フォルクスワーゲン シャラン 海外試乗レポート(4/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
大きなゴルフが欲しい人に
というわけで実に10数年ぶりに日本に入ってくるシャラン。
スライドドア、電動開閉機能、インテリアの質感、良く出来たシートアレンジ、さらに一部に付く大型サンルーフにしても面積は広く、まさに日本車顔負けで、遂に硬派なドイツミニバンもゴージャスさ&便利さ勝負の時代に入ったか?と考えてしまいがちだが、やはりそれは違う。ハッキリ言って全然別の商品だ。
まずそれはスタイルに伺え、今回のデザインはVWのチーフデザイナー、ワルター・デ・シルバが担当。まさにゴルフ兄弟の一番上、という感じで、今回同時にフェイスリフトしたトゥーランと並べると、どちらがシャランかわからないほど。
とにかくシンプルで、クリーンで、高品質。これ見よがしさがいっさいなく、グリルがヤケに大きく、インテリアもビッグモニターが目立つ日本のビッグミニバンとは大違い。あちらが「動く応接間」だとしたら、こちらはまさに「大きなゴルフ」だ。
要するに考え方が全く逆なのだ。日本のミニバンは「渋滞を楽しむため」に作られている。速くはもちろん、ゆっくり走ってもラクチンで、とにかく居心地を良くする。見栄えを重視する。しかし、シャランはあくまでも「走ってナンボ」のミニバンだ。
デザインは、質感こそ高いが余計な物が一切無く、エンジンも十分走れる以上の物は、基本的に揃えない。室内の機能もすべて実用だ。 その象徴が1.4リッターTSIエンジンだろう。正直、どんなにDSGとマッチングが良かったとしても、日本のV6エンジンのパワフルさには敵わない。でも、必要にして十分。
要するに大きさでエバり、ラクに過ごしたいのか。それともそれで有効に人や荷物を積み、道具として使いたいのか。それを選ぶのはアナタ次第。
ちなみに日本に上陸するのは来年予定で、400万円を切るかなりの戦略価格から始まるというので楽しみであーる。
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