自動車ライター 遠藤イヅルが選ぶ! 年末年始オススメのクルマ映画
- 筆者: 遠藤 イヅル
自動車ライター 遠藤イヅルが選ぶオススメ映画「激突」
1971年に作成された有名な映画です。ご存知の方も多いと思いますが、手がけたのはスティーブン・スピルバーグ。の、無名時代。元は劇場公開用として制作されたものではなく、低予算のTV向け作品だったことはあまり知られていないかもしれません。
ストーリーは簡単すぎて、未見の方にはネタバレになってしまうので、書くのどうしようかなあ(笑)。簡単に書いちゃうと、主人公のセールスマンがカリフォルニアに向かう道路で、とあるタンクローリーを追い抜いたことから恐怖が始まる……そう、ただそれだけ。でも、カメラワークの秀逸さ、適度に使われるBGMが観ている人に不安を煽る、傑作映画です。
そして何よりも「主役」はクルマ。だけど、出てくるクルマのほぼ全ては主人公のデイビット・マン(デニス・ウィーバー)が乗るファミリーカーと、それを追いかけ回す(あ、書いちゃった)タンクローリーのみ。登場人物もほんのわずかで、タンクローリーのドライバーは顔が一切見えないので、「主人公がなぜ追いかけられなければならないのか」(あ、またネタバレっぽいこと書いちゃった)という得体の知れない感、恐怖感がさらに増幅されています。
無名時代でもスピルバーグの才能を感じる貴重な作品
さらに、このファミリーカーが当時のアメリカでは何の変哲もないベストセラーコンパクトカーの一つ、「プリムス ヴァリアント」というセダンというチョイスも素晴らしい。ヴァリアントのサイズは全長約4.8m、幅約1.8mもあり、エンジンは3.2もしくは3.7リッターの直6で、4.5/5.2/5.6リッターのV8もオプションで用意されていました。えっ、デカっ!全然コンパクトじゃないじゃん、という感じなのですが、当時のアメリカではこれでも「小さいクルマ」だったのです。ちなみに劇中で使用されていたのは1971年型と思われ、搭載エンジンは画面に出たシーンを見る限りでは直6ですが、V8モデルも使用されていたようです。
一方、主人公に恐怖を与え続ける、サビと汚れがただならぬ雰囲気を醸し出す古びたトラック(トラクター)は「ピータービルト281」。ドライバーの顔が見えない代わりに、ボンネットとヘッドライトがまるで顔のように見えるトラックをスピルバーグが選んだという逸話通り、丸いヘッドライトで無表情で迫り来るこのトラクターが本当にコワイのです。劇中では3台が使用されたようですが、本来搭載されていたカミンズ製のNTC−350エンジンではあんなに速く走れないそうで、劇用車ではCAT製の1674エンジンに換装されていたとの情報もあります。
なお、1973年に日本で公開された際の邦題は「激突」。でも、本当のタイトルは「DUEL(決闘)」です。なぜ“決闘”なのか?まだこの映画をご覧になっていない方でその理由を知りたいなら、ぜひ一度見てみてください。
シンプルなホラーの持つ奥深さと、スピルバーグという天才のチカラを知ることもできますよ!
[筆者:遠藤イヅル]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。