フォルクスワーゲン パサート TSI Highline BLUEMOTION 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
こいつは経済的なファミリーカーになり得る!
乗り心地はどうか。ハイラインに装着される17インチタイヤ(コンチネンタル・スポーツコンタクト3)は、少々硬めに感じられる。柔軟性を求めるならコンフォートラインが履く16インチ(ブリヂストン・トランザER300)だが、タイヤが路面の上を転がる時に発するノイズが少々気になる。このあたりは一長一短だ。
それでもボディ剛性の高いLサイズのセダンらしく、17インチタイヤでも粗さは感じない。重厚感が伴い、快適に走れる。
操舵感は、フォルクスワーゲンらしく、機敏に曲がる性能よりも走行安定性を重視したタイプ。直進時からコーナリング、レーンチェンジまで、終始安心できる。初心者ドライバーからベテランまで、間口の広い設定だ。
ただし、2012年モデルでゴルフが操舵に対する正確性を高めたこともあり、パサートは少々古さを感じる。少しだけハンドルを切った時の反応など、やや曖昧な印象だ。
ちなみに現行型は2011年の登場とされるが、実質的には変更規模の大きなマイナーチェンジだった。1.4リッターのターボを装着したエンジンとのバランスで捉えると、シャシーは世代が古い。
それでもTSIハイラインブルーモーションが374万円、TSIコンフォートラインブルーモーションが324万円という価格も含め(カーナビはオプション設定だが)、割安といえるだろう。居住性もリアシートを含めて快適。優れた燃費性能と相まって、長距離を頻繁に移動するユーザーの経済的なファミリーカーになり得る。
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