納期は既に数ヶ月待ち!大人気の新型プリウス、購入は試乗してから判断すべき「2つの理由」(3/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正/トヨタ自動車
納期は既に数ヶ月待ち!大人気の新型プリウス、購入は試乗してから判断すべき「2つの理由」
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走りが改善されたにもかかわらず、試乗機会が与えられない“矛盾”

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプトヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

新型プリウスは走行性能に力を入れており、特に走りが良いとはいえないものの先代プリウスで感じたカーブの曲がりにくさ、操舵感の曖昧な印象、路面状況の分かりにくさ、乗り心地の粗さなどはかなり改善されている。「エコカーの我慢」はおおむね払拭された。その上での足まわりとタイヤの違いだから、試乗して判断するだけの価値があるだろう。

それなのに、販売の現実は顧客に「試乗しないで買いなさい」と言っているわけだから、かなり矛盾している。足まわりを担当した開発者の立場で考えても、お客様には実際に試乗して納得してもらった上でグレードを選んでいただきたいだろう。クルマは走って価値を発揮する商品だから、試乗の機会を設けた上で受注を開始するべきだ。

トヨタに限った話ではない。「人馬一体」がテーマのマツダロードスターも、同様の受注を行った。

ちなみにロードスターはグレードによってスタビライザーの設定などが異なり、それぞれに独特の味わいがある。その味見をさせないで受注したのでは、入魂の開発を行った価値も薄れてしまう。ユーザーが購入した後で別のグレードを試乗して、「グレード選びを間違った!」と後悔させる心配も伴う。

常に試乗して選べるようにすることはとても大切で、メーカーには「自動車販売の基本」と考えてもらいたい。

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

話をプリウスのグレード選びに戻そう。

上級の「A」には、「S」にオプション設定される「Toyota Safety SenseP」「LEDフロントフォグランプ」を加え、さらに後方を並走する車両などを知らせる「ブラインドスポットモニター」、音波センサーによって車両付近の障害物を知らせる「インテリジェントクリアランスソナー」、車庫入れを支援する「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」も標準装着される。

ブラインドスポットモニターなど上記3つの装備は安全性を左右するから、Toyota Safety SensePと同様、相場の7万5,000円程度でメーカーオプションの設定をすべきだろう。現状では「S」ではこの装備を選べないので、予算に余裕があれば「A」にグレードアップしたい。

「A」の価格は「S」に比べて29万8,472円高い。「A」はリチウムイオン電池を採用しているので、「S」との価格差が装備内容の換算額よりも4万円ほど拡大している。

トヨタ新型「プリウス」

そして最上級の「Aプレミアム」には本革シート、運転席の電動調節機能、100V/1500Wの電源コンセント(「A」以下のグレードでは4万3,200円でオプション設定)などが標準装着される。

「Aプレミアム」の価格は「A」に比べて32万9,892円高く、装備の違いは13万円相当だから、本革シート表皮が20万円前後だ。この価格差は妥当といえる。

以上を整理すると、最も買い得なグレードは「S」。予算に余裕があれば安全装備などが充実する「A」を選び、「ツーリングセレクション」の選択は試乗車を乗り比べて判断する。

「ツーリングセレクション」は割安ではないから、価値をあまり感じない時はベースのグレードで十分だ。

試乗して欲しい「2つ目の理由」

トヨタ新型「プリウス」

先ほど、新型プリウスは走りが改善されている為に試乗して判断したいと述べたが、購入を検討される方はさらに注意点として「車庫入れ」や「縦列駐車」を試して欲しい。

なぜなら、プリウスは新型になって前方視界は多少改善されたが、側方/斜め後方/真後ろの視界があまり良くないからだ。全長も60mmではあるが伸びたので、後退時の取りまわし性を確認して欲しい。

また、登坂路などではエンジンノイズが明瞭に響くところがある。ほかのノイズが減った結果でもあるが、これもチェックしておくと安心だ。

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

それから「A」グレード以上の「フロントコンソールトレイ」(前席中央に装着されたカップホルダーなどが備わるスペース)は、ホワイト仕上げになるが、見る人によって印象が異なりそうだ。瀬戸物やホーローを連想させ、周囲とのコントラストも少し強い。

後席は足元の空間が広くて快適だが、頭上は少し狭めになる。

こういった点に注意しながら、走行安定性と乗り心地の向上を実感すると良いと思う。クルマを買う時にはしっかりと試乗して、大いに楽しみながら、自分にとって最良の商品を選びたい。そうすれば愛着を持って長く大切に使える。

懐にも、環境にも優しく、そして何よりも読者諸兄の愛車が幸せになれると思う。

[Text:渡辺陽一郎]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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