フォルクスワーゲン ザ・ビートル(新型ビートル)1.2TSI(日本仕様) 試乗レポート/小沢コージ(2/3)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
「ニュービートル」が大小分度器を3つ重ねたような幾何学的フォルムなのに対し、「ザ・ビートル」はレトロな丸さを残しつつも、結構普通にファストバックしている。これによりリアシートは拡大、ヒザ回りスペースはあまり変わっていないが、頭回りはプラス60mmとかなり余裕ができた。
実際、身長176センチの私が前に乗り、さらに後ろに乗っても頭が天井にぶつからないくらい。トランク容量も214リッターから310リッターに1.5倍ほど拡大。特に横幅は広く、ハッキリ言って前より全然使い易い。
運転席からの視界も「フツー」になった。「ニュービートル」は運転席前のダッシュボードが机のように広く違和感があったのだが、「ザ・ビートル」は普通のFF車レベルの広さになっている。
「ポイントは4つ。Aピラーを立てて位置を下げたのと、ルーフのキックポイントを変えたのと、ロングノーズとフェンダーを独立させたこと。これは(30年代の)初代ビートルの特長です」とは、デザイナーのクリスティアン・レスマナさん。
初代のモチーフを踏襲することで本物っぽさを出すと同時に、実用性をも拡大したってわけだ。
とはいえそれはラクではなく、ヤリ過ぎるとビートルらしさがなくなるし、抑えると実用性が増えない。中身のパーツにしろ実はゴルフやジェッタと共通部分が多く、「それもコスト削減の為には重要」とレスマナさんはいう。
新型ビートルは初代とニュービートルの良いトコ取りという、実に巧みなデザインなのだ。
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