フォルクスワーゲン シャラン 海外試乗レポート(3/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
本当に1・4リッターで十分?
まず乗ったのは、日本に導入される1・4リッターのガソリンモデルで、残念ながらDSG搭載は間に合わず、6MT車だ。
気になるのはやはり速さだろう。軽くなったとはいえ車重約1・7トン。3.5リッターV6搭載当たり前の日本のビッグミニバンと比べると、スペック的な心配は否めない。ひとこと言わせて貰うと、正直「まだわからない」だ。
特に気になる発進時は、さすがの低回転トルクでエンストなど起きそうもないが、問題はそこから先でMT車では若干不満が残る。本気で走ろうとすると、3000rpm以上ぐらい回さなければ物足らないのだ。もしやDSGならば、素早くシフトチェンジして、パワーも燃費も両立できるかもしれないが、そのマネは6MTではできない。
それより良かったのは日本市場に入る予定のない2リッターのディーゼルターボでこちらもピークパワーは140psと大したことないが、トルクが320Nmと太い上、いち早くDSGと組み合わされ、低回転域を有効に使って、ガンガン走れる。カタログ燃費もヨーロッパ基準でリッター18km以上を記録し、十分にダウンサイジング・コンセプトの意義を発揮していた。
1.4リッターターボ車も、6MT仕様のヨーロッパのカタログ燃費が約リッター13.7kmと優秀だが、果たしてDSGが加われば、それを日本でも実現できるのか。果たして1.7トンのミニバンを、十分走らせられるのか。可能性はわかったが、証明まではいかなかった。
一方、それ以外はさすがのVWというか圧倒的だ。まず特筆すべきは走りの上質感でとにかく乗り心地がいい。ドイツ車らしく硬めなのは当然、それでいて全域でしなやか。高速ではフラット感もあり、静か。ステアリングフィールは日本車みたいに必要以上にクイックではないが、軽くて滑らか。
なんといっても良かったのは高速性能だろう。もちろん1・4リッター車は加速自体はそれほどでもないが、じっくりアクセルを踏んでいけば、時速200kmには届くか届かないくらいまで走れ、しかも時速100kmを超えた時の安定性が抜群。ちゃんと手応えを得つつも、路面のうねりや風に影響されすぎず、パサートがそのまま大きくなったかのようだ。
ただし、一部の日本製ミニバンのようにコーナリングが楽しいというほどではなく、圧倒的に高速ツアラーだ。同時に驚いたのはシートの座り心地の良さで、2列目は2人乗りと3人乗りが選べるのだが、どちらも独立式でしっかりと座れ、3列目も身長176㎝の私が、頭、ヒザともに天井、前列シートに付くか付かないかくらいだったが、シート高が十分にあって、体育座りのようなポジションを取らずに済み、専用のエアコン吹き出し口まで付いていた。
日本のビッグミニバンの肘掛け付き3列目シートほど豪華ではないが、特に不安もない。またシートアレンジ、つまりフルフラット化の容易さも特筆もので、2列目、3列目ともにほぼワンアクション、ツーアクションで操作できるのに驚いた。
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