トヨタ AE86トレノが神格化されるワケとは?|現役ハチロク乗りの”ハチロク”語り ACT1

現役ハチロク乗りがその人気の秘密を紐解きます!

登場から35年(!!)という月日が経過した今でも、ハチロクはその人気を維持し続けている。いやむしろ、年々その人気はじわじわと上がり続けており、いまや神格化されかねない勢いとなっているようだ。

かれこれハチロクに四半世紀以上乗り続けている僕(今年で47歳・・・!)にとって、もはやハチロクは「我が家のわんこ」的な存在。だから中古車価格が高騰してきているのは知っていたけれど、そんな状況にはただただビックリしている。正直「なーんでこんなになっちゃったかな?」とは思うのだけど、そこには理由がきちんとあって、今回はそんな話を、モータージャーナリストではなくて、ひとりのハチロク乗りとして、少しずつひもといて行けたらと思います。

というわけでここはハチロク乗りで、行ってみよー!

>>当時の人気は逆だった?AE86型トレノ&レビン特設画像ギャラリーはこちら(画像29枚)

夢と懐かしい走り屋のニオイが詰まっていた“イニD”

ハチロクの人気を決定的なものとしたのは、なんと言ってもマンガ「頭文字D」(イニシャルD)の影響。これは揺らがない事実だよね。

走り屋の聖地であった「峠」を舞台に、ハイパワーなチューニングカーたちをハチロクがバッタバッタと斬り倒して…じゃないや、走り勝つ様は痛快で、ボクも毎週ヤンマガを買って、文句を付けながらもそれを楽しんでいた。イニDには、マンガならではの夢と、懐かしい走り屋のニオイが詰まっていたんだ。

今思うに「イニD」は、その設定がとっても秀逸だった。

ハチロクが搭載する1.6リッターの自然吸気ユニット「4AG」は、その馬力が130ps(しかもグロス値!※1)と、イニシャルDが舞台とした時代において恐ろしく非力。

常識で考えれば当時現役だったセブン(マツダ RX-7)やR32 GT-R、ランエボなんかにゼッタイ適うわけないんだけど、曲がりくねった峠道、その下りでなら「まさか! でも…ありうるかも汗」と思わせたんだ。

実際イニDのモデルとなったような“ハチロク乗り”は、全国の峠にチラホラいた。そしてその代表が土屋圭市さんなんですよ。

そのあと織戸 学さん、飯田 章さんが有名になった。オプションビデオの「水戸納豆レーシング」は最高だったなぁ!

そして僕たちの世代でいうと、谷口信輝選手なんだよね。

※1 グロス値:エンジン単体で馬力を測定した値。現在は車輌に搭載して負荷を掛けた状態で何馬力かという「ネット値」が普通。つまり4AGをネット値で測定したら、130psをさらに下回ることになるのだ汗)

より一層“しょぼさ”に磨きを掛けたマニアックな設定

話を戻すとハチロクをドリフトさせながら、“最強のダウンヒラー”として勝ち続けて行ったところに、イニDのカタルシスはあったわけです。

だから主人公である藤原拓海が乗るハチロクは、「前期型」の「トレノ」じゃなければならなかった。

なぜならハチロクは伝統的に「レビン」が人気で、単色の「GTV」が走りのグレードと見なされていたから。これを空力的に不利なリトラクタブルヘッドライトを持つ「トレノ」の「前期型」にして、さらにナンパな2トーンの「パンダ」カラーとすることで、作者しげの秀一さんは、より一層“しょぼさ”に磨きを掛けたのではないかと思う。この設定のマニアックさには、うならされたなぁ。

とはいえ面白かったのはハチロクが、イニD人気をきっかけにしながらも再び独自にその人気を燃え上がらせたこと。

これについては次回のコラムで、思いっきり語ってみようかと思います。

[レポート:山田 弘樹]

>>Net Time:現役ハチロク乗りの”ハチロク”語り ACT2

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ スプリンタートレノハッチバックの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ スプリンタートレノハッチバックのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ スプリンタートレノハッチバックの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ スプリンタートレノハッチバックの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ スプリンタートレノハッチバックのニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる