ボルボ V40 クロスカントリー T5 AWD 試乗レポート/今井優杏(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部/ボルボ・カー・ジャパン 撮影協力:フォレスターナ軽井沢
温かみとクールさが同居する魅惑の北欧式インテリア
とにかくボルボの内装のクオリティは他の追随を許さない。温かみとクールさがかなりの高次元でクロスし、購買欲をグサグサ刺してくる。「これまでのどの自動車メーカーとも違う室内観と造形」というのが“他人とカブりたくないがオシャレじゃないのはもっとイヤ”な心理をこれでもかと刺激するんである。
ただオシャレなだけではなく、リアのドアパネルとシートの隙間はドア側の乗員の開放感を演出するし、中央座席は背面を盛り上げて作ることで前に出たような座り位置となり、両隣の乗員と肩が重なり合わないように工夫されている。とにかく部屋としての完成度が高いのだ。下手したら私の部屋よりも快適、といういみじくも哀しい結論に達してしまう。グスン。
ベースモデルも十分に凄いのだけど、こっちはもっとイイ!
ベースのV40には1.6リッターエンジンが用意されていて、これにはFFが組み合わされる。1600ccとはいえこのエンジンはとても元気がよく、非力さは全く感じない。同じ1.6リッターでも、以前試乗したボルボ S60とは室内音の響き方が大幅に改善されていて、山道でのべつまくなし踏んでも室内の静粛性は大幅に保たれているし、何よりもFFならではの軽快な鼻先の動きだ。人によってはAWDのクロスカントリーよりもこの二駆のグレードを溺愛すると思う。
というわけでベースグレードだけでも相当に基礎体力の高いV40だが、結局素材がいいから派生もいいという結論に尽きる。もちろんこれまで紹介したすべての機能や装備はV40 クロスカントリー T5 AWDにも備えられるのだ。
しかもコレ、V40が売れたから追加しちゃえばいいじゃん、なんていう付け足しモデルなんかではない。ちゃんと設計当初から設定されたモデルなので、付け焼刃のような後出し感は皆無だった。
濡れたような艶を感じるハンドリングに”きゅんきゅん”する
大幅にベースグレードと異なるのはやはりAWDのドライブ感で、2リッターターボエンジンをどっしりと受け止め、濡れたような艶を感じるしっとりとしたハンドリングだった。
「『濡れたような』ってなんやねん、意味わからんわ!」と鼻白む諸兄、嘘ではない。嘘だと思うならベースグレードと比較試乗してみなさい。T4+FFは乾いていて、T5+AWDが濡れているということがたやすく感じられるはずだ。
つまり「さすがボルボ!」のがっちりボディ剛性を大型ボルボ同様の最新のハルデックス製シャシーが受け止め、ジタバタ感の微塵もない、接地感の高いコーナリングが叶えられているというしくみだ。対してT4+FFモデルは先述の通りもう少し鼻先の軽さが目立つ。キビキビした軽快な動きが特徴的だ。
ボルボ V40「クロスカントリー T5 AWD」 主要諸元
全長x全幅x全高:4370x1800x1470mm/ホイールベース:2645mm/車両重量:1580kg/乗車定員:5名/ハンドル位置:右/駆動方式:電子制御AWDシステム(四輪駆動)/エンジン種類:インタークーラー付ターボチャージャー DOHC 直5 横置き 20V ガソリンエンジン/総排気量:1983cc/最高出力:213ps(157kW)/6000rpm/最大トルク:30.6kg-m(300N・m)/2700-5000rpm/トランスミッション:ギアトロニック(電子制御6速AT)/燃料消費率:12.4km/L[JC08モード]/タイヤサイズ:225/50R17/車両本体価格:359.0万円※[価格は消費税込み]
※試乗・撮影車には、ナビゲーションパッケージ(+200,000円)/レザーパッケージ(+200,000円)/セーフティパッケージ(+200,000円[2013年5月現在セーフティエクスペリエンスモニターキャンペーン実施で無償提供中])/パノラミックガラスルーフ(+180,000円)/歩行者エアバッグ(+60,000円)/リアビューカメラ(+60,000円)/エクステリアスタイリングキット(+157185円)/ETC車載機(+25,000円)を追加し、総額4,672,185円[価格は全て消費税込み]
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