ワイスピにラ・ラ・ランドも! 自動車評論家が選ぶオススメのクルマ映画

スープラ人気を決定づけた大ヒットシリーズ第一作!

新型スープラ発売間近?!というタイミングにあって、おすすめクルマ映画は?と聞かれれば、間違いなくコレでしょう。

『ワイルド・スピード1』!

未だ新作が発表され続ける人気シリーズ「ワイルド・スピード」の口火を切ったその第一弾に、まさにA80スープラが登場しています。

劇中で主人公ブライアンの“勝負車”として登場するのがオレンジ色のスープラ。このクルマをみんなでリペア&ビルトしていくのも、この映画において大きなキーを握るシーンです。ひとつのものを作り上げていくことで友情が深まっていく、そんなシーンを描いた映画は数多あれ、アメリカの若者の輪の中心にあるのが他ならぬ我らが日本のスープラだなんて、なんだか胸アツ…。ストーリーとは全く別のところでも我々クルマファン&モタスポファンを感動させてくれてしまいます。

さらに第2弾のストーリーにもスープラは登場していて、北米においての同車人気の高さを伺えますよね。

奇しくもスープラが復活する今年、ワイルド・スピードも待望の新作が発表されましたね。残念ながら新作ワイルド・スピードに新型スープラは出てこないそうだけど、ただならぬご縁を感じさせるタイミングです。

>>【画像特集】ワイスピにラ・ラ・ランドも! 名作映画を彩ったクルマ達

アカデミー賞受賞のあの名作のクルマも気になる!

もう一つ、クルマ映画ではないけれど、クルマシーンが印象的だった最近の映画は、2016年に公開されアカデミー賞はじめ多くの映画賞を受賞したミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。

ロサンゼルスを舞台に夢を追いかけるふたりの若者を描いたロマンティック・ストーリーなのですが、バイトをしながら女優を目指す主人公ミアが乗るのが2代目プリウス(多分中古という設定)。

その昔、かのレオナルド・ディカプリオがレッドカーペットにプリウスで登場したことで、環境意識の高いアメリカン・セレブリティーに巻き起こったハイブリッドカーブーム。一時ガレージにプリウスを加える、というのはトレンドになりました。その需要の高さを映画の中ではコミカルに描いていて(パーティー参加者がクロークに預けたキーボックスの中がプリウスのキーだらけ!)、北米におけるプリウスの存在感を伺い知ることができます。

ちなみに、恋人役セブが乗るのがビュイック リヴィエラ

ヴィンテージカーブームが加熱する一方の西海岸ですから、貧乏ピアニストが持つには販売価格はもとより、ランニングコスト的にも相当な努力が必要なハズ。芸術家肌で自分のスタイルの演奏ができないと癇癪を起こし、すぐに仕事をクビになってしまう、という彼のこだわり屋さんな性格をクルマが表現しているようで、こちらも興味深い選択です。

数あるロードムービー作品の中の傑作

さらに、ロードムービー数あれこの映画に勝るモノはないかも、と未だ思えるのが『ペーパー・ムーン』。何度も見返した名作です。1973年公開のモノクロ作品ですが、今でもまったく色あせない面白さが凄い。

実の親子であるライアン・オニールと娘テイタム・オニールが演じるのは、聖書を未亡人に売りつける詐欺師の男と、彼の元恋人であった母を亡くした幼い女の子です。

男はひょんなことから、もしかしたら自分の子かもしれないこの少女を、金と引き換えに親戚の家まで送り届ける羽目に陥ります。この道中でも彼は詐欺を繰り返すのですが、なんと少女が実は末恐ろしいほどのキレ者で、男以上の詐欺能力を発揮し(!)敏腕詐欺師として大活躍。ふたりは大金を巻き上げながら旅を続け、異様なシチュエーションの中で心を通じあわせていく、という内容。

そんな詐欺師の男がドライブするのが、1936年製のフォードセダンです。

基本的にこの映画はコメディに分類されるのですが、フォードセダンのクラシカルな佇まいとモノクロ映像がノスタルジックな物悲しさを演出していて、まさにこのクルマでしか醸し出せない独特の色気がストーリーに奥行きを持たせています。

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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