トヨタ 新型SAI[2013年マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
パフォーマンスダンパーは有効に働いている。乗り心地はタイヤの設定次第
走行安定性も向上している。レクサス「HS250h」のマイナーチェンジ版と同様、ボディの溶接部分を40箇所増やし、捩れを抑えたことが利いている。変更前は操舵に対する反応が少し曖昧だったが、この点も払拭された。
試乗車には、パフォーマンスダンパーと18インチタイヤがオプション装着され、コーナリング時の走行安定性も高い。「SAI」はセダンでは高重心だが、しっかりと曲がる。
ただし乗り心地は少し硬い。このあたりのバランスは、同じくパフォーマンスダンパーを備えた「HS250h」の方が優れている。
「SAI」の18インチタイヤは215/45R18で、銘柄はブリヂストン・ポテンザRE050A。HS250hは225/40R18で、銘柄はダンロップ・SPスポーツ01になる。ショックアブソーバーのメーカーも異なり、「SAI」はカヤバ、「HS250h」はショーワ製だ。
「SAI」の場合、タイヤを乗り心地を重視したタイプに変更するか、17インチにして充填される空気のボリュームを増した方が良いだろう。パフォーマンスダンパーは有効に働いていると思われるので、タイヤの設定で乗り心地は向上するはずだ。ややスポーティーな見栄えに振りすぎた印象があり、改善の余地を残す。
なので購入時には、16インチタイヤ(205/60R16)と前述の18インチ仕様を乗り比べて選んで欲しい。18インチタイヤとパフォーマンスダンパーのオプション価格はセットで13万2300円だ。
居住性は基本的に従来型と同じだが、全高を1485mmと高めに設定し、ホイールベースも2700mmと長いことから、前後のシートともにゆったりと座れる。ファミリーカーとしての機能性は高い。
エコプラスチック使用量を上げ、環境負荷を抑える
マイナーチェンジされた「SAI」でひとつ感心したのは、植物資源が原料のエコプラスチックを室内表面積の80%まで広げ、樹脂リサイクル部材も拡大採用されたこと。エコプラスチックはさまざまな植物から採取が可能で、廃棄されていた部位も有効活用できるという。生産と廃棄の両面で環境負荷を抑えられる。
こういった進歩は、「SAI」にとどまらず、ほかの車種にも反映される。目立たないところではあるが、注目すべき改善だろう。従来のマイナーチェンジといえば、フロントマスクを変えて、走行性能、乗り心地、燃費性能を少し向上させて…、という内容だったが、最近は多岐にわたるようになった。
特にプラスチック素材は自動車に限らずさまざまな商品に使われ、リサイクルも同様だ。自動車でエコ技術が幅広く進歩して、それがいろいろな産業に応用されることは、クルマ好きにとって素直に喜べることだと思う。
TOYOTA SAI G“A パッケージ” 主要諸元
全長x全幅x全高:4695x1770x1485mm/ホイールベース:2700mm/乗車定員:5名/エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC[2AZ-FXE型]/総排気量:2362cc/エンジン最高出力:150ps(110kW)/6000rpm/エンジン最大トルク:19.1kg-m(187N・m)/4400rpm/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/トランスミッション:電気式無段変速機/モーター形式:2JM/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:143ps(105kW)/最大トルク:27.5kgf・m(270N・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池/電池容量:6.5Ah/燃料消費率:22.4km/L(JC08モード)/車両本体価格:421万円[消費税込み]
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