[試乗]ダイハツ トール＆トヨタ ルーミー／タンクは、あの大ヒット軽自動車のノウハウがたっぷりつまっていた(2/3)

丁寧な造り込みがなされたインテリアに好感

ダイハツ トール・トヨタ ルーミー・タンクの内装は、ていねいな造り込みがなされている。インパネは樹脂製だが、表面には革風の処理が施されて、ステッチ状の模様もあしらっている。エアコンやATレバーが収まるインパネ中央部分の処理も巧みで、G以上のグレードであれば、エアコンのオート機能と併せて光沢のあるブラックのパネルが装着される。

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前席は座り心地が快適だ。コンパクトカーとしては背もたれが高く、肩まわりのサポート性も良い。腰は左右から包み込む印象で、体にフィットする。

注意したいのは、運転席の上下調節機能が備わるものの、全般的に床と座面の間隔が離れていることだ。小柄なドライバーはペダルが操作しにくく感じる心配があるので、購入時には運転姿勢を確認したい。

軽自動車 タントのノウハウがつまった後席空間

後席は軽自動車 タントの骨格を使って開発された。座面の柔軟性が乏しく、座り心地はいま一歩。座面の角度は水平に近く体が沈みにくい。しかも床と座面の間隔も足りないから、足を前方に投げ出す座り方になりやすい。

それでも足元空間が広く、スライド位置を後端まで寄せると、ゆったりと足を伸ばせる。着座姿勢は一般的ではないが、コンパクトカーの後席としては快適だ。

乗降性も優れている。

前席は横開き式、後席にはスライド式のドアを備え、背が高いために前後とも開口部が広い。着座位置は適度で、乗降時の腰の移動量が少ない。後席の床の高さ（ステップ部分の高さ）は366mmだから、ヴォクシー＆ノアなどに比べて20mmほど低く、足を大きく持ち上げる必要がない。

後席を畳めば、巨大な箱状の空間が広がる

背の高いコンパクトカーとあって、荷室の機能は充実している。後席はタントをベースに開発したから、背もたれを前に倒して床面へ落とし込むように小さく畳める。全高は1735mmと高く、荷室の床面地上高は527mmと低いため、ボックス状の空間に変更することが可能だ。荷室高は1070mmに達する。

床が低いために自転車も積みやすい。前輪を極端に持ち上げなくても収納できる。荷室のボードを反転させると防汚シートになり、床の汚れを落としやすいこともメリットだ。

注意したいのは後席を畳んだ時の運転姿勢。床面へ落とし込むように畳むので、前席のスライド量が制限され、あまり後方に寄せられない。長身のドライバーが座った時には、スライド量が不足する場合がある。購入する時は、後席を畳んだ状態で正しい運転姿勢をとれるか確認したい。

普段使いに嬉しい豊富な収納

収納設備は豊富で、インパネ中央の下側には、5リッターの容量を備える大型のボックスを装着した。両端には引き出し式のカップホルダーが備わり、引き出した時はスペースが広がって500mlの紙パックなどが収まる。このほかトレイや袋を引っ掛けられるフックを豊富にそろえ、日常的な使い勝手を高めた。

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さらにコンフォートパッケージ(2万2680円)を装着すると、運転席と助手席にシートヒーターが備わり、前席の背面にはカップホルダーを内蔵した折り畳み式のテーブルも備わる。コンパクトカーでありながら、車内を自宅と同じように使える空間に仕上げた。