トヨタ 新型SAI[2013年マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
内外装のデザインを一新し、先進性を分かりやすく表現
マイナーチェンジでフロントマスクをここまで大きく変えたクルマも珍しい。変更前の「SAI」は、いかにもファミリーカーという穏やかな顔立ちだったが、変更後は、車幅いっぱいに装着されたLEDクリアランスランプとLEDヘッドランプが目を引く。昼間でも精悍な雰囲気だが、夜間にはさらに妖しく光る。開発者は「大人がモテるための武器」と表現したが、さらに話を聞くと、当然ながら現実的な事情も見えてきた。
2009年10月に「SAI」が登場した時のコンセプトは「先進性と上質感」。この考え方は変更後も同じだが、登場時点では「高級品はシンプルにあるべきだと考えた」と言う。ブランド品の洋服などもそうだが、ムヤミに派手に飾り立てたりはしないものだ。そこで「SAI」も内外装をていねいに、そしてシンプルに仕上げた。
ところが売れ行きは低迷。発売時点では1か月の販売目標を3000台としたが、最近は300~500台前後まで下がった。そこで「先進性を分かりやすく表現すべく、内外装のデザインを一新させた」と言う。
大幅なマイナーチェンジで見栄えが大幅に良くなったクルマ
背景にはボディスタイルとのバランスもあるだろう。「SAI」はハイブリッド専用車だから燃費性能が重要。空気抵抗を低減すべく、前後のウインドウを大きく寝かせた。その上で圧迫感のない室内空間を得るには、フロントウインドウの根元は前寄りに、リアウインドウの根元は後ろ寄りに配置する必要がある。
となればボンネットとトランクフードは短くなり、エスティマのような丸みのある卵型の「ワンモーションフォルム」に近づく。ボンネットとトランクスペースが明確に分離されたセダンの定番デザインから離れてしまう。
従来型は、このズングリしたセダンらしくないボディに、トヨタ「プレミオ」やトヨタ「カローラアクシオ」のような大人しい顔を付けたから、「妙なセダン」に見られてしまった。
個人的にはこれもアリだと思ったが、一般的ではない。売れ行きも伸び悩み、思い切った変更を施した。
外観の受け取り方は人によってさまざまだが、もともとボディスタイルがセダンらしくない「SAI」だから、前後の造形もこのくらい個性的な方がバランスは取れる。大幅なマイナーチェンジで見栄えが大幅に良くなった数少ないクルマだろう。
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