納期は既に数ヶ月待ち!大人気の新型プリウス、購入は試乗してから判断すべき「2つの理由」(2/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正/トヨタ自動車
納期は既に数ヶ月待ち!大人気の新型プリウス、購入は試乗してから判断すべき「2つの理由」
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低価格の「E」は燃費スペシャル仕様、購入するなら「S」以上のグレードを

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

新型プリウスの概要は、すでにオートックワンなどで報道されている通りだが、JC08モード燃費は違っていた。

燃費が最も優れた「E」は、以前の報道では40km/Lだったが実際は「40.8km/L」。そのほかのグレードも、以前は37km/Lという話だったが「37.2km/L」になる。E以外のグレードに設定される4WDは「34km/L」だ。

今回はオプションを含めて正確な価格が分かったので、新型プリウスの買い方を考えたい。

トヨタ新型「プリウス」トヨタ新型「プリウス」

グレード構成は、先に触れた燃費スペシャル的な低価格の「E」、中級グレードの「S」、上級グレードの「A」、最上級グレードの「Aプレミアム」。

これらはいずれも15インチタイヤを装着するが、「E」を除くすべてのグレードに17インチタイヤを履いて足まわりの設定が変わり、リヤバンパーなどにも変更を施した「ツーリングセレクション」が設定されている。

まずは2WDと4WDの価格差だが、4WDは2WDよりも19万4,400円高い。この価格は乗用車に設定された4WDの相場に沿っていて、プレミオ&アリオンなどと同等だ。割高ではないから必要に応じて選びたい。

グレードについては、価格が最も安い「E」は選びにくい。約50kgの軽量化とコスト低減のために「S」に比べてリヤワイパー、運転席の上下調節機能、一部の遮音材などが省かれているからだ。

価格に置き換えると総額で9万円程度の違いだが、「E」で省かれた装備はいずれも昨今のクルマでは必要不可欠となる基本的な装備。しかも視界や運転姿勢に関係するから、安全性にも左右するのでオプションでも付けられないのは困る。加えて「E」と「S」の価格は5万73円しか違わないのだ。

理由は、おそらく駆動用電池の違いだろう。「E」は高コストなリチウムイオン、「S」はニッケル水素だから装備には9万円程度の差があるが、価格は約5万円に縮まった。

3km/L少々の燃費数値にこだわらない限り、「S」以上のグレードを推奨する。

バランスが取れていて、最もおススメなグレードは

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

機能や装備と価格のバランスで最も買い得なのは「S」だ。

価格は247万9,091円で、カーナビを除いた大半の実用装備が標準装着されている。

これにオプションの「Toyota Safety SenseP」(トヨタセーフティセンスP/8万6,400円)、バックカメラなどを含んだナビ装着用のナビレディセット(3万2,400円)を加えるのが現実的。カーナビ本体はディーラーオプションから選ぶ。

「ツーリングセレクション」については、ユーザーによって推奨度が変わる。

トヨタ新型「プリウス」プロトタイプ

「S ツーリングセレクション」は、Sのアルミホイールを15インチからデザインの異なる17インチに拡大し、足まわりの設定とリヤバンパーの形状も変更。シート表皮を上級化して、快適温熱シートも備えた。

総額で11万円程度の変更内容だが、価格は14万9,236円高い。4万円程度は割高だ。とはいえツーリングセレクションを装着すると、当然ながらタイヤのグリップ性能が向上して、特に濡れた路面では17インチの安心感が高い。乗り心地はツーリングセレクションが硬めだが、細かな振動が抑えられて質感はむしろ「S」を上まわる。

タイヤの指定空気圧も異なり、15インチタイヤは転がり抵抗を抑えるために前輪が250kPa、後輪が240kPaと高めだが、17インチは220/210kPaだからおおむね適正だ。この乗り心地の違いと価格のバランスをどのようにとらえるかで、ツーリングセレクションを選ぶか否かの判断が変わるだろう。

先に述べたように、どのみち納期は遅延するのだから、標準グレードとツーリングセレクションを乗り比べて判断すると良い。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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