フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
SUVである前に「フォルクスワーゲン」を感じさせるハンドリング
VW 新型ティグアンが搭載するエンジンは、前述のように従来型と同じ2リッターのターボ。
上級セダンのパサートまで1.4リッターターボのTSIを搭載する今、ティグアンは少し古典的な印象だ。しかし実際に運転すると、このエンジンがSUVの性格にマッチしていると気付く。
パサートに比べてボディは約200kg重いが、排気量の余裕により、最高出力は57馬力、最大トルクは8.2kg-m上まわる。現行型に切り替わり、最高出力の数値は9馬力上乗せされた。しかもATが7速のDSGだから、エンジンパワーを有効活用。
街中では、軽くアクセルを踏む程度で必要な加速力が得られる。
そして深く踏み込めば、3リッター並みの動力性能が発揮され、4000回転を超えた領域での加速感も力強い。この豪快な感覚は、長年にわたってSUVを使い続けたユーザーにも馴染みやすいと思う。
一方、ハンドリングは「SUVである以前にVW」と感じさせる。最低地上高が170mm、全高が1710mmという背の高いボディながら、高重心を意識させない。
操舵に対する挙動の変化も穏やかで、SUVにありがちな唐突に左右に振られる動きを抑え込んだ。速度を高めて曲がればゴルフなどに比べて旋回軌跡を拡大させるが、後輪の踏ん張り感が高く、運転操作の難しい状態には陥りにくい。ドライバーに安心感を与えてくれる。
乗り心地は、SUVらしくサスペンションの伸縮性が豊かで柔軟だ。
試乗車のタイヤはブリヂストンのデューラーH/Pで、サイズは235/55R17。扁平率は55%と低めだが、乗り心地は60%に近い。優れた安定性と快適性を両立させた。
以上のような特徴を踏まえると、新型ティグアンは高速道路を使った長距離移動の機会が多いユーザーにピッタリだ。優れた走行性能と快適性に加え、フルタイム4WDを備えるから、不意の降雪にも安心して対処できる。シートもボリューム感のある座り心地で、長時間の乗車に適する。
やや心配なのは市街地走行。全幅が1,810mmのボディは、2リッタークラスのSUVとしては少し幅広い。それでも視線の位置が適度に高まり、周囲が見やすいから意外に扱いにくさは感じない。着座位置もちょうど良く、乗降時には腰の移動量を抑えられる。
となれば、若い頃に初代や2代目のゴルフに親しんだ世代にも受けそうだ。SUVでアクティブな生き方を表現しつつ、硬くなってきた体にも優しい。スッキリしたフロントフェイスも、この世代には適度に大人っぽくてイイ感じだろう。
新型ティグアン 主要諸元
グレード名:Sports&Style
価格:3,890,000円(税込)
全長 x 全幅 x 全高:4,430 x 1,810 x 1,710mm
エンジン:2リッター直4インタークーラー付ターボ
最高出力:132kW(179PS)/4,500-6,200rpm
最大トルク:280Nm(28.6kgm)/1,700-4,500rpm
トランスミッション:7速DSG
駆動方式:4MOTION
燃費:11.6km/L(10・15モード)
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