使わないなんて勿体ない! VWのコネクティビティシステム「Car-Net」の使い心地を改めて試す!
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林 岳夫
付いてるのに使ってない人が5割以上!?「Car-Net」の実力をチェック!
最近、注目されているクルマの技術に通信機能がある。クルマが情報を受け取る端末になるという考え方だ。ただしこのメリットがいまひとつハッキリしないイメージも強い。例えば車両がメールを受信して、音声で読み上げる機能もあるが「運転中にメールのチェックまで行う必要があるのか?」と思ってしまうのは私がオジサンだからか。
その半面、刻々と変化する渋滞状況を考慮したカーナビのルート案内などは、通信機能のメリットだ。ハンズフリーで行える音声入力(ボイスコマンド)機能も有効だろう。このようにさまざまな機能の利用価値には格差がある。
今はいろいろなサービスが試されながら進化しているので、必要な機能を選んで使っていきたい。そこでフォルクスワーゲンのモバイルオンラインサービス「Car-Net」を試した。
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モバイル端末を利用したテレマティクス通信により、車外からナビ設定が可能
Car-Netの通信機能の価値を高めるのは、テレマティクス機能の「Guide&Inform」搭載車で可能なオンライン目的地インポート機能だろう。
スマートフォンを使って車外で目的地を設定し、この情報を車両のシステムに送信できる。クルマに乗る前にカーナビの設定を済ませておけるわけだ。
クルマに乗り込んでから目的地を設定しても良いが、例えば仕事を含めて複数の地点を経由しながら合理的に移動したい時などは、自宅でゆっくりと翌日の行動プランを立てたい。Car-Netでは目的地を100件まで保存できるため、複雑な予定も立てやすい。
モバイル端末でクルマを遠隔操作できる「e-Remote/e-リモート」
「e-Remote/e-リモート」は、e-Gofのような電気自動車やプラグインハイブリッド車用のシステムだ。
通信機能で充電の操作をしたり、出発前にエアコンを作動させて、車内の空調を整えておける。電気自動車の場合、走行を開始してからヒーターをフルに使うと、航続可能距離が短くなってしまう。車内を暖めた状態で出発すれば、その心配も生じにくい。
このほか端末には窓が開いていることなども表示されるから、セキュリティも向上させられる。電気自動車やプラグインハイブリッド車は、停車中に行う充電の作業があるから、遠隔操作を可能にする通信機能との相性が良い。
Car-Net搭載車の主なサービスを整理すると以下のとおりだ。
・エアコン管理
・バッテリー管理
・車両情報の表示
・走行データの表示
・駐車位置の表示
・ドアやライトの作動状態
・出発時間プログラム
インターネットの接続方法は、車両の接続ユニット(OCU)に固有のSIMカードがセットされている。これで車両を認識して、フォルクスワーゲン・バックエンドシステムに接続する仕組みだ。
しっかり発音する必要はなし! ”普通にしゃべる”だけで使える音声認識機能
Car-Net搭載車の試乗は、フォルクスワーゲン・パサートヴァリアントで行った。ステアリングホイールのスイッチを押すと、目的地の設定など各種の操作を音声で行える。普通に発音するだけで、かなり正確に検知した。操作時間の短縮にも繋がるだろう。経由地も簡単に設定できる。
さらに目的地付近の天候、到着予定時刻の天気予報なども簡単に分かるから便利だ。このほかスイッチを押した後で「オンライン施設検索」と発音。「近隣のコーヒーショップ」などと続ければ、コーヒーショップのリストが表示される。
近隣にある時間貸し駐車場のリストをチェックすることも可能で、営業時間や現在の空き状況も分かる。駐車場の情報が予め分かると、満車で入れずに空いている駐車場を探しながら走りまわる面倒も解消できる。これらの情報を受け取ったら、そのままカーナビの目的地として設定することも可能だ。
交通情報は、オンラインVICS情報をテザリング常時接続によって取得できる。都道府県単位に分かれた情報ではないため、県を越境した長距離の渋滞情報も把握しやすい。道路工事などの情報も交えた上で、その時々に応じた最適なルートを提案する。
各種モバイルアプリケーションにも対応し、スマートに使える「Car-Net」
車両の管理ができることも通信機能のメリットだ。車外でも警告灯の点灯状況、タイヤの空気圧、燃料タンクのレベルなどを把握できる。各種のモバイルアプリケーションにも対応しており、Apple CarPlay、android auto、Mirror Linkなどを利用可能だ。
最近はスマートフォンに使われるGoogle Mapのナビ機能が進化して「カーナビよりも使いやすい」という意見もある。車載のカーナビも進化を迫られるようになった。
判断や評価には、ユーザーの使い方に加えて好みも影響するだろう。「道案内だけに使うからスマートフォンのGoogle Mapで十分」と考えるユーザーにとっては、もはや車載のカーナビはメリットが乏しい。フォルクスワーゲンのCar-Netも同様だ。
逆に実用性よりも操作感覚やクルマに乗る時のスタイルとして、車載のカーナビを使いこなしたいユーザーもいる。ステアリングホイールのスイッチ操作と音声で目的地を設定できれば、スマートフォンを取り出すよりもスマートだ。
VW Car-Net今後の課題として、緊急連絡機能を充実させたい
VWのCar-Netに驚くような機能はないが、その操作感覚は、洗練されたフォルクスワーゲン車のイメージに合っているように感じた。
今後の課題は安全性を高める通信サービスだ。例えばエアバッグが作動した時、通信機能を使ってオペレーターが無事か否か呼びかけを行い、万一応答がなければ、車両が発信するカーナビ情報をベースに消防署へ通報する。最近は日本車、一部の輸入車でヘルプネット搭載車が増えてきた。
最近は高齢のドライバーが増えて安全装備が重視され、通信機能が果たす役割も大きい。この機能が加わるとCar-Netの価値が大幅に高まり「Google Mapだけでは、万一の時に心配かな」と考えるユーザーも増えるだろう。
[Text:渡辺 陽一郎 Photo:小林 岳夫]
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