フォルクスワーゲン シャラン 海外試乗レポート(2/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
意外と日本製ミニバンを意識?
とはいえ、15年前の話だ。新型シャランの成り立ちは旧型とはかなり違う。
以前は同じミニバンのフォード・ギャラクシーとプラットフォームを共有、ポルトガル工場で作られていた。それだけこだわるユーザーが少なく、VW色も薄かったが、地味だが着実に売れる商品だとわかったこともあるのだろう。
今回はフォードとは決別、同じVWグループのセアトからも名前を変えて発売されるものの、VWによる独自開発が行われた。それだけでも品質の大幅向上が期待できる。よってプラットフォームは高級セダンのパサートのものを使用。エンジニアは「世界最高のミニバン」を目指したという。
具体的には乗用車レベルの乗り心地、質感、さらに商用車にも負けないユーティリティだ。特にユニークなのはパワートレインだろう。ボディサイズは全長4854×全幅1902×1702㎜。旧型に比べ全長で22㎝、全幅で9cmも拡大し、現行日産エルグランドより大きいくらいだが、日本に導入されるメインモデルは、わずか150psの直噴1・4リッター直4ツインチャージャーを搭載。他にも200psの直噴2リッターエンジンがあるが、おそらく導入されない。
なぜならボディのスチール部の半分以上に高張力鋼板を、他にも強度の出る熱間成型パーツなども使い、車重が旧型比で約30kg軽くなっていることもあるが、それ以上に最近ドイツメーカーが取り組んでいるダウンサイジング・コンセプトゆえだ。
期待したいのはDSGと組み合わさった1.4TSI
排気量が小さくとも過給器があればトルクが稼げるし、VW自慢の高精度な直噴技術が加われば燃費も良くなる。
実際、燃費は旧型比で約21%も向上しており、今のエコロジー問題を、複雑で高価なハイブリッドだけでなく、エンジンのダウンサイジング技術で対応するのがドイツ流。もはや以前のような排気量信仰は無くなりつつあるのだ。
実際、シャラン用の1・4リッター直4ツインチャージャーは基本的にゴルフ用と同じだが、最高出力を150psに下げる代わりに、最大トルクを28.6kgmに引き上げ、実用性を確保。トルクに限っては2リッターエンジンと同スペックであり、しかも1750rpmという低回転から発生する。
その上、今回の試乗には間に合わなかったが、VW自慢のツインクラッチミッション、DSGと組み合わされるため、とても1.4リッターとは思えないほど元気よく走るはず。
一方、走りだけでなく安全性や実用性も絶大で、ボディの衝突安全性の高さや、最大で9つのエアバッグを備えるのはもちろん、欧州ミニバンとしては珍しく左右スライドドアを採用。さらにテールゲートまで含め、オプションで電動開閉機能まで付けることができるようになった。もしや日本のミニバンの影響もあるのかもしれない。
さらに注目は広さで、ラゲッジ容量が7人フル乗車で300リッターあるのは当然、3列目を倒して屋根まで使うと988リッターに広がり、2列目も倒すと最大2430リッターにまで広がる。
まさに「乗用」から「キャンプ用」、ヘタすると「業務用」まで使えそうで、この幅こそがシャランの最大の売りであり、自由度では日本のミニバンを凌ぐかもしれない。
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