のなかに一緒にいて欲しい、絵になるSUVとして数多くの写真が残されている。
五平餅にかぶりつく!
合掌造り集落を後にし、10時のおやつ(笑)を求め、「道の駅 白川郷」にピットイン。ここでは、五平餅をいただいた。NHKの朝ドラ効果で、岐阜県も五平餅の人気も上がっているらしい。
ベンチに座ってかぶりつく五平餅。ご飯を潰して固めたものに、お味噌やゴマ、荏胡麻、柚子みそなどを合わせたタレが塗られていて、噛むとお米のモッチリとタレの甘じょっぱさが絶妙。上唇についたタレを舐めれば「マイウーっ」でした。
路地裏でも視界良く、取り回しのいいXC60
続いて田園風景の広がる風景を想像しつつ安曇野を目指す。ちなみにコレは私のリクエスト。
北アルプスの湧き水で育った美味しいワサビとお蕎麦を昼食にいただこうと、高山を経由して安房峠から信州松本は安曇野へ。気ままな旅は腹時計に支配されているのである(苦笑)。
そうそう、道中、高山の街では旧市街に魅せられたカメラマンの小林氏の撮影熱が疼き、修学旅行生や外国人が散策するわきを、ゆ~っくりとXC60を走らせたこともあったっけ。ミドルサイズSUVでも臆することなく路地裏を走れたのは、それなりに大きなサイズでも視界よく取り回しのいいXC60だったからと言える。
どこから踏んでも欲しいトルクを十分に路面に伝えてくれる頼もしさ
高山からは国道158号線で、一路、松本方面へ。一部は安房峠道路という有料の長いトンネルを通りつつ(これもR158)、ワインディングを走り、その間のいくつもの温泉を横目に…。白骨温泉の看板の誘惑を振り切りながら、安曇野を目指した。アップダウンを何度か繰り返す道中でも、2リッターディーゼルターボのどこから踏んでも欲しいトルクを十分に路面に伝えてくれる頼もしさは変わらない。
XC60に採用されている大きめのハンドルは操舵フィールが少し重め。それがこの厚みのあるトルクを発するエンジンやドッシリとした印象のあるXC60の体格に合っている。だからと言って、動作が鈍いわけではなく、一体感のある動きをドライバーは思い通り、リズム感を伴ってハンドリングできる。おかげでボディのロールも少なく、幾重にも続くコーナーを走行中も、リアシートに座っていた小林カメラマンも「居心地悪くなく、ぜんぜん辛くないですよ」とのこと。
フレッシュなすりおろしたてのワサビとともに信州のお蕎麦を食らう
そんな小林カメラマンはダムマニア(であることを知った)。私は初めてダムカードなるものの存在を知り、R158上のいくつもあるダムのうち、「稲核(いえこき)ダム」のカードをいただきに、「道の駅 風穴の里」に立ち寄った。ちなみにカードをゲットするためには…、ダムの撮影をし、それを見せる必要があるみたい。このあたり、ダムマニアにとっても美味しいルートらしい。
安曇野に入ると、目指すお蕎麦屋に向かう道中に果樹園や白い蕎麦の花咲くそば畑を眺めながらXC60を走らせた。そうそう、沿道には道祖神も祀られ、見守られている感覚に癒されるドライブも安曇野ドライブならではだ。
「こんなところにお蕎麦屋さんがあるの?」と不安になりながら、山側に向かう。川底まで見通せるほど澄んだ川を渡り、“美味しい水”の恵みへの期待が高まる。それは神社の参道の入り口にある一軒のお蕎麦屋さんだった。大盛のお蕎麦に男子たちは大喜び。もちろん私もフレッシュなすりおろしたてのワサビとともに信州のお蕎麦をしっかりと味わせていただきました。
先進安全・運転支援機能「インテリセーフ」で安心のロングドライブ
その後は、松本から中央道→圏央道→東名高速というルートで帰京。燃費はカタログ値には及ばぬものの、走行シーンが変わっても変動幅が少なくだいたい14km/Lほどを維持・安定していた。
試乗を終えてみれば、「500キロ?チョロい、チョロい…(笑)」。最近のボルボは500キロ程度ならロングドライブと言わずに涼しい顔して言えそうな頼もしさや快適さが増している。
「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)が長距離高速移動を楽にしてくれるからでしょ?」と問われれば、もちろんソレも認める。けれどクルマに求める性能は人それぞれだと思うが、多くの方がクルマに求める理想をバランス良くまとめられているからこそ、長時間の移動も車中の滞在時間も苦にならないというものではないか。
ただやはりボルボの魅力は、先進安全・運転支援機能「インテリセーフ」の16種類以上の安全装備を標準装備しているのも大きな魅力だ。
新型XC60のACCはパイロットアシストをセットしていれば、単独走行時でもわずかなステアリング操作で車線中央を保持できるようになり、また万一、減速だけでは避けられないサイクリストや歩行者、大型動物との衝突に対し、衝突軽減ブレーキの作動に加え時速50ー100km/hの速度域でステアリング操作をサポートする「ステアリング・サポート」機能を追加。
また、ステアリングアシストは、対向車が接近しているにもかかわらず、自車が意図せず対向車線にはみ出してしまっているような場合にも、走行車線に戻るような操舵支援(時速60ー140km/h)をしてくれるという。
移動距離が苦にならないということは、一日トータルの時間の充実度がそれまでよりも違う。ボルボがロングドライブにもとても素敵なパートナーとなることを、そろそろ宣言しても良いのではないかと思い始めている。これは私がこれまで「V90クロスカントリー」で約1000キロ、「XC40」で約500キロ、そして今回、XC60で約500キロのロングツーリングを経験しての見解だ。
[TEXT:飯田 裕子/PHOTO:小林 岳夫]
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